木綿豆腐

味噌汁に木綿豆腐が入っているとほっとする、絹はちょっと他人行儀な感触がする。

これは私が、完全さよりも不完全さに惹かれやすい特質ゆえなのだろうと思う。全体がなめらかでなだらかで完全な人よりも凹凸があってどこかしらが欠けていたり突き抜けていたりする人に惹かれる(コミュニケーションを取る相手ではなく、一方的に憧れたり好意を寄せたりする対象はとくに)。

絹豆腐のことは別にきらいではないけれど、なんとなくつまらないな、刺激が足りないなと感じてしまうのだ。ちょっとざらついていて、食感に心許なさを伴う木綿豆腐でありたいと思う。あんまりなめらかではないんだな、という意外性がほしい。

善し悪しの話ではないのだが、均一なものにはあまり惹かれない自分にまた気づいたという話。

木綿豆腐を食べると安心する。もうしばらくは、ざらついたまま生きてみようと思う。

2023/06/19




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おがわ
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