ザキング 永遠の君主 30.「最も栄誉ある瞬間」
殺気に満ちた血なまぐさい戦場のど真ん中で、テウルとゴンはついに抱き締め合った。
今までにないほど強く、互いの熱い体温を感じた。
ゴンは二度と離したくない体をなんとか離し、テウルの状態を確認した。
あちこちに血が滲み、服はぼろぼろになっていた。
いつも勇敢でたくましいテウルだったが、一歩間違えば今すぐにでも壊れてしまいそうなほど弱っていた。
ゴンは胸が張り裂けるような苦痛を感じた。
自分の様子をうかがうゴンの眼差しがテウルを安心させた。
緊張して強張っていた体からふっと