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第四子妊夫日記

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2019年9月 第四子を妊娠しました。これは、「父親としての妊娠」がどんなものであるかの記録、のつもりです。
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#育児

【妊夫日記1101】変わらぬ感触と、巡り続ける季節と、

【妊夫日記1101】変わらぬ感触と、巡り続ける季節と、

心なしか膨らんできたお腹をさする。5センチほどになっているとゆうことは、子宮は12センチくらいになるだろうかしら。男爵芋くらいかな。出掛けにカミさんに対面して、さすりさすりとしたら、「懐かしい、ヨコハマ住んでた時によくしてたね」と言われた。結婚したばかりの頃、僕らは横浜の井土ヶ谷に住んでいた。谷と付くだけあって、入り組んだ急坂が多い土地で、僕らはそのちょっとした丘の上にある古い平屋を借りて住んでい

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【妊夫日記1103】旅立ちの準備

【妊夫日記1103】旅立ちの準備

今日から海外出張で一週間ほど留守にする。長期間居ないことも、それが海外であるとゆうことも、けっけが一歳になる前以来なので、6年ぶりくらい。そして子どもらにとっては初めてのことになる。実家が隣で手が借りられるので、そんなに心配はしてないのだけど、彼らは日々をどんなふうに感じて過ごすのかしらね。
中高山岳部で山には親しんでいたとはいえ、そして深夜特急や星野道夫さんに憧れていたにもかかわらず、僕自身はそ

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【妊夫日記1112】思い出は、僕が変わることで伝えていくもの

【妊夫日記1112】思い出は、僕が変わることで伝えていくもの

ラオスから帰ってくると、らこがふくよかになっていた。そしてずいぶん会話も進んだ気がした。出張中は、ホテルのWi-Fiの調子は悪くなかったのだけど、カミさんのライン通話が不調で、なんとかかんとか普段使っていないパソコンを引っ張り出してハングアウトを一回した。(それでも、僕の顔は映っても、皆の顔は映らず。)いつもと違うものから僕の顔が見られたことの印象は強かったのか、翌朝パソコンを指さして、「とと、い

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【妊夫日記1113】この月は、本当に明日も昇るのか?

【妊夫日記1113】この月は、本当に明日も昇るのか?

出張中に、幸いにもカミさんの悪阻は落ち着いた。自分でお米が炊けて、好きなものが食べられるようになったと嬉しそうである。ここからはその反動なのか、はたまた腹の子の重量が言い訳となるからなのか、体重が急増して先生に注意を受ける妊婦さんはまぁ多い。(基本的に皆に注意してるのかも。)帰りしな、最寄り駅から自宅に向かいながら旧市街に差し掛かったとき、薄赤く暗さの増した東の空に月がのっと昇り、そのあまりの大き

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【妊夫日記1114】小さい獣にはまだ休息が足りない

【妊夫日記1114】小さい獣にはまだ休息が足りない

夜に慣れ始める季節になった。二週間ぶりくらいに保育園へお迎えに行く。もう、お外真っ暗だねぇとか、そんなことも言わずに帰りの用意をしている。保育園にいる間は、滑って転倒するのを防止するために靴下を脱がされている。さようならの挨拶の後に、らこに靴下を履くか聞くと、「はかなぁ~い、はかなぁ~い」という。そのまま靴を履いて歩き出すと「いちゃぁ~い、いちゃぁ~いね」とゆうので、ほらほら靴下履かないからよ、と

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【妊夫日記1115】子どもの伸び代は何処に向かうか

【妊夫日記1115】子どもの伸び代は何処に向かうか

ペイペイが初めて食べたパクチーを気に入って、パクチーパクパクと言いながら何も付けずにそのまま食べていた。ネギが少しだけのった冷奴を嫌がったり、ケチャップ味のオムライスが嫌いと言ったり、まったく嗜好性が読めず、突然大人でも苦手に思うものでも平気で食べる様子が面白い。
4歳も半ばを過ぎて、もともと口は達者な方でもあったが、情緒もかなり安定してきたように思う。肌が白くてぷりっとしていながら、はっきりとし

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【妊夫日記1118】13年後も、同じようにビールを呑んで遊ぶとして

【妊夫日記1118】13年後も、同じようにビールを呑んで遊ぶとして

良く晴れた週末だった。近所の大きな公園では、クラフト品や地元の飲食店が露店を出す催しが開かれていた。天気予報で晴天だと言っていたのと、土曜日は昼間カミさんが仕事で、ひとりで子どもらを見てるとどうしても家でゲームをして過ごしがちだったので、fuji氏にマーケットに行かないか?と声をかけた。
昼頃に駅で待ち合わせる。僕の出張や、繁忙期に入り始めた仕事のせいか、会うのは1ヶ月ぶりくらい。まぁそれでも、月

