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LAジャズオールスターWCGDが満を持して放った「宇宙旅行時代のディスコミュージック」で星空の彼方へ。『Resistance(2018)』 / brandon coleman
スペースXの宇宙旅行プランは2024年現在で1人約5500万ドル(日本で約85億円ぐらい)とのことなので、到底一般人に手が出せるような価格ではなく、0を二つ省いたとしてもまだまだ目ん玉が飛び出る額である。
宇宙旅行が普通になるのは当分先のことだろうが、今回は、音楽の力で一足先に宇宙と星空へ私たちを連れ出してくれるディスコファンクの大名盤、ブランドン・コールマンの『Resistance』をご紹介。
アラスカのインディアンの末裔が人知れず世に放った激レア自主制作盤。ブルーアイド/モダンソウルの大傑作 『Black And White Raven(1980)』 / ARCHIE JAMES CAVANAUGH
「インディアン」と「ネイティブアメリカン」、日本ではまだ「インディアン」の呼称の方が一般的なのでそちらを使用することについてはご容赦ください。後生丁寧にインディアンズからガーディアンズにわざわざ改名したMLB球団なんかもあったけど、当のインディアンたちからは「どっちでもいい。なんなら「インディアン」のほうがマシ」っていう意見が多めって話もあるし、近年の熱心なポリコレなんかも含めたあらゆる権利運動に
もっとみるなぜ『Chet Baker sings(1956)』は最高なのか。
これからジャズを聴こう、と思っている人に、マイルス・デイビスとジョン・コルトレーンを薦めるのは、スキー初心者をいきなり上級者コースに連れて行くようなものである。
よっぽど勘が良ければ何度も転びながら滑れるようになっちゃう、みたいなことはあっても、大概は打撲と擦り傷だらけでふもとまで降りてきて、「もうスキーなんて二度とやらない!プンプン!」となるだろう。
そんなわけで、当の私自身もモダンジャズと
「元ギャング」だの「元売人」だのに共感できない人のための西海岸オルタナティブヒップホップ。
音楽業界どころかハリウッドや政財界まで巻き込む一大騒動となっているショーン・コムズ(以下P・ディディ)の一件。アメリカ本国はこの第2のエプスタインの話題で持ちきりの模様。
このまま芋蔓式に事実認定が波及していけばR・ケリーの時の比じゃないくらいのアメリカ音楽史上類を見ない衝撃的な事件になるだろうけど、今はとりあえずエグいスキャンダル(もう既にスキャンダルの域は超えているが)として静観し続報を待ちた
悲劇的な最期を遂げた天才ピアニストの唯一作にして、ジャズサンバ史に燦然と輝く大名盤 『 Embalo(1964) 』 / Tenorio Jr.
「ジャズサンバ」「ボサノヴァ」「ジャズボッサ」「ブラジリアンジャズ」など、モダンジャズが流入して以降の南米音楽にはいくつかの似たようなの呼び方がある。
発祥の地域とか、語る角度とか、音楽理論的な拍数とか、バンドの編成楽器の違いなどで分類がされているが、概ね指している音楽性は一緒である。
この呼び名の多さについては、ブラジルで誕生したボサノヴァがアメリカのジャズマン達の録音や演奏によってアメリカ
「俺らは悪趣味」のアイデンティティで突っ走る!過激だけどメタでユーモラスな「サイコビリー」のススメ。
パンク愛好家を「パンクス」、メタル愛好家を「メタラー」と呼ぶように、サイコビリーの熱狂的リスナーのことを「サイコス」と呼ぶ。
このヘッズ(愛好家)達の愛称は、音楽的嗜好でリスナーをざっくりとグルーピングするのに便利だし、他にも「Bボーイ」「クラバー」「ドルオタ」「クラオタ」「スキンズ」など、それぞれにキャラクターやそれっぽい特徴があって、敵対したり、友好的だったりする。
実はこのヘッズ達の中で
USHCに対するカナダからの返答。変態マスコア/ポストハードコアの大傑作『WRONG(1989)』nomeansno
カナダという国は、けっこうな頻度で定期的にとんでもない音楽スターを輩出し続けている。
近年だとドレイクとジャスティン・ビーバー。少し前にはセリーヌ・ディオンにアヴリル・ラヴィーンにSum 41。もう少し遡ればニール・ヤングもカナダ出身である。錚々たるラインナップ。
