Yosuke Kojima

神戸在住。趣味はテニス。Vissel神戸、Arsenal、49ers、Giants、Celticsの大ファン。ギリシア哲学に傾倒し、大学・大学院では数学、哲学、法学を学ぶ。数学、哲学、法学を駆使しスポーツを分析したい。座右の銘は"Sports is Spectacular"

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神戸在住。趣味はテニス。Vissel神戸、Arsenal、49ers、Giants、Celticsの大ファン。ギリシア哲学に傾倒し、大学・大学院では数学、哲学、法学を学ぶ。数学、哲学、法学を駆使しスポーツを分析したい。座右の銘は"Sports is Spectacular"

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    主に新刊のスポーツ関連書籍、新作のスポーツドキュメンタリーを取り上げたいと思います。また、「忘れられた傑作たち」として、近年に発刊された傑作も取り上げてます。あと一つ、「クラシックス」として古典と呼ばれるべき名作を取り上げたいと思っています。

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    サッカーについて考察しております。主に統計的手法。そして、法学・社会学的手法を用いております。また、ゲーム理論を用いた分析もいずれは行いたいと思います。

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    日本ではあまり語られない、「お金」とスポーツの話を書きたいと思います。主に、ギャンブル、カルテル、労働契約、サラリーキャップ、FA、ドラフト、放映権料、ビジネス。

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書評:『都市に映える大リーグ野球』宇佐見陽 (著)、彩流社、2024年

本書をノスタルジックなアメリカの「スポーツ文化史」と思って手に取ると肩透かしを食らうだろう。 本書は、リアリステックなスポーツ・ビジネス書だ。まさに著者の20年来の研究書でMLBのビジネスについて多くの情報を得られる。 しかし、あまりにも多くのトピックが取り上げられているため、途中で主題が何か分からなくなっていく。紙幅が限られていたのだろうが、もう少し丁寧に書いたら分かりやすいのにと思った。一部には編集者にも責任があると思う。 さて、以上のような書であるので全体を通して

    • 攻撃効率とは何か。グラフとして「可視化」する。ゴール期待値の図は間違った理解を与える。大事なのは、空白の部分である。

      なぜ、私が「攻撃効率」を言い出したか。簡単に可視化することでざっくりと説明する。まずは、次の図を見てほしい。本日、行われた浦和ー広島のゴール期待値の図である。 これは、SPORTERIAというサイトが発表しているものである。チームが分かりそうなところは消した。 さて、あなたがこの試合のスコアが3−0だったと聞いた。対戦相手は知らないとする。紫色の領域と赤色の領域があるが、どちらを3得点のチームのものとし、どちらを0得点のチームものとするであろうか。 Jリーグをご覧の方は

      • 神戸戦、広島戦 優勝争いをレビューする。試論⑤やはり、広島の失速の理由は「攻撃効率」の低下にあった。

        東京V×神戸戦レビュー まずは、東京ヴェルディ×ヴィッセル神戸戦をレビューしよう。神戸が試合開始6分、早々に先制点を入れた。その後は試合をスローダウンさせ、東京もなかなかリズムを上げれなかった、前半は非常にスローな試合だった。後半、神戸も攻めに出ることは少なく、東京はボールを握るもチャンスを作り出せなかった。東京ヴェルディは70分過ぎから選手を交代し、得意とする試合終盤76分からアディショナルタイムに勝負をかけた。東京の時間帯別得点を見てみよう。35%の得点を76分以降に

        • サッカーに「効率」という概念を取り入れる試論④ー素直な東京V、理不尽な神戸、牙を抜かれた浦和、矢を折られた広島

          サッカーに「効率」という概念を導入してはどうか、というのが私の提案であった。そこで、「ゴール期待値」に着目した。当たり前だが、サッカーの勝敗は、シュート数でもパス数でもポゼッション率ででも決まらない。ゴール数で決まる。 しかし、いくら「ゴール期待値」が高くても得点が入っていない試合もある。逆もしかりである。 「ゴール期待値」は平均的な選手のシュート成功率である。しからば、1試合通算のチーム「ゴール期待値」は、平均的なチームのシュート成功率と言えるだろう。 ここに、「効率

        • 書評:『都市に映える大リーグ野球』宇佐見陽 (著)、彩流社、2024年

        • 攻撃効率とは何か。グラフとして「可視化」する。ゴール期待値の図は間違った理解を与える。大事なのは、空白の部分である。

        • 神戸戦、広島戦 優勝争いをレビューする。試論⑤やはり、広島の失速の理由は「攻撃効率」の低下にあった。

        • サッカーに「効率」という概念を取り入れる試論④ー素直な東京V、理不尽な神戸、牙を抜かれた浦和、矢を折られた広島

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          鹿島×名古屋戦をプレビュー「効率」をサッカーに導入する試論③。鹿島の守備と名古屋の攻撃の勝負になる

