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ザ キング-永遠の君主- 原作小説 / 翻訳

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2020年9月の記事一覧

ザキング 永遠の君主 19. 「スモモの花の残像」

「 ハ・ウンミ殺人事件」の容疑者の一人、パク・ジョングがついに逮捕された。 テウルとシン…

김경남(キム・ギョンナム), The Man.

柔らかな気怠さを引き伸ばしたようなゆとり。キム・ギョンナムが描き出す晩夏のとある時間 --…

ザキング 永遠の君主 18. 「ただ 愛することに」

1995年にイ・ソンジェが死亡したヤンソン療養院からは、これといった情報を得ることはできなか…

ザキング 永遠の君主 17. 「共同捜査」

テウルが計画した日常は、射的場に立ち寄り新しいライオンのマスコットを手に入れ、夜の街を散…

ザキング 永遠の君主 16.「花が咲かなくても」

黄色く染まった静かな雰囲気の中庭に、ゴンとジョンインは並んで風になびく銀杏の葉を眺めてい…

ザキング 永遠の君主 15.「一人きりで抱える秘密」

テウルはゴンに初めて会った光化門広場に再び立っていた。 仕事帰りの人びとが忙しく広場を通…

ザキング 永遠の君主 14.「名前を呼ぶ」

翌日、分刻みに詰め込まれたゴンの公務日程に合わせてテウルもついて来ることになった。 近衛隊に紛れたテウルは、制服姿がとてもよく似合っていた。 早朝から始まったマスコミ各社のCEO茶会とプロバスケットボール開幕戦の始球式に続き、ゴンは世界数学者大会での演説まで終えた。 そしてその後も災害復旧物品の伝達式へ参加する為、ヘリで移動する予定だった。 この辺りでゴンはテウルを解放するつもりでいた。 日程に同行させたのは、宮殿の中にだけ閉じこめられているのは気の毒だったからだ。

ザキング 永遠の君主 13.「証明した気持ち」

ゴンはテウルを宮殿に案内した。 自分の家を紹介し、ゴンは何だか浮かれていた。 これまでテ…

ザキング 永遠の君主 12.「1と0の間を超えて」

「 今から何が起きても驚くな。ただ私を信じろ。」 驚く間もなかった。 マキシムスに乗って…

ザキング 永遠の君主 11.「初雪のように現れて」

イ・サンドの金物店で発見された2G携帯の鑑識結果がようやく出た。 通信会社の協力を得るため…

ザキング 永遠の君主 10.「待つという恋しさ」

テウルは下ろした髪を一つにまとめ上げ、本に顔を近づけた。 図書館を再び訪れることになると…

ザキング 永遠の君主 9.「君がいないこの場所」

ピーーーー!!! 検査台の機械音が耳元をかき乱した。 宮殿に入るためには誰もが検査台を通…

ザキング 永遠の君主 8.「遥か彼方の世界へ」

閉まりかけのシャッターと割れた窓ガラス、ガランと開いたままのドア。 数日間主人を失い、あ…

ザキング 永遠の君主 7.「美しいもの」

早朝、テウルは複雑な心境で出勤中だった。 ぼやけてばかりいるテウルの頭の中とは違い、見上げた空は青く晴れ渡っていた。 いつもなら大音量で音楽を流し、口笛でも吹いて出勤したはずの天気だった。 出勤すればまた印象的な犯罪者たちとの面倒な一日が始まるが、少なくとも通勤路ぐらいは楽しめそうな天気だった。 なのに頭の中はすっかり困惑していた。 「 君の思う地球が、早く丸くなってくれるといいな。」 昨夜微笑んでいたゴンを思い出した。 地球はもともと丸い。 テウルもそれを知らない