星 博彦

星 博彦

最近の記事

昔、猫はペットじゃなく、人間と共生していた

 昔と言っても、昭和も30年代(西暦で言えば’50年代、’60年代)の東京の郊外の住宅地の話です。昭和20年代の食糧難からやっと抜け出した時代にも前回話したミュージカル“キャッツ”のように、しっかり猫は生き続けていました。ネズミと人間が居れば猫がいる、と言う関係でしょうか。僕が物心ついた時にはすでにうちに猫が自由に出入りしていました。もちろん(!?)ねずみも時々出没してました。  うちにいた猫は飼っていたのか、単にいただけなのか判然としませんが、思い出すだけでも三毛猫の親子、

    • きらわれ葛(くず)の籠編みは、楽しい

      葛(くず)で籠を編みました。葛は繁殖力が強く他の植物を覆うように繁殖するので嫌われ者ですが、一方では食用にもなります。とは言っても今では本当の葛を食用に使う事はほとんどなく、いわゆる葛餅(くずもち)もほとんどが代替品だそうで、葛根(かっこん)からでんぷんを抽出するのはかなり手間がかかるようです。(本当の葛餅を売っている店を知ってます)。 昔は根は食用に、つる(蔓)は籠だけでなく、衣類の材料でもあったとの事ですが今では人間にとっては役立たずで、放置され、好きなように繁殖し、大き

      • 紅葉の森の下草刈りは自然との格闘だ

        月2回の“きこりの会”の作業、9月は暑さと雨で2回とも中止でしたが、10月に入って例年より気温は高い状態が続いているものの、落ち着いてきたので作業再開です。今月は山での作業以外に、クズで編む籠(かご)を制作する教室も手伝って、初めてくず籠を編みました(別稿で紹介します)。 山での作業は多分今から5年位(?)前に、もみじの苗木を植えた林の下草刈りです。かなり大きく育ったもみじもある一方で、その後植えた苗、さらには実生(みしょう)で生えたもみじ、と色々な段階の混ざった林で、下草刈

        • 温暖化の酷暑...でも久し振りの山作業

           今年の酷暑で8月は中止していた”木こりの会”の山での作業が9月は再開です。しかし、8月に比べ少しは涼しくなる予想は外れ、9月中旬としては異常に暑い中での作業となり、少し無理をすると熱中症になりそうな状態でした。作業はミツバツツジを植林した場所の下草刈りでした。このツツジは僕が参加する以前、多分4, 5年前にメンバーが植えたものですが、春になると派手ではないですがきれいな花が咲きます。  以前報告したコナラの植林よりは生存率が高いのははっきりしていますが、メンバーの方々は相当

          古木は深山ではなく神社仏閣に残ってる

          森の作業は結構重労働ですので、今年の酷暑の中、7月末と8月の作業は中止になりました・・と言う事で作業の報告、感想はお休みですが、昨年は今の時期に近隣の古木、名木を見学に行きました。 大変楽しかったので今年も行くのかなと思っていましたが、皆さんの健康を優先して中止されたようです(僕には決定権ないので・・)。しかし、昨年を思い出しながら報告します。 この地区(三河)では、古木は、主に神社、仏閣に残っていますが、さすがに屋久島のように数千年と言う古木はないものの、数百年、あるいは千

          古木は深山ではなく神社仏閣に残ってる

          植林ってなんてむずかしいんだ!!

           一昨年の秋、きこりの会として広葉樹の森を充実させる計画でコナラの植林をしました。できるだけ、コナラの種から芽がでている実生(みしょう)の苗木を採取し、山の斜面に植えました。と言うと穴を掘って苗を植えるだけ、と思うかもしれませんが、実際にはとんでもない事でした。  経験者の指導のもと、日当たりや、余り大きな木が密生していない、アプローチが比較的簡単、など、場所の選定から始まり、植える場所は下草や雑木を事前に刈り、雨水がたまり易いように斜面に小さい窪地を作り、病害虫の防止などの

          植林ってなんてむずかしいんだ!!

          うちの猫は向こうからやって来た

          うちに来た猫の話をしましょう。猫と人の付き合いは色々な形があります。 キャッツの名古屋公演は先日5月末で終わってしましましたが、その直前にいきました。全編、個性的な野良猫だけで飼い猫は一匹も出てきません。 キャッツは1980年代末に初めてNYで見て以来のファンですが、今回改めて最後のオールド・デュトロノミーの言う「猫は犬と違う」の決め台詞が気になりました。 聞く人により色々な聞こえ方がするでしょうが、今までは単に猫好きの人(作家)が猫ひいきのあまり、人間に追随する犬を軽蔑して

          うちの猫は向こうからやって来た

          今日は雨、作業は中止?草木染楽しい!

