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人間関係を円滑化し、ストレスを軽減する『フワッと、ふらっと、コミュニケーションスキルの心理学』

 ストレス要因となる最も多いものは、人間関係です。

  とするならば、人間関係を円滑にすることでストレスを相当減らすことができると考えられます。

  コミュニケーションスキルは、人間関係の円滑化に役立つものですから、これを身につけることによって、ストレス要因を除去したり、ストレス反応を低減させたりすることが可能となります。

(ストレス要因の除去、ストレス反応の低減については以下をご参照ください)

 コミュニケーションの基本的スキルとしては、

① 相手を尊重する

② そのために時間を守る

③ 適切な言葉を使う

③ 詳細な事柄は取り上げない

などがあります。

  意見がなかなか合わない場合は、疎通を図るために対話を重ねます。

  また、問題点についていつまでも議論をしていても埒があきませんので、問題点についての確認が終われば、そこにこだわることなく、速やかに解決策を話し合う等を行うとスムーズなコミュニケーションとなることでしょう。

 なお、コミュニケーションの注意点としては、

① 攻撃的(自分のみを優先し、相手を踏みにじること)にならないこと

② 非主張的(自分のことを後回しにし、相手ばかりを優先すること)にならないこと

③ アサーティブ(自分のことも相手のこともよく考えて、両者にとって最も優れた妥協点を見つけようとする関係構築)な関係になるよう努力すること

などがあります。

 アサーティブなコミュニケーションとは、自分の考えや気持ちを率直に、

しかし相手を尊重しながら伝えるコミュニケーション方法です。

 このアプローチは、自己主張(自己の意見や感情を表明すること)と、

他者への尊重をバランスよく行うもので、攻撃的や受け身的なスタイルとは異なります。

 アサーティブなコミュニケーションの特徴としては、率直さ、冷静さ、相手への配慮などがあります。

 率直さとは、自分の考えや気持ちをわかりやすく、正直に伝えることです。

 曖昧さや遠慮は少なくし、明確に表現することが大切です。

 冷静さとは、感情的にならず、冷静かつ穏やかに話すことで、相手に安心感を与えることです。

 相手への配慮とは、自分の意見を述べる際、相手の立場や気持ちも尊重することです。

 相手に対する非難や攻撃的な言い方は避け、建設的な意見交換を心がけます。

 アサーティブな関係となるためのスキルとしては、

① 自分の想いに正直になる

② 相手のことを相手の立場に基づいて理解しようとする(共感的理解)

③ 相手を受け入れられるようにする(受容)

④ 謙虚に相手を尊重し、相手を自分の権威や有利な立場で操作しようとしない

⑤ 自分と相手の立場・考え方等が異なっていたとしても、違法・反社会的・反倫理的なものでないのであれば多様性を受け入れる

⑥ 言葉以外のしぐさ、表情等の非言語的メッセージも理解する

などがあります。

 たとえば、何かに不満を感じたときにアサーティブな方法で伝えるなら、

「あなたが本件に関して、ご尽力して頂いたことに大変感謝しております。ありがとうございます。以前お伝えさせて頂いた〇〇についてもご協力いただけるとさらに大変嬉しく思います。何卒よろしくお願い申し上げます。」

というように伝えます。

 このように「感謝や相手の行動への理解」と「自分の希望」をバランスよく含めることで、対立を避け、解決に向かうコミュニケーションが可能です。

 また相手にイライラさせられたときに、例えば、

お前、なんて酷いことをいうんだ!お前、どういう育ち方をしてきたんだ。お前の親の顔が見たいわ!」

などの言葉を吐いたりしていると、アサーティブな関係を構築することはできません。

 それどころが売り言葉に買い言葉で、さらに泥沼化していくことでしょう。

 このような場合は、

「あなたのそのような発言で、私は今非常につらく悲しい思いをしています。」

等と自分を主語にして語る「I・メッセージ」を使うとよいとも言われています。

  先の例のような「YOU・メッセージ」つまり相手を主語にすると、相手の人格また相手の両親等までを非難することになり、火に油を注ぐことになるからです。

 アサーティブなコミュニケーションを実践することで、誤解が減り、人間関係が円滑になります。

 また、自分を尊重しながら他人にも配慮することで、相互理解や信頼関係が深まり、チームの協力体制も高まります。

 アサーティブなコミュニケーションは、職場や家庭、友人関係などさまざまな場面で役立つスキルです。

 なお、標準的なカウンセリングスキルを身につけるとさらにコミュニケーションの円滑化が図れることでしょう。

 標準的なカウンセリングスキルについては以下をご参照頂ければ幸いです。

参考文献)



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