サッカーに「効率」という概念を取り入れる試論④ー素直な東京V、理不尽な神戸、牙を抜かれた浦和、矢を折られた広島
サッカーに「効率」という概念を導入してはどうか、というのが私の提案であった。そこで、「ゴール期待値」に着目した。当たり前だが、サッカーの勝敗は、シュート数でもパス数でもポゼッション率ででも決まらない。ゴール数で決まる。
しかし、いくら「ゴール期待値」が高くても得点が入っていない試合もある。逆もしかりである。
「ゴール期待値」は平均的な選手のシュート成功率である。しからば、1試合通算のチーム「ゴール期待値」は、平均的なチームのシュート成功率と言えるだろう。
ここに、「効率」という概念を導入しようというのが私の目論見である。すなわち、「ゴール期待値」を超える得点をあげているチームは「攻撃効率」がいいと言える。また、対戦相手の「ゴール期待値」より失点が少ないチームは「守備効率」がいいのである。そして、それらを総合したものを「総合効率」とした。
さて、明日はいよいよ優勝を争う2チームが登場する。
まずは、14:00KOの東京V対神戸戦、両者の「効率グラフ」を見てみよう。
まずは、東京Vである。非常にデータに素直なチームである。「総合効率」(緑の棒グラフ)を見てほしい。プラスのときには必ず勝っている。チームがうまく回っている証拠だと思う。
次は、神戸のものである。総合効率(緑の棒グラフ)を見てほしい。
お気づきになるであろうか。31節、33節を見てほしい。「総合効率」が−1を下回るにも関わらず、勝っている。理不尽である。このようなデータが出ると、他の変数が働いているため、棄却するべきであろう。ただし、神戸はこの苦しい2戦を勝てたことで優勝争いに残っていると推察することは可能であろう。
この1戦の予想をすることは、神戸のデータが理不尽のため、困難であるが、東京Vは撃ち合いは避けたいであろう。神戸の31節、33節のような試合はできればしたくない。
次に、浦和対広島である。下は浦和のグラフである。浦和は攻撃に問題を抱えていることは一目瞭然であろう(青棒グラフ。)34節以外は、マイナスである。
対して、広島である。以前にも述べたが、広島の攻撃もうまく行っていない(詳細は、以前の記事に譲る。)広島が優勝争いに加わってからの攻撃効率のグラフを付け加えた。どれだけ、広島の攻撃が安定していたか、が分かると思う。
この一戦は、広島次第かもしれない。連敗前の攻撃を取り戻せれば勝てるかもしれない。