中途入社者・異動者のための「オンボーディング」用チェックリスト
近年、ジョブ型制度の広がりにより、空席ポジションを中途採用によって充当するケースも増えているかと思います。
多くの場合、中途入社者への期待は「即戦力」ですが、確かにスキル・経験面では即戦力であっても、必ずしも"新たな組織に慣れること"が速いとは限りません。それにもかかわらず、入社後は"本人任せ"になっているケースも少なくないと思われます。
今回は、中途採用の入社者 (および社内の異動者) が着任後、早期に組織の一員となり持っているスキル・経験を最大限発揮できるようするための「オンボーディング」をテーマとしました。
代表的な7つのオンボーディング・プログラム
代表的なオンボーディングプログラムには次の7つがあります。
(1) 90日プラン
(2) ウェルカムイベント
(3) アシミレーションミーティング
(4) 入社後トレーニング
(5) メンタリング (バディプログラム)
(6) 1on1
(7) サーベイ&フィードバック
プログラム全体は「中途入社者のスムーズな受け入れのための「オンボーディング」プログラムリスト」をご参照
今回は「90日プラン」作成のために作り使用している、入社者 (異動者) に伝えるべき5項目 (下記 I.〜 V.) のリストを記しました。
I. パーパス/ビジネスプラン
パーパス・経営目標・経営戦略
事業構成/各事業の主要製品・サービス/市場・主要顧客
主要テクノロジー
所属業界のトレンド
バリューチェーン/組織図/主要組織の役割・機能
全社の経営計画/各事業の事業計画
全社/所属事業部門の主要な事業課題と戦略アクション
全社/所属事業部門の事業計画の策定プロセス・関係者
全社/所属事業部門の現在実行中の戦略アクションとその(途中)成果
全社/所属事業部門の主要投資案件・投資計画
全社/所属事業部門の主要KPI/現在までの進捗状況
全社/所属事業部門の将来の想定課題・対応方法
全社/所属事業部門におけるパーパス・経営計画・事業計画の社内浸透方法
全社/所属事業部門における過去の歴史的・象徴的な出来事
全社/所属事業部門におけるリスクマネジメント体制・プロセス
II. 組織マネジメント
所属事業部門/所属部署のパーパス/事業目標
所属事業部門/所属部署の役割・機能
所属事業部門/所属部署の意思決定プロセス/会議体
所属事業部門/所属部署の意思決定メンバー (LT:Leadership Team)/LTのカルチャー
所属事業部門/所属部署の組織カルチャー
所属事業部門/所属部署のマネジャーの特徴
所属事業部門/所属部署の組織図・現職者・キーポジション
所属事業部門/所属部署のタレント人材/キーポジションの後継者候補
所属事業部門/所属部署のタレント人材・後継者候補のIDP(育成プラン)/キャリアプラン
所属事業部門/所属部署の人材および組織に関する課題
所属事業部門/所属部署で必要なスキル (スキルマップ)・重要スキル
部下の基本情報・過去の人事評価・キャリアプラン・個別事情
同僚の基本情報 (氏名・所属・役割・入社者/異動者との関係性)
所属事業部門/所属部署で実行中の戦略アクション
所属部署で現在対応中の労務・コンプライアンス案件(関係する場合のみ)
上司のマネジメントスタイル
入社者/異動者に期待するマネジメント (管理職の場合)
III. ステークホルダー
所属部門内の主要関係者 [複数]
所属部門外の主要関係者 [複数]
社外の主要関係者: 顧客
社外の主要関係者: 当局・自治体等
社外の主要関係者: 業界団体
社外の主要関係者: パートナー
社外の主要関係者: サプライヤー
社外の主要関係者: 株主・投資家
社外の主要関係者: 金融機関
社外の主要関係者: 地域社会
社外の主要関係者: メディア
アシスタント
メンター (バディ)
担当HR (HRBP他)
IV. 法規制/社内制度
関連法規制・業界ルール (国内・海外)
各種制度・規程類・ガイド類
V. 担当業務・権限・情報・備品等
期待役割・目標・主要職務・KPI
担当業務内容・プロセス・関係者
年間スケジュール/重要イベント/繁忙期等
参加すべき定例会議体/自身の役割
権限 (権限規程)
PC・スマートフォン等セッティング
社員証受取り/写真撮影
名刺受取り
必読の資料類
必要な業務知識・スキル
使用システム・ツール類
社内のファシリティ (コピー機使用方法/会議室予約方法等)
経費精算方法
勤怠管理方法
健康管理センター窓口
オンボーディングチームの組成
オンボーディングの担い手は決して直属上司や担当HRだけではありません。下記関係者で「オンボーディングチーム」を組んで、入社者 (異動者) のサポートに当たります。
(1) 直属上司
(2) 担当HR (HRBP)
(3) メンター
(4) トレーナー
(5) チームメンバー (同僚)
(6) 間接上司
(7) 前任者 (退職していない場合)
90日プランの作成
上記のオンボーディング項目 (I.〜IV.) について、90日の間でチームの誰が、いつ、どの手段 (1on1・資料提供・研修・会議参加・人の紹介・OJT・実務サポート等) で実施するかを計画していきます。
本人の着任前にオンボーディングチームで90日プランを準備し、本人着任後すぐに本人にも共有し、プランをスタートさせます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?