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Bon voyage

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旅の途中で出会ったかけがえのないものたち。 いつもの見慣れた場所に留まっているとしても、そこではないどこかを歩いているとしても、いつだって旅。終わることのない旅の途中。
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#旅

思い出は時に苦しい

思い出は時に苦しい

昨日の夜 唯一無二の親友が旅立ってしまった

お洒落でカッコよくて
いっつも優しくて、理解してくれて
たくさん愛をくれた

先に病気になったのは私で
後から友の病気が見つかって

でも、一緒にサバイブしたねって
言ったのに

ずっと泣けて目がボヨボヨで

今日は一日 光と愛と自分を探して
写真を撮りに出かけたよ

ずっとカメラに入れたままの古いSDカード
枚数がいっぱいになった

10年も前の画像

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#9 深くしゃがんだらジャンプするのさ

マシュー

この間、土砂降りだと言うのに
遠くの神社まで出掛けていったよ
電車を乗り継いで

朝 行きたいなって思った
もうひとりの自分が「大雨なのに?」って聞く

でも、体が勝手に着替えを始めて
電車に乗ってたよ

いつもひとりぼっちで
病気と向き合って
やることもなく
まだ続く先の長い日々をやり過ごす

不安と恐ればかりのなかで
何かに祈りたくなったんだ

遠出するのも久しぶりだから
体調気に

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未来の旅 妄想日記 1

未来の旅 妄想日記 1

今日から始める未来の妄想日記。

私は旅が大好きだ。電車や車の旅も良いけれど、やっぱり一番は飛行機。
飛行機は乗るのも見るのも好き。そして旅先は絶対に日本ではない場所。
今はまだすぐには出かけられないけれど、いつか行けることを夢見て妄想日記を書いてみることにした。

支離滅裂、破茶滅茶、なんでもありの、自由自在の日記。
勝手にひとりで楽しむつもりなので乱文意味不明なことばかりかもしれないけど、誰か

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#7 落ち着かない心とともに

#7 落ち着かない心とともに

マシュー

今 僕は病気が見つかって
治療中なんだ

マシュー

ときどき 
堪らなく 胸に大きな重石が置かれて
ずっと僕の心を苦しませる

今はゆっくり治療に専念すればいい
何も考えずにのんびりしていればいい
ただ、ゆったり構えて
神さまがくれた休暇だと思って過ごせばいい

そう思うようにしたりするけど
重石は居座って動かなかったりする

これを乗り越えた先には
素晴らしい人生が待っている
絶対

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#4 イルカの空

#4 イルカの空

マシューは行ってしまう前
こんなことも言っていたよ。

「楽しんで生きろよ。楽しめ、感じたままに。」

何を楽しむの?
そんな陳腐な質問を返してしまったから笑われると思っていたけど
マシューは真剣な顔をして言った。

「人生のすべてをーだ。」

「俺は動物園が好きじゃなかった。あそこにいる動物たちって幸せなんだろうか?っていつも気になってしまったんだ。水族館のイルカやアシカは幸せなんだろうか? い

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#2 人生にタラレバは無いんだって

#2 人生にタラレバは無いんだって

そういえば、
マシューが行ってしまうしばらく前に言ってたことがある。

「人生にタラレバは無いんだぜ。」

あの時こうしていたら、今と違う人生だっただろうか〜
みたいなこと。
そんなことは無いんだって。

マシューは昔、ハワイで不思議な女性に魂を読んでもらったことがあるらしい。

「あなたとあなたの母親とはとても深い縁があるわ。何度も一緒に生きて、今回も一緒にいようって決めて、約束して来てるの。し

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#1 僕らはいつか自分のなかに何かを見つける

#1 僕らはいつか自分のなかに何かを見つける

「そうさ、もう、何かのためになんか働かないんだ。」

そう言って、マシューは仕事を辞めた。電話1本で。

あんなに将来を不安がっていたのに。いきなり。

「まだ何にも、本当に何にもやってないことに気づいたんだよ。でもさ、感動したいっていうのは、まだこの地球を楽しみたいってことになっちゃうのかな。地球というか、一応、目に見えるところの世界ってことだけど。」

