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「いい音がする文章」【2/9 朗読&トークイベントの感想】
読書をするのは好きであるが、自分の文章は好きになれず投稿することがなかった。
「いい音がする文章」の本が背中を押してくれたのと、イベントの中で頭を離れない質問があったから感想文を書いてみた。
「いい音がする文章」の感想
後で書いている2/9のイベントでサインを頂いた本を一気読み。
読みやすいと感じる文章と全く入ってこない文章があると感じていたことをとても丁寧に優しく言語化してくれたと感じた。
自分の持つ語彙とリズムが相手とずれていると入って来ないのだろう。
日本語がきちんとあるのにあえて横文字だらけの選択をする人と上手く話せない理由な気がした。
自分が普段使わない言葉のリズムで、会話は音になるため、その影響がさらにましているのだろう。
他人の目を気にして発表できない話も印象的であった。
自分もまさにその一人だからです。
本の中では失敗は嫌だけど飛び込むことでわかることがあるよと実体験を交えて教えてくれる。そんな飛び込むことの大変さと楽しさを伝えてくれる文章を呼んで文章を書いてみたくなった。
朗読&トークイベント
2025年2月9日
妻と義理の実家に息子たちをお願いをして、新宿に到着した。
参加したいイベントに行くことを快く許してくれる家族には頭が上がらない。
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イベントは高橋さんの朗読と今野さんとのトークで進んでいく。
静かだけどゆったりして温かい会場の雰囲気だった。
高校生の頃からチャットモンチーを聴いて観て育ってきた私としては、目の前に「クミコン」がいるのが不思議な気持ちでフワフワしていた。
素敵な朗読と同じくらい質疑応答の時間にあった一つの質問がずっと残っていた。
詳細は書いていいかわからないので、その質問を受けて自分の中でぐるぐるしていた疑問とそれに対する今の自分の意見をまとめる。
「なぜ専門家は難しい言葉をつかってしまうのだろう。」
私はものづくりに関わる仕事柄、論文や技術書などを日常的に読むタイプなのだが、あまり疑問に思わず生きてきてしまっていた。
考えたことをわかりやすくするためにの仮の例を挙げてみる。
『アンパンマンが顔を変えるだけで元気が100倍になるなんて、アンコとパンの成分に特別な秘密があるに違いないから調べてみよう。』
そんな5歳時のような動機で研究を進めて、いざ論文発表する際のタイトルは以下の様なものにする。
『赤小豆ペーストおよび発酵小麦製品の統合的生化学的・構造的解析:元気が100倍増強する機構の解明』
この感想文の中では圧倒的に異質である。
お昼ごはんを食べてボーっとしているときや家族に伝えるときは上、論文や発表をする際には下の様な言葉を無意識に選択している。
届けるべき相手の属性や状況に対して言葉とリズムを選んでいるのである。
専門用語は少ない文字数に情報量が多く乗せることができるから理解できる人の間ではリズムが良く、理解が早くなる。一方で言葉に含まれている複数の意味が把握できない人は置いてきぼりになる。
どっちが良いと悪いとかではなく、適材適所を選んでいくのが大切というなんのアドバイスにもならないよくある結論に落ち着いてしまう。
相手を意識することは大事だけど意識しすぎると「らしい文章」が書けなくなる。このバランス感覚は書き続けることで良くなっていくといいなと思う。
まずは文章を書き始めることだとこの本に影響を受けて、止まっていた日記を再開した。
高橋さん、今野さん、ブックファースト新宿店の皆様、素敵なイベントと本を届けてくださりありがとうございました。