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【ピープルデータの活用(その1)】 適所適材のための「ポジション」と「人材」のマッチング

ポジションと人材のマッチング項目

人材の配置先となる「ポジション」と配置される「人材」をマッチングするための主な項目には下図の様なものがあります。

全ての項目の完全なマッチングを目指すことは非現実的であり、配置の目的・状況に応じて優先度が変わります。実際、人材配置の実務では様々な異動目的や考慮しなければならない状況があります。
下記では、いくつかの単純化したケースを整理してみました。

①戦略ポジションへの即戦力人材の配置
戦略上、重要なポジションで即戦力となる人材を配置する必要がある場合、マッチング項目の中で「スキル」や「経験」のマッチングを優先します(必要であれば「言語」「資格」も重視)。

②有効な成長機会となるポジションへのタレント人材の配置
将来の経営人材候補などタレント人材を組織的かつ加速的に育成するために成長機会となるポジションにその人材を配置する必要がある場合、マッチング項目の中で「成長機会/育成計画」のマッチングを優先します(ただし、未経験者の場合でも「スキル」「コンピテンシー」も一定以上のマッチングは必要)。

組織活性化のための配置 + キャリア希望実現のための配置
部署内で組織活性化のため新たな人材を加えたり入れ替えた方が良い場合、「組織特性/性格特性」も重視します。また、異動する人材にとってもキャリア開発や成長に繋げる場合は「キャリアパス/キャリア希望」「成長機会/育成計画」も重視し、異動者の事情(介護や育児等による勤務地や働き方の制約)に配慮する場合は「勤務地」「働き方」も重視します。

データの準備

上記の中のいくつかのマッチング項目について、活用するデータについて補足します。

(1)「経験 (事業・職種・業務等) 」を表すデータ例

ポジション/人材
・事業区分
・職種区分(または、職群 = ジョブファミリー区分)
・主要業務区分
・「複数事業の経験」「新規事業の経験」などの定性情報
* 所属部署名・部署歴もデータとして利用可能ですが、組織名は組織変更の都度、変更されることが多いため事業や職種等のデータの方が便利です。
* ある人材の人事評価が低かった期間の経験は考慮から外すとしたケースもありました。

(2)「働き方」を表すデータ例

ポジション
・在宅勤務の可否やフレックスタイム制度の適用可否
・出張の日数・場所(現職・前任者の実績または今後の想定)
・時間外労働時間(現職・前任者の実績または今後の想定)
・有給休暇取得率(現職・前任者の実績または今後の想定)
人材
・本人希望や制約(介護・育児等の個別事情等の申告)

(3)「キャリアパス/キャリア希望」を表すデータ例

ポジション
・当該ポジションからの異動先傾向 (過去の実績または今後の方針)
・当該ポジションのキャリア開発上の魅力の定性情報
人材
・異動希望先(キャリアプラン)
・希望の事業
・希望の職種・業務
・希望理由に関する定性情報(将来のキャリア目標等)

マッチング率(%)の算出

ポジションと人材の項目のマッチングについては、「マッチング率 (%)」として定量的に示すことも可能です。最もシンプルな例では「20項目中12項目が合致 = 60% (12÷20)」「スキルレベル5の要件に対して人材のスキルはレベル4 = 80% (4÷5))」といった考え方があげられます。

最終的な判断は人 (会議体) で行いますが、定量化することで、例えばスキルのマッチング率が高い意外な人材の発掘に繋がることもありました。


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