戦争賛美が保守なのか?小林よしのり「戦争論」に喧嘩を売る本。中島岳志「保守と大東亜戦争」
戦争賛美が保守なのか?小林よしのり「戦争論」に喧嘩を売る本。中島岳志「保守と大東亜戦争」
おおー、中島岳志!小林よしのり「パール真論」では、サヨクって言われて、メインで叩かれまくってたよね?
よしのりさんが、ちょっと勘違いしてるんだよね。中島岳志って実は、ほとんど保守なんだ。正確には、保守ゆえにリベラル、というオルテガ→西部邁ラインを継承して、「リベラル保守」を名乗ってるけれどもね。
そういう因縁があるから、やっぱり、本書を書くときにも、小林よしのり「戦争論」への意識はあったんだろうね。
本書の「一九九五年と歴史修正主義」という項目は、1995年の「村山談話」から始まって、1998年の小林よしのり「戦争論」の記述で終わるんだ。意識しまくってるよね。この「戦争論」は歴史修正主義の本と言われているからね。
中島岳志は、歴史修正主義には反対の立場を明確にしているので、いわば、小林よしのり「戦争論」に喧嘩を売っている。
どういう論法で、喧嘩、というか、反論するの??
要するに、戦争論が書かれた時期が遅すぎたという感じ??1998年じゃ、戦前に壮年期で、社会に主体的に関わってきた世代は、もう死んでいるでしょう?
そうだね。戦争のとき、子供だった人たちが、論壇でも主役だし、一般大衆の戦前派も、子供だった人たちだよね。小林よしのりに至っては、戦後の1953年生まれだし。
戦争のとき、壮年期だった人が論壇で活躍していたのは、1980年代くらいまで。みんな鬼籍に入っちゃった。実は、それ以前の論壇で、代表的な保守派の人たちは、みんな、戦争のときをネガティブにとらえていたんだ。
そのことを書いた本が、本書なんだね?
そうだね。代表的な保守派の論壇人をあげて、彼らのことを書くことで、保守が戦争賛美ではなかったこと、を明らかにしているんだ。
やっぱり、日本が全体主義化した、1930年代に、ちゃんと大人だった人が、書いた文章のほうがいいということだね。
そうだね。そういう人たちが保守論壇にいたころの文章をこそ、参考にすべきだという主張だ。要するに、世代交代が起こった1980年代以前の保守論壇の文章をね。そして、代表的な保守論壇人たちは、戦争をネガティブにとらえていたことが明らかにされるんだ。
なんで、ネガティブに捉えていたんだろうね??
それは、ここでは、書ききれないな。本書のメインのページは、そのことを紹介するのに費やされているといっても過言ではないので、実際に読んでほしいな。特に小林よしのり「戦争論」を読んだアナタは、絶対に読んだほうがいい!!
そうしないと、考え方のバランスが、とれないよね。しかし、なんで、ネガティブに考えていたんだろうな??
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