感動したいって・・・

「ああ、そうだね

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フランス語についてのひとり言

フランス語についてのひとり言

今日は冬至です。
冬至以前と以降で何たらかんたら〜世界が変わる〜とかなんとか
巷では騒がしいですが
素敵で素晴らしい、平和で楽しい世界になるとだけ信じる私です。

そして、新しい世界になると同時に
何か新しいことをやりたいな〜なんて思いつつも
ずっとずっとこだわり続けているものがあります。

それはフランス語です。

初めは大学時代に第二外国語として選択しました。
在学中は一生懸命勉強して、あの面

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BUEN CAMINO!

BUEN CAMINO!

人生って巡礼みたいだな

神の代わりが自分の信念で

山も、谷も、平坦な道も

風が吹きつける丘も

嵐や吹雪の中も

太陽が暖かく気持ちよいときも

灼きつけるときも

ひとりのときも

道連れが居るときも

身体を休めながら

景色を眺めるひとときも持ちながら

出会いと別れを繰り返し

重い荷物を背負ったり

下ろしたり

助けたり
助けられたり

進むも止めるも自分の意志で

それは

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水晶が家に帰った不思議な話 たぶん

水晶が家に帰った不思議な話 たぶん

セドナに行った。

石屋さんがたくさんあった。パワーストーンだ。

セドナに行ったら絶対にパワーストーンを買おうと決めていたから、いろいろなお店を見て回って、いちばん感じがよく、しかも品ぞろえも豊富なお店に決めた。

そこには、オーラ診断装置が置いてあった。

パソコンの前に座って、手のひらを装置の上に載せる。

カメラと手のひらを載せた装置でオーラを感じ取り、オーラの色や波動やなんやかや性格分析

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全て愛しい小さなカケラたち

全て愛しい小さなカケラたち

去年の6月末で会社を辞めた。

精神的負荷の大きい業務だった。

マイナスの感情ばかりを受け取る仕事で、人間の嫌な部分ばかり見えていた。

出来るだけ「人間」とは関わらないよう生きていた。

会社を辞めてからは、読書と旅と彫刻制作をした。

失業保険受給が終わったらバックパッカーしようと計画していた。

短くて3か月、長くて1年くらい行きたいな。

ヨーロッパをメインにして・・・と楽しみにしていた

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ノートルダム

ノートルダム

2019年の4月15日にパリのノートルダム大聖堂が燃えた。

あの塔が、屋根が、焼け落ちてしまった。

悲しい出来事だった。

あの惨劇から1年半たった今日、ふと思い出したこと。

2018年の1月末、ノートルダム大聖堂を訪れたとき

老いたシスターがひとり

観光客で混雑するなかで、

行き過ぎる人たちにカゴを差し出しながら、

言葉をかけていた。

何を言っているのか聞き取れない。

「Vou

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旅立ち

旅立ち

新しい世界がみたい

次の世界が知りたい

もっともっと

どこまでも行きたい

やり場もないまま

夜空を見つめる

地球を飛び出し

星の向こう

銀河を超えて

星雲を横目に見て

彗星を見送り

どこまでも進む

進む進む

どんどん進む

ずんずん進む

真っ直ぐなのか

曲がっているのかさえ

分からないまま

振り返らずに進む

どこまでもどこまでも進む

宇宙の果ては

まだ遠いの

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手紙 1

手紙 1

ぼくは今もあの旅を思い出す

きみは元気にしていますか?

いつものように、自信たっぷりに

初めての街を地図も持たずに歩いて

結局迷ったぼくを

駅の見える通りまで案内してくれた

たったそれだけの

ほんの20分くらいの出会いだけど

10月になれば人道支援活動に参加すると言って

学生のころテレビで見たニュースに心を痛めて決めた夢だと

笑ったきみの笑顔が今も

忘れられない

元気でいま

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