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植林ってなんてむずかしいんだ!!

 一昨年の秋、きこりの会として広葉樹の森を充実させる計画でコナラの植林をしました。できるだけ、コナラの種から芽がでている実生(みしょう)の苗木を採取し、山の斜面に植えました。と言うと穴を掘って苗を植えるだけ、と思うかもしれませんが、実際にはとんでもない事でした。
 経験者の指導のもと、日当たりや、余り大きな木が密生していない、アプローチが比較的簡単、など、場所の選定から始まり、植える場所は下草や雑木を事前に刈り、雨水がたまり易いように斜面に小さい窪地を作り、病害虫の防止などの理由があるそうですが、穴の底に木炭を敷き、肥料や保水の目的で枯れ葉を周りに敷き詰めるなど、結構丁寧に植えました。ただ、灌漑はせず雨水だけです。
 植林の当日は一般の人達も参加し、自分の植えた苗の横に名前を書いた竹の札をさすなど数十年後に大きな樹に育つ事を大きな期待を持って植林をしました。
 それ以降、数か月おきぐらいに成長具合を観察していたところ、枯れた苗も徐々に増えてしまっていましたが、昨年の落葉前には、なんとか約半分位は根付いたように見えていました。しかし、今回確認したら多分1/10位が生き残っただけで、がっかりでした。
 この原因は、色々考えられるそうで、皆さんのつぶやきをまとめると、岩の多い斜面で期待したような土壌が少なかった、事前にある程度伐採しましたが、未だ大きな木が生えていて日当たりが不十分だった、北面に近い位置だった、岩場なので水が流れやすかった、今年5月の異常な高温などです。
 その他、一部の人が気にしていたのは、その地区だけ植林のために下草や雑木を刈りましたが、隣接する地区は種々の草木が生い茂っているのに比較して、植林した場所は土や岩が露出している状態だった事でした。
 雨が降った際、下草が少ないので、枯れ葉や土壌と一緒に苗も流れてしまったかもしれません。また植えた当時を振り返ってみると、幼木が実生(みしょう)だけではなく、親木の根から生えた毛根の少ない苗も混ざっていたこともあり、見通しが甘かったかも知れません。
 よっぽど条件を整えないと効率の高い植林はできない事を実感しました。特にコナラなど広葉樹の実生の植林は難易度が高いのかもしれません。
ただ、それでも残った、小さいが元気なコナラの若木をみると色々な感慨が沸いてきました。(写真)
 今回はこのように、改めて植林の難しさを痛感しました。苗が順調に成長するためには植える場所を厳選し、専門の作業員が定期的にメンテナンスをする必要が必須のように感じました。
 これは、日本のように灌漑が必須ではない多雨、多湿の地域でも大変な労力が必要と思われます。まして海外の乾燥地帯での植林の困難さが実感できます。

 今回は“がっかり”を挽回すべく(?)、この地区に自生し、根本が腐り始めていた樹齢数十年レベルのコナラの伐採をしました。木を切り倒すのは指導をしていただいている、経験のあるメンバーがチェーンソーを使いましたが、その木の枝葉を切り取り、処置するのが我々の役目で、この暑さの中、大変な作業になりました。何人かは熱中症の前段階になり作業を中止したほどです。山の中は木々に囲まれ、直射日光はほとんど当たりませんが蒸すので油断禁物です。
ただ、皆さん年齢は高い人が多いのですが、常識外れの元気さです。
 枝葉を処置すると言っても、教えていただいたのは、枝葉は長年の間に堆肥となり山の栄養になるので外部へ持ち出すのではなく、その場所で、細かくして、ある程度整理し、放置します。また、一部は後日薪として使うことも考え、長さをそろえてその場で乾燥させる、との事でした。

暑い中、汗びっしょりで、疲れましたが楽しかったです。

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