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蛸文(たこふみ)の読書記録

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僕の読書記録です。月に3〜4冊ぐらいのペースで更新してます。
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#読書メモ

【失敗の本質】日本軍から学ぶ日本の組織の問題点

【失敗の本質】日本軍から学ぶ日本の組織の問題点

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜第二次世界大戦から学ぶ組織論〜本書は、第二次世界大戦の日本軍の敗戦を題材として、その背景にある組織的な欠陥や構想の問題を例に、日本の組織文化の弱点を分析する、というものである。東京都知事の小池百合子さんが「座右の書」としていることでも有名である。

取り上げられる事例は、「ノモンハン事件」「ミッドウェー作戦」「ガダルカナル作戦」「インパール作戦」「レイテ海戦

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【漫才過剰考察】令和ロマン的漫才論

【漫才過剰考察】令和ロマン的漫才論

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜くるまさんの説得力〜まぁ、いわゆるタレント本である。
自分からは滅多に手を出さないのだが、職場の人からオススメされて読んでみた。

僕はまぁまぁのお笑い好きで、テレビでネタ番組を観るのはもちろん、たまに劇場に足を運ぶこともある。特定の人が好きというわけでなく、お笑いならなんでも好きという、アイドルファン界隈でいうところのゆるいDD(だれでも大好き)である。

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【マインドセット 「やればできる!」の研究】メッセージは素晴らしいが…

【マインドセット 「やればできる!」の研究】メッセージは素晴らしいが…

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜全てはマインドセット次第〜タイトルとなっている「マインドセット(mindset)」は、本書では「心のあり方」と訳されている。
マインドセットとは、すなわち物事の考え方であり、そのマインドセットは人生を大きく左右し、自分の性格(パーソナリティ)だと思っているものの多くが、マインドセットの産物なのである、と述べる。

乱暴に書くと、マインドセット次第で能力は開花す

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【今日から使える統計解析】統計検定2級の範囲をまるっとカバー

【今日から使える統計解析】統計検定2級の範囲をまるっとカバー

オススメ度(最大☆5つ)
(統計検定2級を目指している人にとっては)
☆☆☆☆☆
(それ以外の人には)
☆☆☆

実は昨年内に統計検定2級合格を目指していたが、少し予定が遅れて来月2月に検定試験を受けようと考えている。
というわけで、統計検定2級を絶賛勉強中なのだが、驚くことに本書はまるまる統計検定2級の範囲なのである。

統計学を学び始める人やライトに統計を学びたい人にとっては、少し難易度が高い

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【悪事の心理学】不正に対して行動出来ずに後悔したことのある人へ

【悪事の心理学】不正に対して行動出来ずに後悔したことのある人へ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜不正を前に人は行動出来るのか?〜例えば、あなたの職場の同僚や上司が何か不正を行おうとしている。それに気づいたあなたは、その不正を告発することは出来るだろうか?

例えば、街を歩いている時に、見知らぬ女性が男性に腕を引かれて無理矢理連れていかれようとしている。その場に居合わせたあなたは女性を助けようと行動を起こすだろうか?

目の前で起こるいじめやハラスメント

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【読むだけですっきりわかる日本史】歴史苦手な人にはこういうのでいい。こういうのがいい。

【読むだけですっきりわかる日本史】歴史苦手な人にはこういうのでいい。こういうのがいい。

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜学び直し、入門書に最適〜以前読んだ「一気に学び直す日本史」が、かなりレベルの高い一冊であったため、僕の中で歴史に対する苦手意識を生んでしまったところだが、負けじと苦手分野である歴史をちゃんと学び直そうと本書を手に取ってみた。

一言で言うと「ちょうどよかった」一冊である。
300数ページの文庫本に縄文時代から昭和の時代まで濃縮された1冊。なんとなく聞き覚えの

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【「ずるい攻撃」をする人たち】被害者にも攻撃者にもならないために

【「ずるい攻撃」をする人たち】被害者にも攻撃者にもならないために

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜ずるい攻撃とは?〜本書で語られる「ずるい攻撃」とは、
・既読スルーをされる
・大事な情報の連絡をもらえなかった
・嫌味を言われたのに「冗談だよ」と誤魔化される
・表では笑顔だが、裏で悪口を吹聴される
といったもの。つまりは、「目に見えにくくわかりづらい、遠回しな攻撃」のことを広義で「ずるい攻撃」と定義している。
なぜ「ずるい」のかというと、一見すると自分に対し

