Career & Learning Lab.

人的資本経営・タレントマネジメントを実践される人事皆さまのために、外資企業や日本企業での人事(HRBP)やHRコンサルティング現場での経験に基づき、実践的なタレントマネジメントのフレームワークやポイントを1つずつ整理していきたいと考えています。どうぞよろしくお願い致します。

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人的資本経営・タレントマネジメントを実践される人事皆さまのために、外資企業や日本企業での人事(HRBP)やHRコンサルティング現場での経験に基づき、実践的なタレントマネジメントのフレームワークやポイントを1つずつ整理していきたいと考えています。どうぞよろしくお願い致します。

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HRBPのための人事戦略デザインのチェックポイント

今回は、広範に渡るHRBPのタスク (こちら) の中で、特に重要な担当事業部門の人事戦略 (Talent Strategy) 策定について、ポイントを整理しました。 人事戦略は毎年1回、事業戦略と連動して策定・ローリングし、毎月の事業部内リーダーシップチーム (事業部長と企画チームや事業部長直下の管理職メンバー等) で実行検討やモニタリングします。 以下では、人事戦略を9のモジュールに分けて、それぞれポイントを記載しました。 Module 1: 今後の事業に必要な人材 (

    • サクセションプランニングの効果的な運用のための3つのポイント(①KPIの設定・②連携体制の構築・③HRBPの活躍)

      サクセションプランニング制度を設計・導入したものの「最初は良かったけど年数を重ねるとごに形骸化してくる」といった声や「後継者(サクセサー)候補の選定は大いに盛り上がるが、その後の育成が活性化しない」という声をよく耳にすることがあります。 サクセションプランニングは (他の制度も同様ですが)、設計と同じくらい、またはそれ以上に運用が重要であり、今回はその運用について3つのポイントを整理しました。 サクセションプランニングの運用で大事な3つのポイント   KPIを設定して常に

      • サクセションプランニング制度を設計する

        サクセションプランニング(後継者計画)とは、経営者や重要なポジション(キーポジション)に対して、将来の後継者(サクセサー)候補を組織的かつ計画的な早期選定・育成を通じて、後継者を準備する仕組みです。 サクセションプランニングの"もう1つ"の効果 サクセションプランニングの直接の目的は後継者候補の充実(リーダーシップパイプラインの充実)にありますが、導入効果はそれだけでなく、優秀な人材をさらに伸ばす「ラーニングカルチャーの醸成」にもあると感じています。 通常、管理職にとっ

        • 「ジョブ型人事指針」の事例企業が導入している人事施策(ランキング)

          2024年8月末に「ジョブ型人事指針」としてジョブ型人事制度を導入している20社の事例が公開されました (こちら)。 各社がジョブ型人事制度として、およびジョブ型人事制度を支える人事施策として主に何を実施されているのかを各社事例(全20社)から抜き出し、その傾向を見てみました。 上記は、あくまでおおまかな全体傾向を把握する目的で各企業の事例文から施策箇所を抜き出し同様・類似と判断した施策をまとめて集計しています。そのため、各施策の集計件数については前後する可能性があります

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        HRBPのための人事戦略デザインのチェックポイント

          【面接官トレーニング】 面接内での自社の魅力の伝え方

          人材採用(ここでは中途(キャリア)採用をテーマとします)における面接官の重要な役割は4つあると考えています。 ここでは、人材募集している部門の管理職が面接官を行うことを想定しています。 面接官の4つの重要な役割 能力・経験の見極め 採用リスクの見極め 自社への惹きつけ・・・今回のテーマ 辞退リスクの早期把握 今回はこの4つの役割の中で、人材獲得の難しさが増す中で、より一層重要視されている「自社への惹きつけ」について整理してみました。 面接は「選ぶ場」であると同時

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          経営戦略と人事戦略は具体的に何を連携させるのか?

          人的資本経営の課題として、「経営戦略と人事戦略の連携不全」が挙げられることが多くありますが、"具体的に何を連携させるのか"まで言及されることは多くありません。そこで今回は、経営戦略の<6つの要素>と人事戦略の<13の連携ポイント>を整理しました。なお、「経営戦略」の範囲はなるべく広く捉えています。 なお、実務で人事戦略を作成されている人事部長や人事企画担当の方は、経営企画部門と連携・調整しながら経営戦略や経営計画との整合を図られていると思います (むしろ経営戦略や経営計画を

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          社員のキャリア自律促進のための「キャリア開発支援」プログラムリスト

          キャリアオーナーシップの促進のために企業で導入されている様々なキャリア開発支援プログラムをまとめてみました。 重要な点は、キャリア開発はあくまで社員自身が行うものであり、キャリア開発支援プログラム類はそのサポートでしかないということです。最初からプログラムの数の多さを追求するよりも、まずは社員に「キャリア開発は自分のために自分が行う」ことを (時間をかけても) 理解してもらうためのトップメッセージ発信、キャリア研修や各種アセスメント、管理職の理解促進のためのプログラム等から

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          「適所適材」と「適材適所」のバランスを 〜"タレントレビュー"の勧め〜

          「適所適材」と「適材適所」は相反する考え方ではない? ジョブ型人事制度の進展で「"ポジション(要件)"から考える"適所適材"」の重要性が強調され、「"人"から考える"適材適所"」と相反するもの/二者択一なものとして扱われることが多くあります。 しかし、この「"ポジション(要件)"から考える"適所適材"」と「"人"から考える"適材適所"」のアプローチは対立するものではなく、組み合わせて両立させるべきものと実感しています。 「適所適材」と「適材適所」の組み合わせ 具体的には、

