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3泊4日 花山スケッチ旅

またまた山に入った。今回は一人で。
4日間ほぼほぼ誰とも会わず(人に会うとビックリさせちゃったり写真を撮られたりすることがあるので薮に身を潜めてやり過ごした)
人の声よりシカたち獣の声を多く聞いた日々。

シダと苔と枯葉

おそらく誰も見向きもしないであろう道端の草たち。いちいち立ち止まっていては前に進めないんじゃないか…描くか描かまいか…と迷ったが、せっかくの一人旅。
前に進まなくても良いのだと描きはじめた。
展示では意外にもこの絵が人気で、光を当てられたと嬉しく思った。

水晶淵

4泊5日の宮之浦岳縦走スケッチ旅では、ここが氣になるもスケッチする時間を取れなかった。ある意味今回のお目当て。

花崗岩の島なので、至るところで水晶や雲母がキラキラしているのだが、ここは特に静かな静かな淵で、空気にまでも水晶の粒子が溶け出しているかのようだった。木々の間から漏れる光の柱がそのまま結晶化して止まってしまいそうな。

前回の感想

水晶淵との勝手に命名はまさにであり、朝、昼、夕、と移りゆく光の柱を眺めて過ごした。前回は見なかったが、やはりこの沢にもヤクシカが水を飲みに来た足跡があった。

花山広場の巨木

この木に最初に会ったとき、何故だか懐かしい氣持ちがおこった。光が確実に秋のものになっている。

今回は登山道を歩くというよりも、感覚を頼りに氣になる沢や山を藪漕ぎで散策した。
多くの人が入らない山の中の姿。ゾクゾクするものがあった。
花山歩道は日本でも五か所しかない『原生自然環境保全地域』に指定されており、テント泊や焚き火も禁止されている。
シカやサル、獣たちのように身ひとつで寝ることができたら…

翌々日のアペルイ(アイヌ語で「火が灯る」という意)でのイベント「火と唄と絵」のために火の絵を描いた。
つくづく火も生き物だなぁと思う。火にかぎらず全ての元素がだけれども。薪を食べ、空気の流れによって形が決まる。
火を焚くときはなるべく美しく焚いてあげたいものですね。(※あくまで絵です○)


苔むす木々

この木の前に何時間いただろうか…
4.5時間描いても全く飽きなかった。描けば描くほど見えてくるので終わりはない。
帰ってからどうしても緑青(孔雀石/マラカイト)を重ねたくて、描きはじめたらまた止まらない。
まだ終わってないので、自分の半分はまだこの木の前にいる。緑を重ねるほどに自分も緑へ溶けていく。


「緑は死の色」

死を見つめそのすぐ裏にあった生が、ぐっと前に躍り出てきている。
今日も緑がキラキラしている。

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