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試論①「効率」という概念をサッカー導入してみる。

ようやくJリーグが再開された。もうスケジュールについて文句は言わないことにする。しかし、これだけリーグ戦が寸断されると、大きくJリーグを俯瞰できなくなってしまった。そこで、これからは思いついたトピックについて、短い記事を書いていくことにする。

と言いつつも、いきなり大きなトピックを取り上げる。それは、サッカー界に浸透しつつある「エクスペクテッド・ゴール」である。日本語では、「ゴール期待値」と訳されている。

ヨーロッパでは、この「ゴール期待値」というものを使って、チーム・ビルディングまで行うほど、大事な統計的概念になってきた。また、その応用方法も様々に派生し、色んな現場で使われるようになってきた。

サッカー中継でも最近スタッツとして視聴者に提供されるようになってきた。しかし、これをどのように解釈すればいいのか私を含めほとんどの人は分かっていないのではないだろうか。例えば、提供する側の実況者も解説者も分かっていないことが多いのではないだろうか。

私も、現在、勉強中であるが最も簡易に説明できる方法がないか、と考えてきた。この3週間ほどは、MLBのポストシーズンに便乗して、セイバーメトリクスの勉強をしてきた。

そこで、ふと思ったのが、サッカー界には「効率(efficiency)」概念が欠けているのではないか、ということである。Baseballのスタッツのほとんどが「効率(efficiency)」である。例えば、我々は安打数より打率によってバッターの評価をする。また、ピッチャーは失点数より防御率で評価する。

そこで、「効率」という観点から「ゴール期待値」を見てはどうか。というのが、第1回目の私の提案である。それでは、昨日行われたJリーグ2試合のゴール期待値のグラフを見てみよう。まずは、神戸対磐田である。

ゴール 神戸:2 磐田:0  ゴール期待値 神戸:1.73  磐田:0.58 

試合結果は、神戸2ー0磐田であった。ゴール期待値は、神戸1.73ー0.58磐田であった。表にすると、神戸が効率という点で、勝ったことが分かるであろう。

次に、川﨑F対鹿島である。


驚くべき効率を見せたのが、鹿島である。鹿島は、3.61という数値を叩き出した。それに対して、川﨑は0.56と低迷した。

この効率というのは、確率でもなく単なる数値である。例えば、レーティングのように考えてほしい。そのように考えると、数値の大きい順に、鹿島(3.61)、神戸(1.16)、川﨑F(0.56)、磐田(0)と並べられることになる。

以上の理解が合っているかは、これからの試論によって検証されていくと思うので、とりあえず並べていいとしてみる。

また、試合経過という点から見ると、鹿島は試合開始から30分以内に3得点上げたため、もうシュートを打つ必要がなくなった。そのため、効率があがったとも言える。これも大事なことであるが、どんな確率の低いシュートでも打てば打つほど、ゴール期待値は上がる。

とりあえずは、今回は「効率」という概念をゴール期待値に導入してみた。次回は、明日に行われる試合を分析してみたい。また、ゴール期待値を「チャンス」と結びつけるアイディアも持っている。その観点からの分析も行いたい。



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