山田祐基

絵を描いています○

山田祐基

絵を描いています○

最近の記事

3泊4日 花山スケッチ旅

またまた山に入った。今回は一人で。 4日間ほぼほぼ誰とも会わず(人に会うとビックリさせちゃったり写真を撮られたりすることがあるので薮に身を潜めてやり過ごした) 人の声よりシカたち獣の声を多く聞いた日々。 おそらく誰も見向きもしないであろう道端の草たち。いちいち立ち止まっていては前に進めないんじゃないか…描くか描かまいか…と迷ったが、せっかくの一人旅。 前に進まなくても良いのだと描きはじめた。 展示では意外にもこの絵が人気で、光を当てられたと嬉しく思った。 4泊5日の宮之浦

    • いのちを表現できたときは嬉しいんだ

      誕生日。 いつもと変わらず、散歩をしたりご飯をつくったり絵を描いたり会話を交わしたり。少し変わったことといえばヒッチハイカーを乗せたことくらい。 
 「いつも通り」と言えることのありがたさが、旅暮らしとなって身に沁みる。 現在家なしの僕は、ゆっくりできる家があるというくらいの理由で屋久島行きを決めたのだが、想像もしていなかったような素晴らしい日々を過ごさせてもらっている。 言葉にすると平坦になってしまうのだけど、目に見えるものも目に見えないものも全ての存在が生き生きしていて

      • 屋久島 第2章

        「今浴びているこの水を知っている」と思った。 浜ちゃんが葉山へと帰り、久しぶりのひとり海上がりに浴びた、山からごうごうと降りてくる雨水と、しとしと降るお天気雨。 ついに浜ちゃんラストナイトということで一昨日の夜、お世話になった方たちを招いて持ち寄りご飯会をした。 夜遅くまでいい時間を過ごし数時間眠ったのち、まだ眠い目をこすりながら雨降る朝、屋久島空港で見送った。 同じくまだ眠いだろうに見送りに合流してくれたTさんとMさんと少しお茶をして、僕はひとり波乗りに向かった。 屋久

        • 4泊5日宮之浦岳縦走スケッチ旅

          屋久島を直撃した台風10号の影響で、宮之浦岳へと登るほとんどの登山道が閉鎖されているようだった。その場その場で情報を集めながら臨機応変に登山計画を立てる。 登れたという人もいれば、目の前まで行ったのに登れなかったという人もいて、まさにパラレルワールド。内側の世界によって現れる現実はいかようにも変わるのだと鮮やかに見せつけられているかのようだ。 葉山から合流した鍼灸師の浜ちゃんと3泊4日の登山計画を立てた。彼とは内側の世界と外側の世界の関係性について良く話す仲だ。鍼灸師という

          the day

          GULIGULIさんが紹介してくれた日具さん。 ぽっと時間が空いたから会いませんか?と連絡をもらう。 お誘いの場所は島の反対側で、なかなか遠い上に(屋久島は結構大きい!) 今日は台風のバックスウェルで波乗りをしようと思っていたから少し迷う。 しかし、なぜだか早めに会っておきたい氣持ちと、島の北側でも波乗りできるかもと淡い期待を胸に、波のサイズが小さくても良いようにロングボードも積んで向かうことにした。 初めましての5分後に、車に乗り込む。 ここがどこか分からないまま、連れて

          火が灯る

          夏至のライブペインティング用にkitamioが用意してくれた白いパンツ。数カ所絵の具が付いた白そのままも気に入っていたけれど、せっかくだし普段も着やすいように染めようということになった。 もともと緑色が好きだが、「緑は死の色」という言葉をもらってから、ますます緑が気になっている。 このパンツも緑に染めたいと思い「福木の黄色」と「藍の青」を掛け合わせることにした。八重山に渡る前に福木染めをして、結局そのまま八重山では黄色のまま着ていた。ちょうど八重山では豊年祭、お盆のシーズン

          波照間にて

          お世話になっている方の母が亡くなった。 訃報を知らせる電話の、すぐ隣でそれを聞いていた。旧盆、迎えの日に、お墓掃除をした直後のことである。電話が終わり「御愁傷様でした。」と声をかけると、 「いや~もう102歳だからお祝いだよ。」と、しかしその顔はやはり少し寂しそうであった。 さて、ここは波照間島。 日本最南端の有人島であり、明日は島をあげての最大行事「ムシャーマ」である。喪中だとこうした行事には出ることができないので、外は年に一度の大賑わいを見せる中、Sさんは家でひとり静か

          波照間にて

          お留守番の渡り鳥

          この一番暑い時季に西表島までやってきた。 ここ、西表島を含む日本の西南端である八重山諸島。 その中でも特に波照間島は「心のふるさと」と呼ぶにふさわしく何故か肌に馴染む。 ご縁をいただいて今まで何十回と来たか分からないけど、 今回も西表島で1ヶ月のお留守番の話をいただいてやってきた。 お留守番に呼んでいただいたら向かう。 まるで「お留守番の渡り鳥」状態である。 那覇から飛行機で約1時間、八重山の玄関口である石垣島へ。 沖縄本島と石垣島は、東京大阪間くらいの距離があり、 それだ