          本日の試合について、ビッグネーム同士のマッチ「鹿島×名古屋」があるので、「攻撃効率」、「守備効率」、「総合効率」をあげておこう。まずは、鹿島。 ご覧になれば分かるように、見事にデータが試合結果を表していると思う。すなわち、「総合効率」通りの結果が出ているのである。緑の棒グラフに着目してほしい。また、この3戦は「守備効率」が安定していることが分かると思う。守備はいいので、あとは攻撃次第である。 「総合効率」通りの点差になっているということは、おそらく、サポーターの方は今日は

          鹿島×名古屋戦をプレビュー「効率」をサッカーに導入する試論③。鹿島の守備と名古屋の攻撃の勝負になる

          「効率」という概念をサッカーに導入する試論②ー「攻撃効率」、「守備効率」から分かるチーム力。広島、町田の場合

          サッカーに「効率」という概念を導入しようというのが、前回の記事であった。そこで、「攻撃効率」と「守備効率」というものを考えてみた。 「攻撃効率」というものは、「ゴール期待値」を上回る攻撃ができたか、という指標である。逆に「守備効率」というものは、相手に対して「ゴール期待値」を下回らせる守備ができたか、という指標である。 ややこしいと思う方は試合後のスタッツでは分からない。「いい攻撃ができている」、「いい守備ができている」という、我々の直感を「数値化」ができるかもしれない、

          「効率」という概念をサッカーに導入する試論②ー「攻撃効率」、「守備効率」から分かるチーム力。広島、町田の場合

          なぜ、広島は京都に負けたのかー時間帯別得失点から読み解く。

          広島が京都に負けた。ここでは、試合を観た第一印象でデータを色々探してみた。前回の記事でも書いたとおり、やはり広島の前半31分から前半終了までのシュート数が気になった。 私の記録では、広島のシュート数は1本である。それに対して、京都は4本のシュートを放ち、その内2本は入ってもおかしくなかった。 そこで、時間帯別得失点というデータがあるので、それを参照してみた。ハイライトしたのが、31分から前半終了までである。 ここでは、75分以降は点差に合わせて攻守の強度の割合が変わるの

          なぜ、広島は京都に負けたのかー時間帯別得失点から読み解く。

          なぜ、広島は湘南に負けたのかー 1−0では試合は終わらない。2点目を積極的に取りに行くべきである。

          上の記事では、行動経済学の「フレーミング」、「損失回避バイアス」を用いて優勝争いを分析しようと試みたが、結果として神戸も広島も敗北を喫したため、尻すぼみになってしまった。広島側のコメントもさまざま探したのだが、どのような心理状態で戦っていたか、結局は分からなかった。 神戸が負けた場合、広島が楽に勝つという思い込みで記事を書いていたのが私の間違いであった。私にも「認知バイアス」がかかっていたのだろう。 しかし、今節、神戸が先勝したので、上記の理論を検証できる状況が生まれた。

          なぜ、広島は湘南に負けたのかー 1−0では試合は終わらない。2点目を積極的に取りに行くべきである。

          試論①「効率」という概念をサッカー導入してみる。

          ようやくJリーグが再開された。もうスケジュールについて文句は言わないことにする。しかし、これだけリーグ戦が寸断されると、大きくJリーグを俯瞰できなくなってしまった。そこで、これからは思いついたトピックについて、短い記事を書いていくことにする。 と言いつつも、いきなり大きなトピックを取り上げる。それは、サッカー界に浸透しつつある「エクスペクテッド・ゴール」である。日本語では、「ゴール期待値」と訳されている。 ヨーロッパでは、この「ゴール期待値」というものを使って、チーム・ビ

          試論①「効率」という概念をサッカー導入してみる。

          ヤンキース、なぜ2連敗をすると厳しくなるのか。確率論からの答えーワールドシリーズ展望

          ドジャースは、2連勝によってチャンピオンシップを手元に手繰り寄せた。最後に、2連敗から4勝をしてチャンピオンになったのは、1995年のヤンキースである。 なぜ2連勝すると優位なのか(確率論からの視点) それから30年、2連勝をしたチームは11チームあるが、必ず優勝をしている。これをメンタル面やチームの勢いで説明する言説が多いが、確率論でいえば、結論は当たり前の話となる。 なぜ当たり前かを説明しよう。ここでは、ヤンキースにひいきをして、ヤンキースの勝率を50%としよう(な

