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記録(エッセイなど)

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記録文まとめ。たまにエッセイや、大学の課題など。
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#記録

私の顔

私の顔

浮腫がちな奥二重。小学生のときに丸太から落ちたせいで凹凸のある鼻。下唇がすこし厚い唇。存在感のあるエラ。私は自分の顔が好きではない。

許容できている点といえばちょうどいい幅のおでこ、描かなくても立派な眉、常にほんのり上がっている口角である。許せる箇所があるだけでもマシなのかもしれないけれど、それでも私は鏡をみるたび落ち込んでしまう。

外見に対するコンプレックスが生じたのは10年以上前のこと。記

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生きる川(課題)

生きる川(課題)

愛犬の豆柴と散歩をするときにいつも歩く川沿いの道。その川には、日々うつろいゆく自然の趣がある。

ある日の朝は、しんと静謐な様子であった。またある日の夕暮れは、空の橙色を映す水面が、柔らかい表情でゆるやかに流れていた。その川にはごつごつとした大きな石、岩場のようになっているところがいくつかあり、そこには鳥たちが佇んでいる。

川の流れに逆らってすいすいと泳いでゆく鴨の群れ。大人の鴨よりもまだひ

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通信制大学1年生。文芸を学問として学ぶこと

通信制大学1年生。文芸を学問として学ぶこと

私はいま、京都芸術大学通信教育学部(通称KUA通信)の文芸コースに所属している1年生だ。いろいろあって年齢は20歳。そのいろいろはまた別の機会に書くとして、今日はこの大学に入って文芸を学ぼうと思った初心に帰ってみようと思う。

突然ですが、私は好きなことが義務になってしまうと好きではいられなくなるタイプです。たとえば高校生のころは、勉強がいくら好きでも、学校から課せられると途端に嫌になってしまうと

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血縁上の彼

私には、父親がいない。縁が切れてしまったという方が正しいかもしれないけれど。それが起きたのは昨年の夏のことだった。私はまだその事実を受け入れることができていないけれど、こうして言語化することで少しでも救われるものがあるのではないかという希望未満の願望によってこの文章を書いている。

私と父の縁が切れた主な原因は私の持病。そして父の精神状態が見方によってはおかしいといえる状態にあったこと。私には双極

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木綿豆腐

味噌汁に木綿豆腐が入っているとほっとする、絹はちょっと他人行儀な感触がする。

これは私が、完全さよりも不完全さに惹かれやすい特質ゆえなのだろうと思う。全体がなめらかでなだらかで完全な人よりも凹凸があってどこかしらが欠けていたり突き抜けていたりする人に惹かれる(コミュニケーションを取る相手ではなく、一方的に憧れたり好意を寄せたりする対象はとくに)。

絹豆腐のことは別にきらいではないけれど、なんと

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殴り書き

好きだから書いている、好きなものを、事象を人物を光景を書いている、だけれど好きなだけでは通用しない。

私が好きだと感じるすべてのもの・ひとは、そのひとの主観的な好きだけで構成されているわけではない。深い知見、思想、その人にしかない積み重ねの上に成り立っている。

だから私が書くものはまだ足りない。自分が好きでいられたならそれでいいと割り切ってしまえれば今のままでもいいのかもしれないけれど、やっぱ

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折り合い

本当に進みたい道には進めなかったけれど、
自分の顔や身体は好きになれそうにないけれど、
たとえ受け容れられなくても折り合いをつけて、ほどよく諦めること。生きやすい自分になるために、最近目指している地点です。

諦めるという言葉は本来ネガティブな意味で使われることが多いけれど、私はそう悪いことではないと思っています。どうがんばっても受け容れられないことや努力しても変えられないことはあるし、それらにぶ

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痛い

ここ1週間ほど、身体のあちこちが痛い。そのおかげであれこれ疑いがかかってしまい久しぶりに血液検査を受けた。結果はまだ出ていないけれど、採血をされるときはいつも不思議な気持ちになる。自分の体内にはこんな色の液体がかよっているのか、と得体の知れない気持ちになる。

注射器3本分の血を抜かれても支障がない身体は、なのにどうしてこうも満身創痍なのだろうと悲しくなった。

身体の痛みと関係があるのかはわから

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ちょっとダウンもたまにゃ良い

久しぶりに、こりゃもう動けないわという状態になり昼間から布団にくるまった。これは私にとって結構珍しいこと。というのも私は、余程体調が悪くない限りは昼寝をしない主義(?)なのである。

私は寝て時間を過ごすことをもったいないと感じてしまうタイプで、もし寝なくても死なないなら毎日夜通し起きて活動していたいくらい、睡眠が好きではない。

だけれど今日は座位でいることがしんどくなってしまったので、渋々横に

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私が好きな物語

私が好きな物語にはある一定の傾向がある。

大抵はヒーローとヒロインがいる感じのW主人公。ヒロインは逆境的で困難な体験をしており、ヒーローはヒロインにとって眩いものを持ち合わせた人間。

こういった話は、日本のポピュラーなエンタメシーンにおいてきっとベタだ。私は、そういったベタな話に惹かれることが多いように思う。(ベタ=大衆ウケする作品であることは悪いことではないけれど)

人を好きになるとき、そ

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さみしい夜はこんなことをして

ふと、わけもなくさみしいなと感じてしまった夜なんかはお香を焚いて、本を読んで(勉強をして)気を紛らわせたりなんかする

私は私のために生きていて、この人生は誰のものでもない、私のものなのだということを再確認する

そしてまたこうして言葉を選び、文章を書く
私が生きているということを感じられる手段に過ぎないけれど、それでもなくてはならないもの

書くことで生きて、生きることで書いている、それをこれか

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瑣末なことなど

瑣末なことなど

瑣末なことなどこの世にはひとつもないのではないか、と思うときがある。朝起きるのがつらいと感じることも、化粧をするのがめんどくさいと思うことも、いざ外に出てしまえば生き生きと外界をたのしむ自分がいるということも、まったく瑣末ではない。

駅前の桜並木はあっという間に葉桜になって、淡い白よりもまぶしい新緑が目立っていた。春風はまだ少しだけ、冬の香気を残している。

電車に揺られて人混みに出かけると、い

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選択的ひとり

選択的ひとり

ひとりでいること、ひとりで何かをすることは楽しい。人といること、人と何かをすることとは別次元の感覚でそう思う。

人といるのが好きだということとひとりでいるのが好きだということは対極のように扱われがちだけれど私はどちらも好きだ。

自分で自分の機嫌を取れているときはすごく心地よく、スムーズで、道を踏む靴底がどこにもひっかからない。この感覚とてもいいなぁと思うと同時に、今はこのくらいの距離感で自分と

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街に出る、人と会う

街に出る、人と会う

街に出ること 人と会うこと
できるときと できないときの繰り返し。
私は外に出ることが好きで、人に会いたいと思うけれど、それと同時に家にこもっていることが楽だと感じる部分も持ち合わせていて、さらには外に出たい・出たくないの気持ちに関わらず出られない、という状態のときもある。

最近は以前に比べてよく外に出る。症状の波が関わっているのかちょっと元気になってきたのかどうかは微妙なところだが、本題と逸れ

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