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【妊夫日記1119】妊夫コミュニティは何故出来ないのか

【妊夫日記1119】妊夫コミュニティは何故出来ないのか

らこの出産からお世話になっている助産院、雰囲気も活動もとても良いのだが、ひとつ解せないのは、妊婦さん同士の交流やコミュニティイベントは多いのに、プレパパや妊夫のイベントごとが無いことである。男子禁制感があって、ブルータスお前もか?みたいな気分になるのだ。
とにかく、世間はプレパパへのフォローが無さすぎるし、妊夫に無関心だ。それは当人の問題も勿論あるだろうけど、「妊娠している夫」であることを無自覚に

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【妊夫日記1120】機微に厳格すぎる兄妹よ

【妊夫日記1120】機微に厳格すぎる兄妹よ

けっけの、目玉焼き半熟加減が厳格すぎる。パサパサでも、どろりと流れ出るのでも駄目らしい。ものすごいナーバスな顔つきで、眉間にシワを寄せて食べられないと呟くのだ。ペイペイに比べれば好き嫌いは分かりやすい方だけれど、口当たり、苦味、発酵臭は不得手が出やすいような気がする。なに食べたいか聞くとだいたいカレーかオムライスで、作れば満腹まで食べる人なんだけどね。
超絶子ども舌な彼は、以前から練習していた自転

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【妊夫日記1121】才能を伸ばすのに必要なことを考えている

【妊夫日記1121】才能を伸ばすのに必要なことを考えている

セミナーや研修講師が重なって普段より遅くに帰宅すると、兄二人は兄弟喧嘩して怒られた直後だったらしく、けっけはナーバスになっていた。二人の喧嘩はだいたい、理不尽ながらちゃんと謝って欲しいペイペイに、正論で撥ね付けて気持ちを汲み取らないけっけとゆう構造の事が多い。結局平行線で隣で騒がしい事に堪忍袋の緒が切れて、僕らに怒られ喧嘩両成敗で終わる。
ただ、最近のペイペイは、眠たくなければ「感情溢れてますよポ

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【妊夫日記1125】姿の見えぬ舟を呼ぶ

【妊夫日記1125】姿の見えぬ舟を呼ぶ

週末にカミさんは学童の合宿へ。「妊娠してるのに大丈夫?」より、「子ども3人居るのに旦那さん大丈夫?」の声の方が大きかったそうな。らこは初めて母の居ない夜ではあったが、僕らの方は友人たちを招いてホームパーティ的な事をして楽しく過ごした。仲間の一人が展示即売会に初出展する、とゆうのを大義名分にした集まりである。北は宮城、南は大分から、関東のベッドタウンの一軒家に集まってきて、その夜は大人8人子ども3人

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【妊夫日記1127】朝飯はいつものものをいつも通りに食べるのが吉

【妊夫日記1127】朝飯はいつものものをいつも通りに食べるのが吉

今朝はひどい目にあった。どうやら非加熱ココナッツアレルギーを持っているらしい。こんなに強く反応が出たのは初めてのことで、戸惑いと共に、これ以上食べられないものが出てきたら残念だなぁというのが正直な気持ちである。
ラオスのマーケットで飲んだ柿とココナッツミルクのスムージーが美味しかったので、それを真似て先週作った。子どもらにも好評で、習慣的に作れたらと思っていた時に見つけたのが乳化剤不使用のココナッ

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【妊夫日記1128】ふたり暮らしだったころの季節に

【妊夫日記1128】ふたり暮らしだったころの季節に

PAYDAYである。2年前の春ごろに、ウチの家計って赤字では?と思ってから収支を整理して、世帯収入程度の預金確保をまずは目標に生活している。といっても、原則として節約はしない。行動を見直して、効率を上げる、幸福度も上げる、結果的に預金額も確保できるとゆうイメージだった。まぁまぁその取り組みは成功したと言える。
お金は欲しい、しかし一方で、転職したら必ずしもベースアップが望めない金額の給与所得は、な

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【妊夫日記1129】子どもにしか合わせられぬ辻褄

【妊夫日記1129】子どもにしか合わせられぬ辻褄

手袋が必要なほどに、急に季節が進んだ。けれどもまだ、庭の飯桐や鬼胡桃の木の葉は落ちていない。体感と風景がちぐはぐである。
昨夜は帰宅すると、みんなで『かいじゅうたちのいるところ』の映画を観ていた。10年ほど前に放映されたもので、原作絵本の世界観はそのままに、子どもが意図せず力任せにやり過ぎてしまった時の急な不安感などがとてもよく描けているなという印象が残っていた。
しかし、子どもが出来てから改めて

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