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          中途入社者のスムーズな受け入れのための「オンボーディング」プログラムリスト

          中途採用(キャリア採用)による人材獲得にも注力されている企業では、採用の強化と同時に、「オンボーディング」の強化も取り組むべきテーマとなっています。 今回は中途入社者の"受け入れ"について、以下の「組織」「業務」「キャリア開発」の3つに分け、これまで手がけたオンボーディングプログラム例をリスト化しました。 組織:入社者が早く「組織」の"一員"となること ・入社者本人:上司・同僚・その他関係者との信頼関係を築くこと ・受入れ側:入社者がどのような人かを知り信頼関係を築くこと

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          「HRBP」を活かす組織になるために 〜自社へのHRBP導入のための6つのデザイン〜

          前回はHRBP導入の検討の参考として、外資系企業HRBPのタスクを書き出してみました (前回の記事はこちら)。今回はその続きとして、HRBPを初めて組織に導入する際によくある6つの論点を整理しました。 1. HRBPの「役割」のデザイン HRBPの期待役割・主要業務を定義する まず最初に、HRBPに期待する役割 (ご参考:「外資系企業HRBPのリアルなタスクリスト」)をデザインします。 ポイントは役割範囲をどこまでとするかで、1つの主要な論点として、「外資系企業HRBPの

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          外資系企業HRBPのリアルなタスクリスト

          人的資本経営の一環として、最適配置・サクセションプランニングや人材開発・キャリア開発支援、中途(キャリア)採用&オンボーディングなどタレントマネジメントやポジションマネジメントを実行しようとするとビジネス現場でのHRBPの必要性が高まるため、最近、HRBP導入についてご相談を頂く機会も多くなりました。 その際に、検討材料の1つとして、外資系企業(日本法人)のHRBPについて、その役割・業務・組織体制や会議体・育成方法等を紹介することが多々あるため、今回は役割・業務に焦点を当て

          外資系企業HRBPのリアルなタスクリスト

          【ピープルデータの活用(その3)】 最適なタレントアクイジション(採用&オンボーディング)プロセス設計のための分析

          タレントアクイジションプロセスと分析項目特に中途採用において、必要な人材を確実・タイムリーに採用し、かつ入社後に早期に能力や経験を発揮してもらうためには、タレントアクイジション(採用と入社後のオンボーディング)プロセスの最適化が必須となります。 現在のタレントアクイジションプロセスの効果や改善点を見出すために、下図の通り、プロセスの対象範囲によってそれぞれ分析方法があるので、ここでいくつかご紹介したいと思います。 (1)募集チャネル分析 採用時の候補者募集に活用している各種

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          【ピープルデータの活用(その2)】 「スキルデータ」の活用方法

          スキルデータ(社員が保有するスキルのデータ)の活用領域例多くの企業で「スキルマップ」を作成し、アセスメントを通じて社員のスキルデータを収集そして、タレントマネジメントシステムで管理されています。ただ、収集したスキルデータをどのように活用するかについては、まだ試行錯誤を通じた検討中の企業も多いのではないかと思います。 今回はスキルデータの様々なタレントマネジメント領域での活用方法について、過去に検討した事例をもとに整理しました。 (1) 人材ポートフォリオ ① (将来の)事

          【ピープルデータの活用(その2)】 「スキルデータ」の活用方法

          【ピープルデータの活用(その1)】 適所適材のための「ポジション」と「人材」のマッチング

          ポジションと人材のマッチング項目人材の配置先となる「ポジション」と配置される「人材」をマッチングするための主な項目には下図の様なものがあります。 全ての項目の完全なマッチングを目指すことは非現実的であり、配置の目的・状況に応じて優先度が変わります。実際、人材配置の実務では様々な異動目的や考慮しなければならない状況があります。 下記では、いくつかの単純化したケースを整理してみました。 ①戦略ポジションへの即戦力人材の配置 戦略上、重要なポジションで即戦力となる人材を配置する

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          中途(キャリア)採用力強化のためのタスクリスト:タレントアクイジション強化

          即戦力の獲得、多様性の促進 (異なる知見・経験を持つ人材の獲得、女性タレント人材の獲得など)、新卒以外の人材獲得方法の強化などで、これまで以上に中途採用力が重要視されています。 中途採用は、新卒採用とは業務内容が異なることから、その強化のポイントも異なってきます。 そこで今回は、中途採用力強化プロジェクトのタスクリストを実例をベースに整理しました。 実績・課題の把握 1) 中途採用実績データの分析(ポジション別・チャネル別等の分析) 2) 人材紹介会社(エージェント)への

          中途(キャリア)採用力強化のためのタスクリスト:タレントアクイジション強化

          中途入社者・異動者のための「オンボーディング」用チェックリスト

          近年、ジョブ型制度の広がりにより、空席ポジションを中途採用によって充当するケースも増えているかと思います。 多くの場合、中途入社者への期待は「即戦力」ですが、確かにスキル・経験面では即戦力であっても、必ずしも"新たな組織に慣れること"が速いとは限りません。それにもかかわらず、入社後は"本人任せ"になっているケースも少なくないと思われます。 今回は、中途採用の入社者 (および社内の異動者) が着任後、早期に組織の一員となり持っているスキル・経験を最大限発揮できるようするための「

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