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「フジロック常連のアマチュアバンド」。底抜けに陽気なジャンプブルースで日々頑張るオッサン達を元気にする吾妻光良 & The Swinging Boppers。
出演アーティストがズラッと羅列された夏フェスのポスターで、レギュラー出演みたいな頻度で毎年のように登場している「吾妻光良 & The Swinging Boppers」という名前。 実は驚くなかれ、知らない人には読み方もままならないこのグループは「アマチュアバンド」である。 世界広しと言えど、アマチュアバンドの肩書きで主要な夏フェスの常連となっているのは、吾妻光良 & The Swinging Boppers(あづまみつよし & ザ・スウィンギン・バッパーズ)ぐらいだろう
LAジャズオールスターWCGDが満を持して放った「宇宙旅行時代のディスコミュージック」で星空の彼方へ。『Resistance(2018)』 / brandon coleman
スペースXの宇宙旅行プランは2024年現在で1人約5500万ドル(日本で約85億円ぐらい)とのことなので、到底一般人に手が出せるような価格ではなく、0を二つ省いたとしてもまだまだ目ん玉が飛び出る額である。 宇宙旅行が普通になるのは当分先のことだろうが、今回は、音楽の力で一足先に宇宙と星空へ私たちを連れ出してくれるディスコファンクの大名盤、ブランドン・コールマンの『Resistance』をご紹介。 ブランドン・コールマン(brandon coleman)は、WEST COA
僕らの青春!令和に生きる君の青春にも!明るく楽しく時に切なく、色褪せない魅力を放ち続けるHermann H.&The Pacemakers(ヘルマン・エイチ&ザ・ペースメーカーズ)!
若い頃、カラオケでよく『アクション』を歌っていた。 アクション(2002) ヘルマン・エイチのヘの字も知らない友達が、カラオケに行くたびに「あの曲歌って」と私にリクエストしてきた。 そのくらい、ボーカルギターの岡本洋平の書く歌詞は魅力的である。 「文章」や「感想」や「気持ち」ではなくちゃんと「歌詞」を書いている。しっかりとメッセージがある上に語感も抜群で、これぞ才能、と唸ってしまうソングライターである。 特に有象無象、色物流行り物が跋扈していた2000年代の日本のオルタ
アラスカのインディアンの末裔が人知れず世に放った激レア自主制作盤。ブルーアイド/モダンソウルの大傑作 『Black And White Raven(1980)』 / ARCHIE JAMES CAVANAUGH
「インディアン」と「ネイティブアメリカン」、日本ではまだ「インディアン」の呼称の方が一般的なのでそちらを使用することについてはご容赦ください。後生丁寧にインディアンズからガーディアンズにわざわざ改名したMLB球団なんかもあったけど、当のインディアンたちからは「どっちでもいい。なんなら「インディアン」のほうがマシ」っていう意見が多めって話もあるし、近年の熱心なポリコレなんかも含めたあらゆる権利運動について、運動自体が目的化しちゃって本来の当事者たちの真意から遠のいてない?ってい
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悲劇的な最期を遂げた天才ピアニストの唯一作にして、ジャズサンバ史に燦然と輝く大名盤 『 Embalo(1964) 』 / Tenorio Jr.
「ジャズサンバ」「ボサノヴァ」「ジャズボッサ」「ブラジリアンジャズ」など、モダンジャズが流入して以降の南米音楽にはいくつかの似たようなの呼び方がある。 発祥の地域とか、語る角度とか、音楽理論的な拍数とか、バンドの編成楽器の違いなどで分類がされているが、概ね指している音楽性は一緒である。 この呼び名の多さについては、ブラジルで誕生したボサノヴァがアメリカのジャズマン達の録音や演奏によってアメリカ国内に紹介される過程で、ジャズマン達がサンバとボサノヴァをごっちゃにして理解して
アンダーソン・パーク、アナ・ロクサーヌ、ショーン・ワサビ、ジンジャー・ルート...アジア系ルーツのアーティスト達のクリエイティビティ。
2015年以降とりわけ印象的なのが、アジアをルーツに持つアーティスト達の活躍である。 現在、世界的なムーブメントの渦中にあるK-POPや88rising界隈の話というよりは、もう少しインディペンデントなフィールドでの話をしたい。 ショーン・ワサビ(Shawn Wasabi)はカリフォルニア出身。フィリピン系の両親を持つアメリカ人である。 2015年に自身のSNSにあげたMIDI Fighterでのパフォーマンス動画が大バズり(2024年現在YouTubeで4000万再生超え
グラスパー、DJクラッシュ、PUNPEE、BOSS、漢、志人、フレシノ、KOHH...ジャパニーズヒップホップ相関図の中心に位置する才能、OMSBによる大傑作アルバム 『ALONE(2022)』
学生時代、ノーティー・バイ・ネイチャーとファーサイド狂いの先輩が居た。 先輩は僕の1つ年上で、都内でも荒れていることで有名な地域の出身で、先輩自身にもここでは書けないようなストリート武勇伝があった。 バスケとタギングが上手で、身体がちょっとだけ横に大きくて、寡黙で、何事にも動じる気配がなく、でも威圧感は無くて、笑顔が優しくて、アクセサリーも最小限でチャラチャラしてなくて、でも怒らせたらヤバそう、みたいな「これが本当のBボーイだな」っていう感じのカッコイイ先輩だった。 R.I.