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ムファンガノの日々

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ケニアで過ごす大学生の心境をつらつらと綴っています。辛いことも楽しいことも、正直に頑張って書くようにしてます。感想など寄せてくれると嬉ションです。
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2020年1月の記事一覧

【26】うそつきよわむし

【26】うそつきよわむし

昔から責任感が強いと言われる性格だった。母に。担任の先生に。友達に。

でもそれは違っていたと思う。僕は、臆病だっただけだ。

年を取るにつれて、人の言うことなんて大抵無責任なものなのだと思い始めるようになった。毎週ジムに通う、毎週何か勉強する、本を年間何冊読む。年の初めになって、皆が皆思い思いの抱負を語るけれど、その中で今も続いているのはどれくらいだろう。

僕は、人の言うことなんて大体行動とか

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【25】さっきよりも甘ちゃん

【25】さっきよりも甘ちゃん

「優しすぎるんだよ!お前は!」

と中学校の頃のバスケ部の顧問の先生に怒鳴られたことがある。僕にはそれが何を指しているのかわからなかったけれど、背が高くてゴール下のポジションなのに、相手に当たりにいかない僕のプレースタイルが良くないと思っていたのかなぁと今は思う。

僕は自分で自分を優しいだなんてあまり思わないけど、なんで自分でもこんな甘ちゃんなことやってしまうんだろうと思うときがある。

昔から

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【24】アンダードッグ

【24】アンダードッグ

僕、アンダードッグが好きなんです。

アンダードッグは、英語で「負けが予想されるような」という意味で、「こりゃ勝ち目ないな...」と誰もが思うようなチームとか、選手に使われる単語です。

何もいつも負けそうになりたいという意味ではありません。そこから巻き返して逆転することが好きなんです。

NBAで僕が背の低い選手が好きだったのは、生まれながらのハンディなんか気にせずに、持ち味のクイックネスを活か

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【24】Mamba Out

【24】Mamba Out

コービー・ブライアントが亡くなった。

僕は中高とバスケ部で、NBAを見るのが大好きだった。初めて見たNBAは、トレイシー・マグレディが第4クォーター35秒で13点決めて逆転する動画でめちゃくちゃ衝撃的だったのを覚えている。

他にも好きな選手はたくさんいた。僕はセンターだったけど、ガードの選手がカッコよくて好きだった。大きな相手に負けず、スピードとテクニックでくぐり抜けてシュートを決める選手が好

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【22】noteを毎日投稿してみて

【22】noteを毎日投稿してみて

なんと今回でもう22日も連続投稿してしまいました。あんまり物事が長く続くタイプじゃないのでびっくりしています。

やってみて率直な感想は「思ってたほどネタに困らないな」ということ。僕多分、普段から人より考え事してる時間が長いんですかね。

なんかで見たことあるんですが、人間の思考スピードって言葉で話す速度の8倍?だったかなんだか忘れましたが、とにかく頭で考え事するときのスピードは話したり書いたりす

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【21】大人になったら。

【21】大人になったら。

「もうちょっと大人になったら...」

僕は、大人になったら、という枕詞をよく口にしてしまうほうだ。言いかけた途中でハッとして、

「あれ、俺もう大人じゃん、22だし。もう大人だったわ。」

と思う。こんな見た目して、子どもみたいに「大人になったら」なんて言えてしまうのが滑稽にすら思えるときもある。でも、大人になるってどういうことなんだろう?

ちゃんと大学を卒業して、働きだしたら「大人になったら

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【20】現地語って大事だなぁと思う

【20】現地語って大事だなぁと思う

今日、帰り道世間話をしていた二人の学生の間を通るときに「オイモレ(現地語でこんばんは的な意味)」と言いながら通った。すると、

「エイッ!!!!!」とめちゃ大きな声で驚かれてこっちがびっくりした。こっちの人たちはビックリするときとかおいおい...みたいなシチュエーションで「エイッ」とよくつぶやく。今回は叫ばれたので、割とびっくりさせてしまったようだ。

