【ピープルデータの活用(その2)】 「スキルデータ」の活用方法
スキルデータ(社員が保有するスキルのデータ)の活用領域例
多くの企業で「スキルマップ」を作成し、アセスメントを通じて社員のスキルデータを収集そして、タレントマネジメントシステムで管理されています。ただ、収集したスキルデータをどのように活用するかについては、まだ試行錯誤を通じた検討中の企業も多いのではないかと思います。
今回はスキルデータの様々なタレントマネジメント領域での活用方法について、過去に検討した事例をもとに整理しました。
(1) 人材ポートフォリオ
① (将来の)事業ポートフォリオに必要なスキルの保有状況の可視化
② 重要スキルの社内・グループ内の分布状況の可視化
(2) 最適配置 (適所適材)
① ポジション要件(ポジションに求めるスキル要件)に合致する人材の検索
② 部署・チーム等の組織に不足しているスキルの把握(=新たに異動・配置すべき適任な人材の検索)
(3) 人材開発
① 部署・チーム等の組織に不足しているスキルの把握(=育成すべき社員と対象スキルの設定)
② 特定スキルの獲得・強化に有効な経験や研修等の育成プログラムの把握 [経験データや研修受講データ等も活用]
(4) キャリア開発支援
① 各社員の強みや今後の成長課題 (不足スキル) の可視化
② 各社員の保有スキルに合致するキャリアコース (職種・ポジション等)の提案
(5) サクセションプランニング (ポテンシャル人材把握)
① (グレードに対して) 高いレベルのスキルを保有している社員の把握
② 短期で急成長 (スキルレベルが向上) している社員の把握
(6) 採用
① 組織に不足しているスキルの把握(=外部からの獲得が必要なスキルの検討)
② 獲得すべき人材の選定 (選考段階で候補者にスキルアセスメント実施を依頼)
(7) リテンション
① 重要スキルの保有社員 (=優先リテンション対象社員) の把握
② 成長が停滞している社員 (=退職リスクあり) の把握
(8) DE&I
① 属性間 (例: 男女比較) のスキルレベルの比較/ギャップの確認
② 特定属性 (例: 女性管理職候補) に不足しているスキルの把握
(9) 組織づくり
① ポジション要件-スキルのギャップが大きい組織 (=フォロー対象組織) の把握
② 成長が停滞している社員が多い組織の把握
参考: 「スキルマップ」の種類 (体系)
(1) 各職種で必要となるテクニカルスキル (専門知識, 方法論等)
(2) 戦略上、重要なスキル (DXスキル,SXスキル等)
(3) 職種共通のビジネススキル (分析スキル, コミュニケーションスキル等)
(4) マネジメントスキル/リーダーシップスキル