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社員のキャリア自律促進のための「キャリア開発支援」プログラムリスト

キャリアオーナーシップの促進のために企業で導入されている様々なキャリア開発支援プログラムをまとめてみました。


重要な点は、キャリア開発はあくまで社員自身が行うものであり、キャリア開発支援プログラム類はそのサポートでしかないということです。最初からプログラムの数の多さを追求するよりも、まずは社員に「キャリア開発は自分のために自分が行う」ことを (時間をかけても) 理解してもらうためのトップメッセージ発信、キャリア研修や各種アセスメント、管理職の理解促進のためのプログラム等からの導入が現実的です。

また、キャリア開発支援プログラムの対象は、成長意欲がありモチベーションの高い社員ばかりではないことに注意が必要です。実際の例として、現状に行き詰まりを感じ (退職も視野に) 深く悩んでいる社員が、"最後の望み"を探して社内のキャリア開発支援情報にアクセスするケースもあります。
社員へのキャリア開発支援に関する会社としてのメッセージや提供情報については、様々な状況・感情の社員のペルソナを用意して検証することをお勧めします。
例えば、キャリアモデル社員のインタビュー記事を例にとると、成長の経験談だけでなく成長の停滞や挫折を感じた時のことなども語ってもらっています。

また、キャリア開発=異動・昇格 (のみ) であることと誤認されないようすることにも注意が必要です。例えば、キャリアパス例を会社が提示しようとする場合、あくまでも可能性の1つの参考例として受け止められるか、「キャリアパス例の通りに自分は進んでいないからもうチャンスはありませんか?(実際の社員の声の例)」と受け止められてしまうか、慎重に見極めなければなりません。

以下では、(0)「キャリア」を理解する→(1)自分を理解する→(2)キャリア目標・希望をイメージする→(3)キャリア開発のロードマップを描く→(4)キャリア開発機会を見つけて活用する→(5)定期的に現状を振り返る→(1)(改めて)自分を理解する→……といったサイクルを念頭に置いて、該当するプログラムをマッピングしました。

(0) 「キャリア」を理解する

・ハンドブック
・キャリアに関する情報サイト*
・メッセージ (動画/サイト等)
・キャリア自律人材モデル
・管理職向け研修
・管理職向けサポート
*シニア社員のセカンドキャリアサポート含む

(1) 自分を理解する

・キャリア研修
・各種アセスメント/適性検査
・キャリア面談(1on1) : 上司/人事
・キャリアアドバイザー相談:社内/外部

(2)キャリア目標・希望をイメージする

・マイパーパス
・キャリアマップ/キャリアパスモデル (AI等によるキャリアパス推奨含む)
・各部署・職種・仕事紹介
・各ポジション要件・JD
・キャリアモデル/キャリアストーリー
・メンタリング
・社内インターンシップ/プロジェクト公募
・コミュニティ/キャリアトーク
・キャリア面談(1on1) : 上司/人事 + 他部署の管理職
・キャリアアドバイザー相談:社内/外部

(3)キャリア開発のロードマップを描く

・スキルマップ/スキルアセスメント  (AI等による保有スキル分析含む)
・キャリアプラン(キャリアデザイン)/自己申告
・IDP(育成計画)
・成長モデル/経験デザイン
・育成プログラム体系(研修・プロジェクト等)   (AI等による育成プログラム提案含む)
・社内公募
・コミュニティ/ERG/キャリアトーク
・キャリア面談(1on1) : 上司/人事 + 他部署の管理職
・キャリアアドバイザー相談:社内/外部

(4)キャリア開発機会を見つけて活用する

・研修 (オンデマンドラーニング)
・プロジェクト
・社内公募/社内スカウト/社内副業/異動希望
・メンタリング/ERG/キャリアトーク
・セミナー/書籍
・社外異業種交流
・アルムナイネットワーク
・新規事業提案/社内起業
・社外学習補助/資格補助(金銭的補助含む)
・キャリア面談(1on1) : 上司/人事 + 他部署の管理職
・キャリアアドバイザー相談:社内/外部

(5)定期的に現状を振り返る

・キャリアプロフィール
・キャリアプランモニタリング/更新
・人事評価・フィードバック
・スキルアセスメント/スキル認定・デジタルバッジ
・メンタリング/ERG/キャリアトーク
・表彰
・キャリア面談(1on1) : 上司/人事 + 他部署の管理職
・キャリアアドバイザー相談:社内/外部

上記は直接的なキャリア開発支援のプログラム例ですが、その他にもDE&I(B)や働き方、心理的安全性、従業員エンゲージメント、タレントアクイジション、サクセションプランニング等についての取組みもキャリア開発には関係します (さらには等級・報酬等の人事制度含め、全ての人事施策は何かしらキャリア開発支援にも関連していると言えます)。

キャリア開発支援プログラムの評価について

社員によるプログラムの活用状況や有効度・満足度測定を通じて、プログラムの改善や新規プログラムの導入・入替えを行なっていきます。
また、実際にプログラムを活用したことがなくても、「今はプログラムを利用する予定はないけれども社内公募の案内メールが来るだけで、"うちの会社には色々なチャンスがあるんだ"という希望と安心を感じる」という社員の声もあるので、必ずしもプログラムの活用状況だけでは測れない効果をもたらしていることもあります。

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