ねずみのはらわた

読んだり、考えたり、書いたりする日々を過ごす研究者。 これまではノートに吐き出すだけだったこの気持ち―「はらわた語」を少しずつ形にしていきたいと思います。 ゆる~く続けていきますので、どうぞごひいきに!

ねずみのはらわた

読んだり、考えたり、書いたりする日々を過ごす研究者。 これまではノートに吐き出すだけだったこの気持ち―「はらわた語」を少しずつ形にしていきたいと思います。 ゆる~く続けていきますので、どうぞごひいきに!

マガジン

最近の記事

こすった…

 先日の朝、宿舎の駐車場で車を出庫させる際にハンドルを早く切りすぎてしまい、隣に停まっている車にこすってしまった。その時はこすったことに気づかなかったが、「ガガガ」という異音が聞こえたことは記憶していた。あとで思い返して、もしかして隣の車にこすってしまったかなと思い、自宅に帰ってから確認してみると、隣の車には確かにこすった跡があり、私の車と同じ色の塗料が付着していた。また、私の車にもこすったと思われる箇所に傷があった。でも、隣の車の所有者が分からない。勤務先に問い合わせて調べ

    • 置いていかれる悲しさと引き換えに得る束の間の安堵

       私は大学で非常に短期の任期で雇われている研究者だが、今年度で任期が切れるため、次の職場を見つけなければならない。元々、次のポストを得るまでのつなぎのポストであるため、出ていくことが前提となっている。そのため、全国の大学の公募に応募しているところだが、今のところ次の新天地は決まっていない。  ところで、私には同じタイミングで採用された同僚がいて、有期雇用研究者の悩みや苦しさを共有していた。彼女も昨年度は次の職場が決まらず、今年度も私と業務を分担しながら働いてきた。  つい先日

      • ソーシャルワーク演習二日目

         今日はソーシャルワーク演習二日目。  午前中は、自他の価値観を確認するワークを行った。「ある村で起きた出来事」を読んで、共感、支持、納得できる人物の順位を決めた。物語のあらすじは簡単に記すと次のようなものだ。  ある村に子どもがいる夫婦がいた。夫が戦争に行った後、妻は病気になり、かかった医者は結婚するなら治療をすると言った。夫の生死は分からないままだった。妻が牧師に相談すると、牧師は「私には神に祈ることはできても、答えは出せません。あなた自身が決めるしかないのです」と答えた

        • ソーシャルワーク演習一日目

           今日は社会福祉士の養成コースで必修となっている「ソーシャルワーク演習」を受講した。2日間で自己覚知、面接技術、コミュニケーション技術などを学ぶことになっている。  会場には15人の受講生がいて、県内各地から集まっていた。3分の2は女性だった。また、福祉分野の専門職が多いという印象を受けた。ケアマネージャーの人によると、ケアマネは5年ごとに更新があり、5日間の研修を受けなければならないとこぼしていた。その点、社会福祉士は一旦資格を取得したら更新する必要はないので、それが魅力だ

        マガジン

        • 書評
          7本
        • ドイツ語日記
          88本
        • 英語日記
          31本

        記事

          よく分からないワークショップ

           先日は東京のとある場所でイベントがあり、参加してきた。  イベントでは5人ずつグループに分かれてワークショップを行った。ワークショップのコンセプトは、ざっくり言うと、未来の教育のビジョンを描き、実現可能なアイディアを創出しようということだった。その都度、お題が与えられて、グループのメンバーで話し合うのだが、お題の意味が不明確で、話し合う内容が抽象的になってしまった。例えば、社会に求められる力について話し合おうというお題が与えられた場合、それは社会で活躍するために学生に求めら

          よく分からないワークショップ

          資格試験の合格に向けて

           私は将来的に社会福祉士の資格を取得したいと思っていて、現在、資格試験の勉強を進めている。資格の取得は自分が興味があって、必要だと感じるときにしか行わないので、資格試験の勉強の経験はあまりない。大学の頃は、周りの人が宅建の取得に勤しんでいても、何の興味も湧かなかったので、小説ばかり読んでいた。  したがって、資格取得について私は少ない経験しか有していないのだが、その経験に基づいて、資格試験合格のために必要なことを考えると、それは試験勉強の進捗状況を可視化することではないかと思

          資格試験の合格に向けて

          旅のお供

           今日は日帰りの東京出張だったので、旅のお供に本を2冊持って行った。本を1冊ではなく2冊持って行くのは、1冊だけだと途中で飽きてしまうので、交互に読んで集中力を持続させるためである。小説を1冊持っていくなら、もう一冊はノンフィクションや実用書を持って行くようにしている。長期の外出の場合は、3冊にすることもある。単行本は重いのでめったに持って行くことはなく、たいていは文庫か新書である。  今日の出張でだいぶ読み進めたかったのだが、帰りの列車の中では疲れすぎて1ページも読めなかっ

