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なぜ、広島は湘南に負けたのかー 1−0では試合は終わらない。2点目を積極的に取りに行くべきである。

上の記事では、行動経済学の「フレーミング」、「損失回避バイアス」を用いて優勝争いを分析しようと試みたが、結果として神戸も広島も敗北を喫したため、尻すぼみになってしまった。広島側のコメントもさまざま探したのだが、どのような心理状態で戦っていたか、結局は分からなかった。

神戸が負けた場合、広島が楽に勝つという思い込みで記事を書いていたのが私の間違いであった。私にも「認知バイアス」がかかっていたのだろう。

しかし、今節、神戸が先勝したので、上記の理論を検証できる状況が生まれた。明日の広島戦は楽しみである。気になる方は、記事をぜひ読んでほしい。

そこで、前節の広島を分析してみた。今回は、「ゴール期待値」という視点から、この試合を分析してみたい。以下が湘南対広島のゴール期待値である。

ここで着目してほしいのは、広島のシュートを打っている時間である。それは、紫の折れ線のドットで表されている。折れ線をたどっていってほしい。得点は、折れ線から吹き出しで記入された時間に決まっている。ここで、気になるのは、折れ線がフラットになっている部分である。

このフラットになっている部分は、当該チームがシュートを打っていない時間帯である。広島側に着目すると、前半28分から後半の2分までシュートを打っていない。その後、後半3分に失点をすると広島はシュートを打ち出す。

私は、この前半28分から後半2分までの広島側の心理が知りたい。先述したように、ネット上で広島のコメントを探したが、この時間についてのコメントがなかったので、勝手に推察するしかない。

広島は、先制点を含めて前半28分まで7本のシュートを放ち、攻撃にでている。しかし、得点後は後半3分までシュートを1本も打っていない。これは不自然である。また、湘南にもVARの対象となったシュート以外、1本も打たれていない。ここで考えられるのは、広島は攻めなかったのではないか、ということである。

サッカーをご覧になる方は、ピンと来るであろうが、試合が1−0のまま終わるということは、リーグ戦では、10%余りである(トーナメント戦になると勝点3というシステムが作動しないので、1−0で終わる確率は上がる。)90%は、1-1、2−1、1−2、2−2、あるいはそれ以上で終わる。そして、2−0から負ける確率は僅か2%以下とされている。

ここで何が言いたいかというと、1−0はサッカーの試合としては定常状態ではないということである。90%以上の試合では、どちらかのチームに次の点が入る。

上の図のように、広島は湘南が全くシュートを打てていないなら、追加点を取り、より安定した2−0に試合を持っていくべきではなかったかというのが、私の推察である。

広島の敗北の一つの要因として、この前半28分から後半2分までシュートを打たなかった、ことが挙げられる。

この点、素晴らしい試合運びをしたのが、今節の鹿島である。

前半18分までに2点を取り、その間に川崎にシュートを打たせないまま、試合を安定させている。

これが理想的な試合運びである。

以上、「ゴール期待値の図」を用いて、湘南対広島戦を分析したが、私はこの図については、瑕疵がいくつかあると考えている。ここでは、代替するものを思いついていないので活用させていただいた。よりいいものを作ろうと考えている。


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