【現代詩】『ままどおる=MAMMA✿DOLL=』
ままどおる
=MAMMA✿DOLL=
赤黄緑紫
おかあさんは
妊娠中に哀しいことがあってしまい
おまえのいるお腹を
ひくひくとさせて
なんかいも なんかいも なんかいも
泣いてしまった
体はとぎれることなく
端から端まで夢中で
繋がっている から
軽い気持ちで 泣くと
おまえも纏めて苦しいかもしれない
とおもい
【我慢】しようとしていたけど
【我慢】するとからだがー爆発ーして
おまえが飛びたしそうで
それでは困るとおもって
泣きたいときはかまわずに泣くように
していた
✿
これはー
おとうさんが買ってくれた【ぱそこん】
この 【ぱそこん】を ひらくとき
おかあさんは
おとうさんを
おもいだしてしまい ぶわり と
泣いてしまう
この【ぱそこん】は おとうさん。
おとうさんは
“電気製品”が得意で
おかあさんに“電気製品”を今までに
たくさん携えてくれた
おかあさんはそのことが
だいすきで
”でんきせいひん”を おとうさんのように
おもうことが
いつも山盛りにある
✿
そして
おかあさんはこれから
おまえの【名付け】をする
おかあさんとおまえ
おまえとおかあさん
おかあさんはおまえがおかあさんだけの
おまえだと
心に愛着がわいたときから
人には注意
されてしまう
偏ったかんがえ
かもしれないけど
わたしたちの暮しが
ひどく ままごと のように
しあわせ に おもえはじめた
だけどおかあさんは
おまえのおむつを
じゅうぶんすぎる愛情で
取り替えてあげたい、ままごとではなく
それに おまえの啼き声を
聞き逃したりなんてしない
ほんかくてきな ままごと を
おまえといっしょにしようと
おもった、から。
これに
おまえが
さんせいしてくれるかどうか
わからないけど
この うれしみ を かんがえると
あたまのなかで
【ドーパミン】がでて
おまえにもそれが
流れてくれような気がして
われわれが海と川の縮図みたいで
また しあわせ になれて
そのせいで、また、【ドーパミン】がでて
また おまえに届いてくれそうな
そんなきがする
おかあさんは そんなこんなで
いまも、ずっと
しあわせで
居つづけられている のです
おかあさんは これを
信じることを通じて
おまえに しあわせを 勢い良く流す
こんな頼りない【只管=くだ】が
おまえと おかあさんを
繋いでいるなんて
とても しんじられない けど
いたって しんけん なのです
このなににも代え難い【臍の緒】とやらを
只管に命の手綱にし
おまえに 飽き足らず
しあわせを おくる その じゅんびを
ずっとずっとずっと
している
そんな日々が
この手に
たしかに
✿
あったのでした
あかきみどりむらさき
2024ねん
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