【妊夫日記1113】この月は、本当に明日も昇るのか?
出張中に、幸いにもカミさんの悪阻は落ち着いた。自分でお米が炊けて、好きなものが食べられるようになったと嬉しそうである。ここからはその反動なのか、はたまた腹の子の重量が言い訳となるからなのか、体重が急増して先生に注意を受ける妊婦さんはまぁ多い。(基本的に皆に注意してるのかも。)帰りしな、最寄り駅から自宅に向かいながら旧市街に差し掛かったとき、薄赤く暗さの増した東の空に月がのっと昇り、そのあまりの大きさと黄色みにはっとして、「月が!ヤバいよ」とゆう稚拙なメッセージをカミさんに送った。すぐにでも飛び出して見上げてほしかったが、家に着くと存外のんびり夕飯やらゲームやらしていて、少しがっかりもしながら、見に行こう見に行こうと背を押して、大きな通りまで連れ出した。数分のうちに夜のとばりが下りていて、月は輝きは増したが僕の見つけていた神秘的な様相ではなくなってしまっていた。それでも、普段よりも大きな月に喜び、手を繋いで帰宅した。
最近、カミさんの使っていたニンテンドウDSでポケモンするけっけ。小さい画面にのめり込むようにゲームをしている。日に日に少年感は増していくが、相変わらずMサイズの紙パン(らこの)が入る小さな尻をしており、膝に乗ってきて甘えたがりだ。その合間に、「頬にボールペンで線が書かれてるよ」と教えると、おもむろに手のひらをベロリと舐めて頬をゴシゴシーッとやって消そうとするもんだから、珍妙に男前過ぎて吹き出してしまった。
昼飯を食べているときに、ラオスの膨大で複雑なフレーバーの食事が早くも懐かしくなって、夕飯にはタケノコ紫蘇カレーを作った。あんな香りと辛味に身を浸してたら、生き方変わるよな、鬱々としてらんないなと思った。そういえばあっちのスタッフは「目標管理」って苦手らしい。明日のことは明日にならないとわからないのに、なに言ってるの?って本気で思うと言っていた。
先の話、といえば、カミさんは産育休に入るのは今年度一杯働いてからになるそうだ。今期の学年を最後まで見切れることへの嬉しさはあるようだけど、今から若干の腹の張りを感じているようだし、自転車で25分、バス徒歩45分かかる職場までどうするつもりでいるのか話合う。これは結構以前から悩ましい問題で、本人の意欲と希望と危機回避、周囲の心配と実質的な協力のバランスのすべてをなんとか釣り合わせられないと、気分の落ち込みか、切迫早産で入院とゆう事態になる。本当に、至極悩ましい。僕がフォローを入れようにも、男性の育児休暇は出産後からしか取得申請出来ないし、休職するほど余裕はない。そして、「働いていない」とゆうのは楽そうに見えて、なかなか自分の心を強く保つのは難しい状態なのだ。
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