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順天堂大学が、「パーキンソン病」の人に健康な人の腸内細菌を移植する治験を開始!

こんにちは、翼祈(たすき)です。
この記事のテーマは「パーキンソン病」ですが、まずはその説明をしたいと思います。

「パーキンソン病」とは、脳内の情報伝達物質「ドーパミン」を出す神経細胞が減少して症状が出現する国の指定難病で、
動作緩慢、震え(振戦)、転びやすい症状の姿勢保持障害、筋強剛(筋固縮)が運動症状が主に出現し、50歳以上で発症するケースが多い病気と言われています。極めて稀に40歳以下で発症する人もいて、その病気は若年性パーキンソン病と呼ばれています。

動作緩慢は動きが遅くなることで、同時進行で細かい動作がしづらくなります。最初の一歩がなかなか踏み出せなくなる「すくみ」が出現することもあります。

震えは落ち着いている時に感じ、具体的には手だと、歩く時や膝に置いて椅子に座る時など、身体に力を入れていない時に出現します。動かすと震えは少し収まります。

筋強剛は「パーキンソン病」の患者さんはほとんど感じませんが、別の人が手や頭部、足を動かすことで、抵抗を感じます。

姿勢保持障害は「パーキンソン病」を発症して、バランスが悪くなり転倒しやすくなって、数年経過した後で出現します。初めのうちから出現するケースはなく、「パーキンソン病」を発症して2年以内に姿勢保持障害が出現する時には、進行性核上性麻痺などのパーキンソン症候群の疑いもあります。

運動症状以外では、頻尿や便秘、疲れやすい、発汗、嗅覚の低下、うつ、立ちくらみが出現する起立性低血圧、意欲が低下したり、興味が薄れたりするなどの症状も出現するケースがあって、非運動症状と呼ばれています。

「パーキンソン病」の推定患者数は、10万人に100人~180人の割合で、65歳以上では100人におよそ1人が発症し、高齢者では多いことで、人口の高齢化に伴って患者さんは急増しています。高齢化に伴って世界中で「パーキンソン病」が急増する現代社会は「パーキンソンパンデミック」と呼ばれ、注意喚起されています。

この様に、高齢者を中心に患者さんの数が多い「パーキンソン病」ですが、先日、新しい臨床試験(治験)が始まったというニュースを読みました!

順天堂大学などの研究チームは、「パーキンソン病」の患者さんの大腸に腸内細菌を移植する、日本で初めての臨床試験(治験)をスタートしました。2024年内にも移植を行います。

脳内で「ドーパミン」から返還させた治療薬が活用されていますが、効果に個人差があって、長期間飲み続けると効果が薄れていくなどの大きな課題がありました。

「パーキンソン病」は、腸内環境の違いによって治療薬の効き目が変わる可能性が報告されていて、今回の臨床試験(治験)で移植の安全性や治療効果を確認します。治療効果の改善や病態の解明に結び付くかに注目を集めています。

今回は順天堂大学などが2024年9月から行なっている、「パーキンソン病」の臨床試験(治験)の概要をご報告します。

順天堂大学が行う、「パーキンソン病」の患者に、腸内細菌を移植する臨床試験(治験)とは?

脳神経内科が専門の、順天堂大学の服部信孝主任教授などの研究チームは、「パーキンソン病」の患者さんは健康な人に比べて、腸内細菌の多様性が失われている傾向があることに着目したといいます。

山形県鶴岡市にあるスタートアップのメタジェンセラピューティクスと共同研究で、臨床試験(治験)は2024年9月にスタートさせ、40~75歳で進行期の「パーキンソン病」の患者さんおよそ30人を対象とし、選定を進めています。

臨床試験(治験)では、抗菌薬で腸内環境を取り除いた上で、健康な人の便から抽出した腸内細菌の溶液を、大腸内視鏡を使用して移植します。残り半数には細菌を含まない溶液を投与します。

患者さんは治療を続け、投与からおよそ2ヵ月後、「パーキンソン病」の症状を示すスコアの改善の度合いなどを解析し、腸内細菌の溶液を投与しなかった患者さんと比較して、治療や運動機能の効果を検証します。

近年の研究で、「パーキンソン病」の患者さんは腸内細菌のバランスが大きく変化していると明らかになってきました。腸内細菌の乱れが素因で発症する腸炎により、「パーキンソン病」を発症するリスクが高まることも判明しました。

ヒトの腸内には1000種類以上、およそ40兆個の腸内細菌が棲み、代謝物などを介して人体と密接に関係しています。腸内細菌を移植する治療法の開発は、「パーキンソン病」以外でも進んでいます。

2024年10月21日、順天堂大学の服部主任教授は記者会見で、「腸内細菌を移植することで『パーキンソン病』の進行を緩やかにできれば、認知症を発症することを抑制できるかもしれません」と期待を述べました。

参考:パーキンソン病、腸内細菌で治療 順天堂大が患者移植へ 日本経済新聞(2024年)

2023年には順天堂大学などが潰瘍性大腸炎患者を対象に先進医療をスタートしました。2024年8月には順天堂大学と国立がん研究センター、メタジェンセラピューティクスが、腸内細菌をがん患者に移植して、がん免疫薬の効果向上を狙う臨床試験(治験)をスタートさせると明らかにしました。

アメリカでは2022年、病原性の腸内細菌による大腸炎の治療法として承認されました。

脳神経内科が専門の、京都大学の特定教授の男性は、
「腸内環境の変化が『パーキンソン病』に効果をもたらす可能性は大いにあります。『パーキンソン病』のメカニズムの解明が進むことにも期待を込めたいです」
と説明しました。

成功して欲しい

私の周りに「パーキンソン病」の人はいませんが、患者さんの数が多いことは、過去に執筆した記事などでも知っていました。過去に5本くらいでしたかね?、「パーキンソン病」の記事を書いたことがあります。

私はこういう医療系の記事も書くので、誰か有名な人が罹患しているなどの記事も読むのですが、知らない方でしたが、海外の俳優さんで、「パーキンソン病」を発症して、俳優を引退された方、「パーキンソン病」で亡くなった人もいるという記事も読んだことがあります。

10万人に100〜180人(1000人に1人~1.8人)、65歳以上では100人におよそ1人(10万人に1000人)患者数がいるというのは、難病、かつ指定難病の中では、かなり多いと感じています。

指定難病であっても、数千人しかいないというのは、ほとんどだったので。

この臨床試験(治験)で、「パーキンソン病」が治るのか?、少し症状が軽減するのか、これが終わるまで、どの様な結末が待っているかは分かりません。

それでも、これだけ患者さんの数が多い「パーキンソン病」なので、良い報告が届くことに期待をしたいと思いますー。


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