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【殺人者たちの「罪」と「罰」】殺人に関する複雑で不可解な事実

【殺人者たちの「罪」と「罰」】殺人に関する複雑で不可解な事実

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜「殺人」とは何か〜「殺人」というものは、身近に起こると恐ろしいものだが、どこか遠いところで起きるとそれは人々の興味の対象となる。頻繁に小説や映画の題材になり、ドラマティクなエンタメとしての面も持ち合わせている。

では、そもそも「殺人」とはいったい何なのか?そして、それを裁く法はどのように作られていったのか?
これを正確に答えられる人はおそらくいないだろう。

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【一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書】世界史の流れをつかむのに最適な一冊

【一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書】世界史の流れをつかむのに最適な一冊

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜世界史が苦手な僕〜世界史も含めて、僕は昔から歴史系の科目が苦手だった。受験の時にも歴史がかなり足を引っ張っていたし、いい年になった今でも、中学生で習うような歴史の話題もほとんど理解していない。

大人になって歴史を全く知らない僕にとっては、本書のタイトルは非常に魅力的であった。
「一度読んだら絶対忘れない」
世界史がてんでダメな僕は藁をも掴む思いで本書を手に

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【信じない人のための《宗教》講義】宗教とそうでないもの

【信じない人のための《宗教》講義】宗教とそうでないもの

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜神様は信じてるけど〜タイトルに惹かれて思わず購入した一冊。
僕自身は何か特定の宗教団体に加入しているわけではないが、「はるか上にいる大きな存在が自分の行いを全て見ている」という感覚で生きている。いわゆる「お天道様が見ている、という感覚」である。
こんな僕の考え方もある意味「宗教」であるのだろうが、僕はこの感覚を誰かに布教するわけではなく、僕個人の生きる指針と

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【あなたがあの曲を好きなわけ】音楽の好みを科学的にアプローチ

【あなたがあの曲を好きなわけ】音楽の好みを科学的にアプローチ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜音楽嗜好への科学的アプローチ〜僕にとって音楽は生活の中から切っても切り離せないものである。
通勤時間は常にイヤホンで音楽を聴いているし、寝る時にも音楽を聴いていないと眠れない。
聴く音楽のジャンルも問わず、ロック、ジャズ、クラシック、テクノ、などなど、とにかく何でもかんでも聴くので、音楽的には雑食である。

自分でもギターを演奏して作曲もしているので、その参

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【私の幸福論】刺激の強い幸福論

【私の幸福論】刺激の強い幸福論

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜不幸にならないための一冊〜「人間・この劇的なるもの」では頭を撃ち抜くような刺激的な言葉の数々で感銘を与えてくれた福田恆存さんの著書。こちらも、平易な言葉ながらも容易には読めない刺激の強い一冊である。

タイトルにある「幸福論」という言葉から、人が幸福に生きるためのノウハウが書かれているかと思いきや、その内容は逆説的である。
一言で表すなら「不幸にならないた

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【きみのお金は誰のため】キレイゴトを論理的に

【きみのお金は誰のため】キレイゴトを論理的に

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜世界はお金が全てなのか?〜若い頃、年上の人に「この世はお金が全てだよ」と言われて、それに言い返せずに悔しい思いをしたことがある。
たしかに、お金が無ければ、自分の欲しいものや望むものを手に入れられないのはもちろんのこと、生活することすらままならなくなってしまう。結局、お金が無ければ僕らは生きていくことが出来ない。

本書によれば、そんな論理のもとに僕らは「お

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【民主主義とは何か】曖昧な民主主義という言葉を考え直す

【民主主義とは何か】曖昧な民主主義という言葉を考え直す

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜民主主義ってどういう意味?〜「民主主義」という言葉は非常に曖昧である。
いろんな場面で使われる民主主義という言葉だが、各々使う人によりその定義が違うように思える。
「自由を守るために民主主義は必要だ」
「世の中を良くするために民主主義は守らなければならない」
「民主主義の崩壊は社会の崩壊だ」
などなど、民主主義という言葉を使ってさまざまな議論が交わされるの

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