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左寄りではないが左な話

私は実は何を隠そう左利きなのである
99パーセントの左利きである

残りの1パーセントは
何かというと缶切りは右を使う

今は左右が関係ない缶切りもあるらしいが
もう右で使う事に慣れてしまったし
今は缶切り自体をほぼ使わないので
右用を使っている

これは私が小学生の時の話だ

裁ちハサミが使えなかった

小学生の私は分からなかった
何故みんなと同じ様に使えないのか
ずっと考えていたが
その理由は分からなかった

今になって考えてみれば
カッターナイフでも大丈夫だったはずだ

しかし小学生の私は分からなかった
布は裁ちハサミで切る物だと思っていたのだ

布が真っ直ぐ切れないと落ち込む私に
父は左用の裁ちハサミを買ってくれた

左用の裁ちハサミを使うと
みんなと同じ様に切れるようになった

私はとても嬉しかった
みんなと同じように
切れる様になった事実が嬉しかった

それと同時に左利きには
この世界はあんまり優しくない事を
小学生にして知ってしまった

世界的人口の10パーセント程が
左利きと言われている

しかし日本は少し少ないだろう
それは小さい時に強制的に
右に直す親が多いからだ

私の場合は
祖母が直したがったみたいだが
祖父が止めたそうだ

だから物心付いた時から
今この瞬間も左利きなのである

そんな私には
きっと生涯をかけても倒す事の
出来ないあろう敵がいる
それは急須である

急須の中には横に持ち手が
付いている商品があるが
何故だか右用に作られている
どの急須も右用である

もしかしたら左用の急須も
日本には存在するかも知れないが
私は出会った事がない

だから急須を使う時は
体を捻り
アクロバティックな姿になってしまう
俗にいうジョジョ立ちというやつだ

だから1人暮らしの私の家には
急須はない
この世でベスト3に入るぐらいの
私の敵だからである

今日もティーポットで入れた緑茶を
飲みながらこの文章を書いている