第二話/無花果の葉は枯れた⑤【呪いの箱庭】
〈10/錆〉
入学してからおおよそ、1年と半年が経過した。6月の末、もうすぐ夏休みにさしかかろうとするこの時、グザヴィエは学院から渡された二枚の紙を握りしめ、頭を抱えていた。
その表題は『進路希望及び、次年度の授業選択希望票』、『血液詳細検査案内書』。前者は、言うまでも無く、今後の進路とそれに準じた科目を記入するための書類。後者は、魔術師としての適性を生体基準で測定するための指令書。成人し、魔術に関する職に就く者には必ず義務づけられる検査だ。本人に魔術師としての一定以上