          お留守番の渡り鳥

          遊びをせんとや生まれけむ

          さて、沖縄今帰仁で1週間のお留守番中である。 お家があるってありがたい。 キャンプ生活ではすっかりバテてしまったので、 この暑い中、野生動物や町の猫たちにしても逞しいなぁと改めて思う。 毎日のように陽が沈む頃になると、海へひと泳ぎに行くのが日課になっている。 その日の気分で行きたい浜3つほどから選んでさっとひと泳ぎ。 その中でもお気に入りの一つ「月桃ビーチ」という浜へ向かった。 ここは人の氣が少ない方で、静かに沐浴したい時はここへ向かう。 いつも通る道の途中で見覚えのある

          遊びをせんとや生まれけむ

          こっちの土俵

          寝込むだろうと分かっていて 久々に40時間近く眠り込んだ。 旅暮らしになって3ヶ月 気付くと旅と暮らしの境界があいまいになって 沖縄での展示準備から在廊、撤収までの約1ヶ月 休みなしで走り続けた。 できる、とどこかで思っていたから走り続けたのだが できない、からやっぱり無理が来る。 撤収がいよいよ終わって 展示に関わってくれた人も多かったし たくさんの人と触れ合ったから 一人の時間を過ごそうと、 車中泊もそろそろ暑さが限界なので キャンプ生活を始める。 湧水を汲んで(キン

          こっちの土俵

          ヴィパッサナー瞑想体験記

          10日間 はじめてヴィパッサナー瞑想に参加してみた。瞑想をきちんとした機会で学ぶことも初めての経験だ。友人から度々話に聞いていたが、絵を描くこと自体が瞑想のようなものだし必要ないかと思っていた。けれど、度々その名前を聞くうちに、いつの間にかこの手はポチッと申し込みのボタンを押していた。  ヴィパッサナー瞑想で初めての人は10日間コースが必須となる。 「10日間、何があっても施設を出ません。」と誓約し、携帯電話や貴重品、本や筆記用具など全ての個人的所有物を預けてコースに参加す

          ヴィパッサナー瞑想体験記

          11111

          先日34歳になりました○ おかげさまで心暖かい日々を過ごせています○ 夏に落ちたなと思ったら まだまだ底なしで 12年ぶりにやってきた抜け出せない日々 いつも「また痩せた?」と聞かれるくらいなのに 今までになく本当に痩せてしまった○ こんなだから人にもなかなか会えないけれど ばったり心暖かい友人たちとご飯を食べたり ご飯を作りにきてくれる友人もいたり 「いい顔になったね」と言われたり 案外幸せにやっている○ きっと自然の表出なのでしょう○ この4年は「人」にフォーカスす

          はじめて世界に触れるように

          「五感のうち、どれなら失くなってもいいと思える?」 絵を描いて 見るということにフォーカスしているけれど 最初に頭に浮かんだのは視覚○ 時々山の中を目を瞑って歩いてみる○ 鳥の声やふと香ってくる花の香りに 頭の中では鮮やかな色が溢れてくる○ とても豊かな世界だ○ 視力が弱い人は そんなにしっかり見なくてもいいよと 神様が視力を弱くした説 案外そうかもと思っている○ 僕も視力がかなり弱いのだが 最近は眼鏡を外して生活していることも多い○ 見えるとついつい見すぎてしまうのだが

          はじめて世界に触れるように

          光を存在として描きたいという思いと 何かを照らすことで認識できる光 光は実体なのか 触れることのできない「間」なのか 描くときはできるだけ 後ろに置いておきたいと思っていた技術を 肯定的に捉えられるようになったので 改めて光を描いてみようと思っている○ 紙の向こう側から呼びかけてくる光 奥へと入っていける光

          光と影のデッサン

          変化○ 人への興味○ 今思えば20代の頃は全くと言っていいほど 他人に興味がなかったんじゃないか○ 世界と自分と1対1で対峙してるみたいな○ 実態のない社会というイメージに対して暖簾に腕押し状態○ 30代を前に大きく変化し始めて やっと目の前の人を大切にできるようになってきた気がする○ そうするといつの間にか周りは大好きな人たちばかりで これが社会じゃんってなった○ 自分からほとんど情報は取りに行かないし だから今、とても心地よい社会で生きている○ 先日旅の途中で 久々に

          光と影のデッサン

          空間

          はると piano / Eriko Uegaki painting / Yuki Yamada drink, cake / Yuki Tsushima 2023.3.21 春分の日 素晴らしい時間を過ごすことができました○ 一週間たった今でも余韻の中をゆらゆらと漂いながら 外の世界では次々と木々が芽吹き ピュンピュンと立ち上がる新芽の勢い、 風が吹くたび散っていく山桜に どこかそわそわしながら 日々がすごい速さで流れていきます○ 今回の演奏会のために大模様替えをしました○