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【21】大人になったら。

「もうちょっと大人になったら...」

僕は、大人になったら、という枕詞をよく口にしてしまうほうだ。言いかけた途中でハッとして、

「あれ、俺もう大人じゃん、22だし。もう大人だったわ。」

と思う。こんな見た目して、子どもみたいに「大人になったら」なんて言えてしまうのが滑稽にすら思えるときもある。でも、大人になるってどういうことなんだろう?

ちゃんと大学を卒業して、働きだしたら「大人になったら」なんて言わなくなるのだろうか。結婚して子どもが出来たら、「大人になったら」なんて、子どもの前では言えないよなぁ。

大人ってなんだろう。僕はなんだか、何歳になっても「大人になったら」って言ってしまう気がする。でも、そんな大人もいたっていいんじゃないかな。

思い返せば、大人の言う「大人」はいつだって楽しそうな、子どもの僕には立入禁止のテーマパークだったような気がする。お母さんが飲んでいた美味しそうな梅酒を見て「大人になったら」。お父さんが運転していた車に憧れて「大人になったら」。夜遅くまで外で友達と遊んだらお母さんに怒られる。でも、「大人になったら。」

大人って、なんだか楽しい響きを持った魔法の言葉だったなぁ。それはずっと、お酒が飲めるようになって、車も運転できるようになって、夜明けまで友達と遊べるようになっても、ずっと、今もそのまま。

僕の中できっと、「大人」は楽しい人たちのことだ。自分ができない楽しみを、「いいだろ、でも君にはまだ早いよ」と卑しい顔で持ち歩いている人のことだ。

子どもはそんな卑しい大人を見つけるのが上手い。自分にできないことを見つけて「いいなぁー」と指をくわえてしまう。僕は多分まだ、もしかしたらずっと指をずっとくわえたままの子どもなんだと思う。SNSで自分が知らない世界のことを見せつけられては、「大人になったら」といつも思う。

国連で働いている人はどんな心持ちで働いているんだろう。あのNGOで働いてる人は。JICAで働いているこの人は。この民間企業で働いているあの人は。

就活を意識し始めて、そんなことを考え始める。みんな、いいなぁ。でも僕もいつか、「大人になったら」。

そんなふうに考えられるなら、子どものままでずっといいや。


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熊谷拓己
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