こういうことはよくある。おはようはちなみにオ

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【19】もう、限界だった。

【19】もう、限界だった。

昨日の夜、あれだけ憔悴しきっていたのになかなか寝付けなかった。夜中の一時になっても寝付けない。

こっちに来てから全然疲れが取れない。常にやることはいっぱいなのに、疲れを取る方法がない。日本だったら温泉でも入りに行って美味いもんでも食べに行けるのに...と思う。クラファンの準備と広報、放課後授業の学校周り、カリキュラムづくり。今日もこれからバイタクに乗って遠い距離を回る。

何でこんなことしてるん

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【18】熊谷流・異文化コミュニケーションのとり方

【18】熊谷流・異文化コミュニケーションのとり方

今日は現地パートナーのケビンと性教育のカリキュラムづくりをしていて、ひとまず完成した。ゼロベースで作ったわけではなくて、ガイドみたいな教材から切り貼りして作ったわけだけど、それでも大変だった。全部で54ページもある。来週はこれを印刷して、この島のカリキュラムオフィサーなる人に見せて許可を取りに行き、次は学校の先生方に意見をもらったうえで、生徒がどれくらい性教育に関して知識を持っているか調査した上で

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【17】「限界貧困でもできる遊び」ができる人は、心の豊かな人だと思う

【17】「限界貧困でもできる遊び」ができる人は、心の豊かな人だと思う

たまたまnoteを眺めていて、こんなタイトルの記事が目に入りました。「限界貧困でもできる遊び、初級編」

お金のない筆者の遊び方が10個、このnoteには書いてあります。「金がないのは当たり前。金を使わずにいかに遊ぶかが真髄」とはなんとも心に刺さる言葉ですね。特に今僕は娯楽ゼロの島にいるのでおおっ、となりました。

このnoteに書いてあるのは、ほんとにお金のかからない、日常の中でもしかしたら僕た

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【16】ミトン越しの、じいちゃんの手。

【16】ミトン越しの、じいちゃんの手。

こないだ書いた「僕の2年半。」が過去1のPVを達成しました。と言っても200とかだけど。まだ書いてから3日しかたってないのに、過去書いた記事をごぼう抜きにされました。嬉しいやら悲しいやら。

別れっていうのは突然なときもあるもんです。予期してなかったことが起こって、さよならをいわなきゃいけなかったり。僕がもう大学に通うことがなくなってしまったように。

中2のとき、僕の母方のおじいちゃんが病院に運

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【15】会ったこともない女性に生理用品のお使いを頼まれた話。

【15】会ったこともない女性に生理用品のお使いを頼まれた話。

それは1月18日の朝。起きてSlackで国際協力サロンを開くと僕宛に通知が来ていた。あるチャンネルで生理休暇の話になっていて、そこから世界の生理用品事情知りたいね~みたいな話に発展していた。そこに僕が召喚されていたのである。そのコメントが言うには、

「ケニアからのお土産で生理用ナプキン買ってきてくれないかなぁ~」

というわけで買いました!!がっつり満面の笑みです。図らずもここ10年で一番素敵な

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【14】僕の体験した「途上国の人々との話し方」

【14】僕の体験した「途上国の人々との話し方」

突然ですが、みなさんメタファシリテーションなるものをご存知でしょうか。


国際協力界隈では必読本とすら言われているこの本、僕も2回くらい読みました。何について書かれているかというと、対人話法についてです。ザッというと「事実をひたすら積み重ねて、人の認識や意見を取り除き、真実をあぶり出す」といった感じでしょうか。

僕たちの会話は思い込みが大半を占めているため、事実が見逃されがち。事実が見逃され

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【13】恥と先輩風

【13】恥と先輩風

トルコに留学していたとき、仲の良かった友達が一人いた。彼とはよく空きコマに会って話す仲だった。彼の専門は言語学で、僕は貿易。キャンパスが違ったけど、僕は彼のキャンパスに近い寮に住んでいたので、時間を合わせるのにそう苦労はしなかった。

彼はめちゃめちゃ英語がうまかった。トルコの公用語はトルコ語だけど、通っていた大学はすべて英語で授業だったので、生徒は基本みんな英語が話せる。だけど彼は突出していた。

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