この面々を見て「え?みんなアメリカ人じゃなかったの?」と驚く人も結構いる気がする。
ニール・ヤングに関してはカナダ人だと初めて知っ
今、世界で一番「エロくてオシャレ」な音楽をつくる男、トム・ミッシュが再始動している。
2024年、トム・ミッシュ(tom misch)が再始動している。
今年になってから本人名義での楽曲をいくつか発表していて、2枚目のアルバムがそのうち聴けるだろう。星野源との対談で語っていたクルアンビンの影響か、サイケ感が増している。どっちに転ぶのか、いずれにせよ期待しているぜトム。
Insecuqre(2024)
Cinnamon Curls(2024)
余談だけどクルアンビン(Khru
今年の夏も終わります、いや、夏は永遠に終わりません。『Endless Summer(2001)』/ Fennesz
日本の音楽界が
「自分を信じていくのだぴょぉぉぉ〜ん♪」
に唖然としていた同時期に、電子音楽/エレクトロニカ界隈のリスナーの間で話題を独占していたのが、Fenneszの『Endless Summer』である。
フェネス(Fennesz)ことクリスチャン・フェネスは、オーストリア出身のギタリストで、ウィーン音響派の総本山だった知る人ぞ知る名門レーベルmegoを、世界的な知名度まで推し上げた同レ
アンダーソン・パーク、アナ・ロクサーヌ、ショーン・ワサビ、ジンジャー・ルート...アジア系ルーツのアーティスト達のクリエイティビティ。
2015年以降とりわけ印象的なのが、アジアをルーツに持つアーティスト達の活躍である。
現在、世界的なムーブメントの渦中にあるK-POPや88rising界隈の話というよりは、もう少しインディペンデントなフィールドでの話をしたい。
ショーン・ワサビ(Shawn Wasabi)はカリフォルニア出身。フィリピン系の両親を持つアメリカ人である。 2015年に自身のSNSにあげたMIDI Fighterで
「これ以上はこの世に無い」とさえ思う極上にディープなチルアウトブラックミュージック 『The Glitter Of The City(1977)』 / Ron Everett
1977年に発表された 『The Glitter Of The City』 。
プライヴェートプレスだったオリジナル盤は発売当時レコード店には並ばず、おそらく関係者の間でのみ譲渡や取引がおこなわれていた類の作品で、現在でもその存在は世界で数枚しか確認されておらず、熱心なファンク/ジャズ愛好家の間では「幻のアルバム」と言われていた作品(ご多聞にもれずRare Groove A to Zにも掲載。私
彼らが消えたのはダブリンの白夜の街角かそれとも南カリフォルニア『Big Sur』の水平線なのか。活動再開が待たれるThe Thrills(ザ・スリルズ)を聴こう。夏だしネ。
2000年代初頭、私が洋楽を聴き始めた頃の海外のインディ/オルタナティブロックシーンは「ガレージロック・リヴァイヴァル」真っ只中で、ホワイト・ストライプス、ストロークス、リバティーンズといったバンドの出演権を毎年フジロックとサマーソニックで取り合っているような状況だった。
そのほかにもザ・キルズ、ザ・ハイヴス、ザ・ヴァインズなどなど、イギリス、アメリカだけでなく多くの国から似たような音楽性、似た
「夏のレゲエ」を諦めてしまった全ての人へ。「ラヴァーズロック」で最高の夏を。
「夏のBGM」としてレゲエミュージックの門戸を叩いた人がまず陥りやすいのは、「最初にボブ・マーリィに手を出してそのストイックさにビビってしまう」というイメージギャップである。
ボブ・マーリィの音楽は、年間平均気温20℃越えのジャマイカ産に違いないのだが、レゲエ史で見れば比較的新興の「ルーツレゲエ」というサブジャンルに分類されるサウンドで、ラスタ信仰に裏打ちされた政治的で社会的で啓発的な「レベルミ
NYでもLAでもない「海の見えない本当のアメリカ」に寄り添うスフィアン・スティーブンス。
ルート66
ミズーリ川
ネオンサインのモーテル
砂漠のガソリンスタンド
木造のカウンターバー
ネルシャツの農夫
ボンネットから黒煙を出すダッジダート
これこそが私の思う「本当のアメリカ」である。
要するにスティーブン・ショアが撮る写真みたいな感じである。映画で言えば『イントゥ・ザ・ワイルド('07)』とか『パリ、テキサス('84)』とか『リバー・ランズ・スルー・イット('92)』とか、あの辺の感