見出し画像

キリスト教って何?

はじめに

 先日、MARO『上馬キリスト教会ツイッター部の キリスト教って、何なんだ? 本格的すぎる入門書には尻込みしてしまう人のための超入門書』(ダイヤモンド社、2020年)を読了した。

https://www.diamond.co.jp/book/9784478110850.html

 私の身近には、キリスト教徒の人びとが何人かいるが、キリスト教について私はほとんど何も知らないと思って、勉強することにしたのだ。この本は、最初のとっかかりとして良さそうな本だった。なにせ本のカバーに、「神であり、人間。それがイエス・キリスト」と書かれた紙を指さすキリストのイラストが描かれていて、その下に「この本は、これくらいゆるーくキリスト教のことを説明する本です。」と書いてあるのだから。

本書の構成と内容

 本書は3章から構成されている。
 「第1章 ざっくり知るキリスト教」では、キリスト教の基本について、著者の考えも交えながら説明されている。恥ずかしながら私は旧約聖書と新約聖書の違いも分からず、「旧訳」と「新訳」だと勘違いしていたから、なんで新しい訳があるのに古い訳を使うんだ?と疑問に思っていたくらいだ。その辺りの違いや、キリスト教とは何か、聖書とはどんな本か、といった根本的なところから解説されていて、勉強になった。基本的なことばかりではなくて、どんな点に論争があるかという点にも触れていて、この宗教の奥深さを感じることができた。
 「第2章 クリスチャンから見た世界」では、現実にクリスチャンとして生きてみるとどんな考え方の変化があるのかについて記している。クリスチャンは誠実な人という見方は幻想だと言う。人は誰もが罪を犯す存在であり、清く正しくなんて生きられない存在なのだと聖書には書かれている。キリスト教は、教義がもっと厳しいかと思っていたけれど、ありのままを受け入れてくれる、愛に満ちた宗教であることを知った。
 「第3章 ゆるーくたどる聖書ストーリー」では、たくさんのエピソードの中から一部を取り出して紹介している。有名だが詳しくは知らない物語について、実際はそういう内容だったのかと新しい発見があった。これまで、美術館で何となく眺めていた、聖書をモチーフとした絵画の意味がようやく理解できた。これを機に、美術作品を見ることも楽しくなりそうだ。

キリスト教にとって大事なこと

 この本でも何度も指摘されているように、キリスト教において重要なことはありのままを受け入れることである。良いことも悪いことも、神様が意味をもって与えられたことだと考える。「揺らがない価値観」(本書251頁)を示してくれることが、キリスト教が信じられる理由なのだろう。その意味で、宗教の力は素晴らしいと思うし、それを信じる人たちにとっていかに大きな存在か、少し分かった気がした。

いいなと思ったら応援しよう!