          ヤンキース、なぜ2連敗をすると厳しくなるのか。確率論からの答えーワールドシリーズ展望

          ワールドシリーズ第2戦の見どころ(補)ー山本由伸の配球について

          第2戦の先発は、山本由伸である。キーとなる。昨夜、6月に行われたヤンキース戦のデータを見ていたら、ソトとは怪我で対戦していなかったが、ジャッジとスタントンとは対戦していた。 まずは、左打者のソトとである。山本は、左の強打者には一番の武器である4シームと左打者の外角に曲がりながら落ちるスプリット・ファーストボールで勝負する。また、ソトとは初対戦である。初対戦では投手が有利なので、この二つの決め球のキレが対戦の焦点となるであろう。 次に、右打者のジャッジとスタントンであるが、

          ワールドシリーズ第2戦の見どころ(補)ー山本由伸の配球について

          ワールドシリーズ第2戦の見どころー山本先発。投手戦となるだろう。

          Three Times Penalty Rules 改めて述べるが、ピッチャーとしてはワールドシリーズの序盤は上記の"Three Times Penalty Rules"が最も重要となる。つまり、メジャークラスのバッターなら、同じ投手との対戦が3打席あれば打てるということである。 初戦をご覧になった方は分かるだろうが、試合が動き出したのは、両チーム3巡目に入ったあたりからである。ドジャーズの先制点は、2巡目の下位からだった。ヤンキースのスタントンのHRは3打席目である。

          ワールドシリーズ第2戦の見どころー山本先発。投手戦となるだろう。

          なぜ大谷は1番打者なのかー打順をいじっても総得点は変わらない。

          あなたが、いくらセイバーメトリックス(データ分析)が「野球オタク」の趣味で実用性がないと考えていても、このデータ分析だけは覚えて置いて損はないだろうか。 これは、AIによるシミュレーションで主張されている。(もちろん、強打者を9番から1番まで並べる常識と異なる組み方をしたら別であるが。)驚くべき理論である。 ただし、今年の大谷のように「盗塁」というタスクを打者に与える場合は別である。なぜなら、1番バッターは必ず1試合で1回は、ランナーがいない状況で打席が回ってくるからだ。

          なぜ大谷は1番打者なのかー打順をいじっても総得点は変わらない。

          ワールドシリーズ初戦の見方ー同じピッチャーなら3打席あれば打てる。Three Time Penalty Rules

          今回、初めてワールド・シリーズ序盤を観る方に幾つかのポイントを上げておこう。1番大事なのは、ピッチャーである。大谷、ジャッジに注目が当たっているが、初戦は、ピッチャーの調子に注目すべきである。 メジャー・リーグのバッターのレベルでは、同じピッチャーと3打席当たれば対応できるというデータが知られている。これを「スリー・タイム・ペナルティー」(Three time penalty rules)という。 (リーグが違うため、レギュラー・シーズンでは、ほとんど当たることはないので

          ワールドシリーズ初戦の見方ー同じピッチャーなら3打席あれば打てる。Three Time Penalty Rules

          走塁王 大谷翔平ー大谷の走塁力の進化、キーはリードの距離にあった

          ここまでのポストシーズン ポストシーズンになって、大谷は1度しか盗塁を試みていない(アウトになったが。)44打席中9回、2塁が空いた状態で1塁に出塁している。レギュラーシーズンでは、平均10打席に1回、盗塁を試みているので、データ上は4回は試みているはずだ。 なぜかは大谷に聞かなければ分からないが、私見では大谷の後を打つ選手の打撃が良くなってきたため、リスクを冒さなければならない状況が改善したからだろう。前回、書いたとおり、盗塁は成功率が70%以上で、ぎりぎり元が取れる

          走塁王 大谷翔平ー大谷の走塁力の進化、キーはリードの距離にあった

          得点王 大谷翔平②(補)ー大谷の盗塁がなければ、ドジャーズは地区優勝できていなかった?

          前回は、なぜ大谷の得点数が増えたかを盗塁数の増加により説明した。ここでは、逆に大谷がなぜ盗塁しなければならなかったかをドジャーズの得点という視点から見てみる。 以下がワールド・シリーズで対戦するドジャーズとヤンキースの得点数1位~9位の選手である。 見てすぐに分かると思うが、大谷の得点数はドジャーズ内で、図抜けている。今年、ドジャースの総得点は842点であった。大谷はその16%、134点を上げた。 前回、盗塁をすることで大谷は得点数を約10点延ばしたと分析したが、この1

          得点王 大谷翔平②(補)ー大谷の盗塁がなければ、ドジャーズは地区優勝できていなかった?