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シャンカラが後継者達に残した最大の問題とは?!島岩「シャンカラ」

シャンカラが後継者達に残した最大の問題とは?!島岩「シャンカラ」

インド最大の哲学者といわれるシャンカラさんが、後継者たちに残した最大の問題とは、「無明」(=無知・アヴィディヤー)の問題だ。

 シャンカラが、かれの後継者達に残した最大の課題は、おそらく無明の問題であろう。

前田専学「ヴェーダンタの哲学」より

無明とは、島岩元教授によれば、

(中略)無明とは、アートマンと非アートマンとの相互附託、すなわち、アートマンを非アートマンだと、また非アートマンをアートマンだと誤認すること(中略)

島岩「シャンカラ」より

要するに、わかりやすく言えば、「無明」=「附託」、みたいなものだよ。

「附託」がわかりにくいね。

ここは、慣れるまでボクもこんがらがってたけれども、次のようになる。X(の性質)をYに附託すると、Yを見たときXと誤認する。たとえて言えば、銀(の性質)を真珠母貝に附託すると、真珠母貝を見たとき銀と誤認して喜ぶ、みたいなことだよ。わかるまで、次へ行かないで、熟読してほしい。

むちゃくちゃ、こんがらがるね(笑)。

わからない人は、上の文章を何度も読んでから、以下を読んでね!

わかったよ。熟読する!・・・ひらめいた!わかったよ(笑)

じゃあ、次の島岩元教授の文章もわかるよね?

非アートマンがアートマンに附託されるという局面では(中略)附託された非アートマンは実在しないと言える。だが逆に、アートマンが非アートマンに附託されるという局面では、どうなのだろうか。その場合には、附託されたアートマンは、ちょうど真珠母貝に附託された銀のように、実在しないことになってしまうのではないか。だとすれば、世界はその基盤が全く存在しない虚無だということになってしまうのではないか。
 無明をアートマンと非アートマンとの相互附託だと考えると、このような理論的な問題が生じてくることになる。

島岩「シャンカラ」より

銀(の性質)を真珠母貝に附託すると、真珠母貝を見たとき銀と誤認する。このとき、銀は実在しない。逆に、真珠母貝(の性質)を銀に附託すると、銀を見たとき真珠母貝と誤認する。このとき真珠母貝は実在しない。ゆえに、銀と真珠母貝が相互附託されると、銀も真珠母貝も実在しないことになってしまうのではないか?

銀をアートマン、真珠母貝を非アートマンとすると、アートマンと非アートマンが相互附託されると、アートマンも非アートマンも実在しないことになってしまう。となると、アートマンも非アートマンも実在しないので、世界はその基盤を失い、虚無になるというリスクがあるわけだ。

シャンカラさんオリジナルの考え方でいくと、理論的には虚無になるというリスクがあるという問題が生じる。実は、シャンカラさんもその事に気づいていて、著書の「ウパデーシャ・サーハスリー」でふれているが、なんとなくハッキリ言わずに誤魔化している感じがする。

だから、シャンカラさんが後継者に残した最大の問題は、無明の問題だったんだね(笑)

ヴィヴァラナ派とバーマティー派。

シャンカラさんの後継者たちは、大きくわけて、2つの立場に分かれた。第一の立場は、無明がアートマンにあるという立場、第二の立場は、無明が非アートマンにあるという立場だ。第一の立場が後にヴィヴァラナ派に引きつがれ、第二の立場が後にバーマティー派に引きつがれる。

まとめると、ヴィヴァラナ派=無明がアートマンにある、バーマティー派=無明が非アートマンにある、ということだね。

ヴィヴァラナ派は、無明がアートマンにある、と考える。つまり、アートマンが無明に覆われてしまうために、現象世界というマーヤー(幻影・幻想)が生まれると。逆に、バーマティー派は無明が非アートマンにある、と考える。アートマンは絶対なので、無明の基底になるはずがない。だから、非アートマンの側に無明があって、現象世界というマーヤー(幻影・幻想)が生まれると。

難しいね。でも、ヴィヴァラナ派あるいはバーマティー派の考え方のほうが、シャンカラさんよりもスッキリしているような気がするよ(笑)

今回は、超ムズかったと思うので、この辺で終わりにする。

今回は、超ムズかったと思うので、この辺で終わりにするよ(笑)

あームズかった!(笑)

OSHOさんの「Creativity 創造性」で、論理をすてて詩心をもて、と教わったのに、本稿は論理バリバリだったね(笑)

まあ、今回は、テーマがテーマだし、論理的になるのもしょうがないんじゃない?(苦笑)

難しい哲学上の問題だからね(笑)

前田専学東大名誉教授著。自身の訳書「ウパデーシャ・サーハスリー」を軸に書かれている。「ウパデーシャ・サーハスリー」との併読をオススメする。本稿執筆時点でAmazonでは入手不可だった。

⇧島岩元教授の人生をかけた一冊!

⇧シャンカラ著。入門者に悟りへの道を説いた書らしい。
シャンカラさんの著作がこんなに安く買えるのは奇跡!岩波書店と前田専学東大名誉教授(翻訳者)に感謝しよう。
古書が安い。

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