          きこりの会は雨天中止が原則ですが、2年ほど経験させていただいた中で雨が降って作業に行かなかったのは今回が2度目でした。自分で決めて行かないだけなので、中止(=だれも参加しなかった)、・・かどうかは不明です。 と言う事で、今回はきこりの作業については書きませんが、少し前に木こりの会のサイドメニューとして参加者を募って、大々的に一般の4人の方々が参加して草木染をしました。自然を活用して日常生活に生かす、しかも身近な化学の勉強にもなり、大変きれいな布が染まるので、これは楽しめまし

          今日は雨、作業は中止?草木染楽しい!

          暑くなっても、きこりだぁ~

           きこりの会の他のメンバーはともかく、僕がやっているのはボランタリーで月2回、しかも1回2時間だけのきこりの真似事に過ぎませんが、それでも気温が上がってきた今月の下草刈りの急斜面での作業は結構きつかったです。  エアコンの効いた部屋で長年仕事をしてきた身にはいいフィットネス(?) になり、木々の緑の中で働く事は大変楽しいですが、きこりに限らず外の仕事をする方々はこれから大変だろうと実感します。  ちょっと硬い話になりますが、僕の本業と関連する話をさせてもらえば、植林は今、気

          暑くなっても、きこりだぁ~

          年輪から妄想が膨らむ

           写真は数か月前に木こりの方がチェーンソーで切った杉の断面です。正確に数えていませんが、年輪からは70-80歳位に見えます。この杉は30歳から40歳の時に一部の表面に傷ができて、傷口が塞がるまでに10年位かかり、その間、傷の部分は成長せずに空洞になったとの事です。この空洞は表面の状態から判断すると深さは数メートル程度だそうです。  その他細かく年輪を見ると、その間隔が色々変化しています。気温や雨量も変化があったのでしょう。単純に考えると若いうちの方が成長が早いように思われます

          年輪から妄想が膨らむ

          春は落葉、そして植物の生長の季節

           普通落葉と言えば秋ですが、常緑樹の落葉の季節は新芽がでる春ですね。新緑と同時に落葉し、樹種によってはほぼ全部の葉が入れ替わるように見えます。公園や生垣の下は落葉で埋まります。山でも同じだと思いますが、過去の落葉が積み重なって分かりにくいかも。時々掃除でキレイにしている公園などは目立ちます。  また春の植物の生長速度は予想以上に本当に早いです。一番早いのは良く言われる竹かもしれませんが、農水省のサイト(注)によれば、半年以内に10m程度に成長してしまうとの事ですが、まだ5月で

          春は落葉、そして植物の生長の季節

          植物はほったらかしがいい

          うちの庭は妻が植えた花々が今咲き誇り、新緑もすごい勢いで伸びてきて、ウグイズもうるさいほど鳴き、動植物の生きる力が実感できる季節になっています。・・が・・ジャングル状態で剪定担当の僕は茫然として、手が付けられず、余りに見苦しいところだけ恰好つけるのが精いっぱいです。  この日曜日には、自宅ののび過ぎた木々の剪定はさておき、きこりの会で山の手入れを手伝ってきました。きこりの会はもみじ、山つつじ、広葉樹の植林をしていますが、今回は咲き終わった山つつじ(正確な名前は知りません)の

          植物はほったらかしがいい

          木こりがなめたけとキクラゲを原木で栽培する

          原木しいたけは菌床に比べ、香が強く、しいたけ好きにはたまらないですが、今回木こりの皆さんが店にはほとんど出ない”原木なめこ”と”原木キクラゲ”の栽培に挑戦しました。 経験豊富な皆さんですが、きのこ栽培はあまり経験がないようです。 ただ、原木の調達は慣れたもので、伐採の許可をもらった桜の木、とは言ってもソメイヨシノとは違う山桜(通称?)で、直径20から30cmのほぼ真っすぐな木を一か月ほど前に顧問の専門家がチェーンソーであっという間に原木に仕立て上げてくれていました。これはなめ

          木こりがなめたけとキクラゲを原木で栽培する

          きこり(樵)って、木を伐採するだけじゃない

          “きこりの会”という樵(きこり)の仕事を“体験”しながら、山林の保全をするボランティア活動に参加させていただいてます。大変楽しいのと、少し慣れてきたので投稿を始めようかなと思ってます。 参加してまだ約一年半で月2回、一回2時間、近くの山林で間伐や雑木の整理などで“仕事”じゃなく“体験”にすぎませんが、ほとんどがきつい肉体労働です。ただ、これが自然に囲まれた山の中の作業だとおもしろいんです。 メンバーは僕と同じ年配の方がほとんどですが、その豊富な経験から、“里山”への思い入れ

          きこり(樵)って、木を伐採するだけじゃない