          終わらない仕事の合間に

           仕事が終わらない。  しかも明日は出張だというのに…。  休息にメロンボールシャーベットを食べよう。

          終わらない仕事の合間に

          この夏、私を救ってくれた存在

           現在私が住んでいる宿舎にはエアコンがない。必要な場合は自分で取り付けるように入居時に言われた。しかし、またいつ引っ越すか分からないので、エアコンを購入しないまま2度目の夏を迎えた。  さすがにエアコンなしで夏を過ごすのはきつい。そこで、アイリスオーヤマのタワーファンを購入した。しかし、暑い部屋の中でファンのスイッチを入れても、熱風が送られてくるだけ。ネッククーラー、冷感シート、アイスノン シャツミストなどの冷却グッズも気休めにしかならない。  そこで購入したのが冷風機である

          この夏、私を救ってくれた存在

          ふらっと軽井沢へ

           近々、車で軽井沢に行く必要があり、運転の練習のために軽井沢へ車を走らせた。片道1時間30分以上かかる。おまけに軽井沢は大雨だったので、少し緊張しながらの運転だった。  軽井沢に行ってすぐ帰るだけでは味気ないので、一応の目的地を軽井沢町追分にある堀辰雄文学記念館とした。堀辰雄は私にとって思い出の作家である。中学時代、堀辰雄の中編小説「風立ちぬ」を教室で読んでいた。主人公の婚約者がサナトリウム(結核療養所)にいるという内容で、「サナトリウムって美味いのか?」と思いながら読み進め

          ふらっと軽井沢へ

          宿舎で生まれる連帯感

           私は現在、勤務先の宿舎に住んでいる。今日の午前中は宿舎の棟全体の排水管洗浄作業があり、業者に洗浄作業をしてもらった。私は今年度、棟の会計係なので、作業を行ってもらうまでに業者に見積もりを出してもらったり、同じ棟の居住者と日程の相談をしたりした。一軒家に住んでいれば、こういう煩わしい手間はかからないのだろうが、集合住宅に住んでいることによって不思議と連帯感が生まれてくるものだ。職場で関わる人が、同じ棟に私が住んでいると知ったら、途端に愛想がよくなるということもある。  人と人

          宿舎で生まれる連帯感

          口下手と口上手

           今日、注文していた本が届いた。その本のタイトルは『口の立つやつが勝つってことでいいのか』である。ほぼタイトルで買うことを選んだと言ってもいい。  昔から感じていたのは、話上手な人には脚光が当たりやすいということである。それは当然のことではあるのだが、それに対して違和感を感じることもある。以前、元受刑者の人がパーソナリティを務めるラジオ番組を聴いたことがある。元受刑者としての経験談を交えながら、出所後の困りごとについて話すという番組だ。そのパーソナリティの男性は話上手で、自

          イランとロシアに対する強い非難

           ドイツ・ミュンスターで開催された主要7か国(G7)外相会議では、どのようなことが話し合われ、ドイツではどのように報じられたのだろうか。2022年11月4日のtagesschau 20 Uhrを見てみた。  昨日のNHKのニュースウォッチ9では、林芳正外務大臣がG7の外相に対して、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への強い非難を呼びかけたということを報じていたが、tagesschauでは北朝鮮のテーマは報じられていなかった。共同声明では、北朝鮮に対する非難も含まれているようだ。非

          イランとロシアに対する強い非難

          連邦憲法擁護庁によるデータ転送

           2022年11月3日の20時に放送されたARD(ドイツ公共放送連盟)のニュース番組「tagesschau」で流れていたニュースに次のようなものがあった。  憲法擁護庁(Verfassungsschutz)というのは、内務省の機関であり、ドイツ国内での反憲法活動を調査する情報機関のこと。憲法擁護庁から警察に情報を提供することについて、無制限に渡すことは許されず、種々の制限が設けられているが、今回はその制限が甘い点について立法上の解決を求めたということらしい。昨今、個人情報の

          連邦憲法擁護庁によるデータ転送

          当事者であると明かすことの意味

          小松原織香『当事者は噓をつく』(筑摩書房、2022年) 書名は、「当事者である」と名乗ることによって、「当事者でないかもしれない」という秘密を背負うことによる苦しさに由来している。  著者は、修復的司法の専門家であり、本書で自身が性暴力被害者であることを公表した。しかし、研究者であり、当事者でもある人は、自分が当事者であることをことさら公にしようとはしない。著者もそのデメリットについて承知している。  もしカムアウトすれば、かれら(引用者注:支援者)は私の論文や本を、「研

          当事者であると明かすことの意味

          活字を読んで音を聴く

          恩田陸『蜜蜂と遠雷(上)(下)』幻冬舎文庫(2019年) 恩田陸は天才だと思う。ホラーの分野では『六番目の小夜子』を、ラブストーリーの分野では『ライオンハート』を上梓し、多様な分野で唯一無二の魅力を発揮している。いろいろな分野に挑戦する偉大な書き手は他にもいるが、その分野で書き続けている作家に比べると見劣りする。だからこそ、恩田陸はすごいのだ。  本作品は、ピアノコンクールに集う音楽家たちを描いている。スポットライトが当てられるのは、4人のコンテスタントだ。自宅にピアノがな

          活字を読んで音を聴く