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宣伝美術の請求書、その項目について実例用いてお話しします。

先頃投稿した『演劇スタッフワークとお金の話、請求書の細目に思う。』という記事が思いのほか関心を持っていただけたようでしたので今回はその続編。

デザインセクション、宣伝美術(※公演のチラシやポスターなどの販促物を作る人)である私がどんな項目を立てて請求書を作っているのか、実際のところを開示してみます。

※最初にお断りしておきますが、今回開示するのは項目についてであって、どんな案件をいくらでやったという金額や内容の詳細は明かしておりませんのであしからず。

はじめに

先に投稿している記事を読んでいただけるとこの記事を書くに至った経緯や、演劇業界のスタッフワーク・ギャラに対する理解が深まるかと思いますのでよろしければぜひ。途中までは無料でお読みいただけます。

記事単体でもご購入いただけますが、この記事が含まれる買い切り型のマガジンもあり、そちらの方が断然オトクです。

この記事を書こうと思ったきっかけ

自分が宣伝美術として携わった舞台の請求書を作る機会があり、それがきっかけになりました。作りながらふと疑問に思ったのですよ。「デザインワークの内容・流れや細目がイメージできる人、この書類を提出する先に何人いるんだろう?たぶん、一人としていないんじゃないかな?」って。

そう気付いた時の脱力感といったら!

作品のイメージを作るデザイン部門の仕事の重要性がなかなか認知されず、浸透せず、重要だと説いても伝わらないのはこういうところにも理由があるのでは?と思ったから。そして「演劇業界お金がない問題」にも関係してくる話なのではないかしら?と思ったから。

「予算が無いから仕方がない」「予算が無いなら仕方がない」

脱力感と同時に、各セクションのスタッフがそのあたりを開示してこなかったがために「予算が無いから仕方がない」という演劇業界の悪習に拍車を掛けてしまっているのではないかなと考えた。

「予算が無いから仕方がない」と言う企画制作者と、「予算が無いなら仕方がない」と言うテクニカル部門スタッフの奇妙な関係。押し通す企画制作者も悪いし、黙認してしまうスタッフも悪い。喧嘩両成敗みたいなもので、どちらにも落ち度がある。

掛かりが明示されなければ指標は立たない

結局そうやって「提示された予算に合わせる形で請求書を作成」する部門が多いから、企画制作者側に「本来ならどの程度の予算が必要であったか」が伝わらない。不明瞭でなあなあな関係が続くばかり。

結果的に払う金額が同じであったとしても、「正当な価値・基準を知った上で割引を適用してもらい技術の提供を受ける」ことと、「肝心なところは明示されないが馴れ合いの中で最終的にはなんとかなる」ことでは、お互いに姿勢・臨み方・責任感がまったく違ってくる。

そして後者は最悪の場合、モチベーションや信頼関係を損ない、作品のクオリティに影響してくる可能性さえある。技術の提供・本来の価値に対する尊敬と感謝があってこそいい仕事が出来るというもので、そういう意味でも指標を立てるということが重要なわけです。

スタッフが作成するべき請求書とは

以上を踏まえてさて本題。セクションによって多少書き方は変わってくると思うのですが、意識付けのためにどんな書き方が最適か。宣伝美術である私の場合を用いてお話しします。

ちなみに、強い響きで打ち出したかったからちょいっと断定的な言い方になってしまいましたが、スタッフワーク・デザイン業界の詳細に慣れていない相手に提示するならこのくらいがいい塩梅かなーと「今」最適だと思う書き方、です。

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