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在野の情熱、アカデミアの存在意義
父が定年退職を迎え、セカンドキャリアとして研究の道に興味があるかなと思い、薦めたのが今回紹介する荒木優太編著『在野研究ビギナーズ 勝手にはじめる研究生活』(明石書店、2019年)である。
https://www.akashi.co.jp/book/b472224.html
本書の対象になっているのは、現役で活躍中の15人の在野研究者たちである。本書では、在野研究を「大学に所属をもたない学問
マルクスと気候変動問題
斎藤幸平『人新世の「資本論」』集英社新書(2021年) 人新世とは、人類の経済活動が地球を破壊する環境危機の時代を指す。地球ではすでに気候危機が始まっていて、以前の状態に戻れなくなる地点(ポイント・オブ・ノーリターン)がすぐそこまで迫っているという。
その危機の原因となっているのが資本主義だ。資本主義による収奪の対象は労働力だけでなく、地球環境全体なのだ。しかも環境負荷は外部化されるために、先