マガジンのカバー画像

本と映画:自分カテゴリ

16
運営しているクリエイター

記事一覧

読書なう・冬

note で極力190文字に収めたいのは
そうすれば全自記事を一気に読めるから。
いちいちめくるのが面倒なのだ。

オードリー若林正恭の「ナナメの夕暮れ」を
斜めに読んでいる。ナナメにではなく。
ダヴィンチの連載は続いていたらしい。
未だつまみ読み中だが、予想より「フツー」のひとだ。
もっと「特殊」なのかと思ってた。
フツーで真面目で努力のひとだ。         
あまり私の参考にはならない。

「仏教、本当の教え」その2

この本を190文字で終わらせるには無理があった。
インド人の考え方とか、インドにおける現仏教徒は
1%(すげーボロ負け)だとか、その理由とか
いろいろ面白い。例えば。

サンスクリット語に詳しい植木氏・中村氏によると
「信じる」にも4つの元の語があるのだそうだ。
1.シュラッダー。置く。信頼に足るものに対し
心を置くこと。学び授かる。
2.アディムクティ。対象に向かい心を強く放つこと。
こころ

もっとみる

本「仏教、本当の教え」

植木雅俊著、中公新書。
帯文句が振るっていて「壮大な伝言ゲームの果てに」。
一番面白かった箇所は
「ブッダの教えは、無我ではなく非我だったかも」てとこだ。
つまり元の意味は not me だったのだが、
漢訳のミスで no me にしてしまった可能性があると。
not me ならば「アイデンティティで自己規定するな」
というよく登場する教えに沿っている。
私も以前から「無我では自灯明できんのでは?

もっとみる

読書なう

「デジタル・ファシズム」堤 未果著 を読んでいる。
デジタル技術による支配・闇についてのレポートだ。
こうなるでしょう、ではなく、こうなってます、の一冊。
非常に恐ろしい。愕然とする。
サーバーがどの国に置かれるか、が運命の分かれ目だと!?

堤氏はアメリカ野村證券に勤めてたそうで
金融にもデジタルにも詳しい。
日本で敗戦後に起きた預金封鎖の歴史とかも学べる。
表紙がチャラいのが玉に瑕。

「フェイクニュースの見分け方」その2

「フェイクニュースの見分け方」その2

つづき。

だが、そもそもみんなファクトを知りたいんだろうか?
年初に『スマホ脳』を読んだ際「フェイクニュースほど
速く広く拡散する」ことに驚いた&納得した。
みんな、フェイクでもファクトでも何でもいいんだ、と。
刺激的な話題なら。
盛り上がるのなら。
だから「ポスト真実」の時代、なのだ。
ファクトを積み上げ真実に至る、真実の次(ポスト)なんて
あるものか、真実より大事なものなど無い、
と3年くら

もっとみる
「フェイクニュースの見分け方」を読む

「フェイクニュースの見分け方」を読む

ドラマチックな空だ。
畏るべきものを思い出させてくれるような空。

山の緑が、これ以上濃い緑になれません、くらいに
濃い。黒に近い。もうすぐ秋が来る。
コオロギは、盆から鳴いている。

hatenaで紹介してたひとの評を読んで、購入。
「フェイクニュースの見分け方」
新潮新書、烏賀陽 弘道著。うがやと読む。
2017ころに出た本なので、スルーしてたが
情熱的で、読みごたえのある勉強になる本だった。

もっとみる
土屋賢二「不要不急の男」

土屋賢二「不要不急の男」

この1年半、グレープフルーツが何故か品薄だ。
ストアーの店員に詰め寄っても、原因不明だ。
コープ宅配にてやっと入手。4玉セット。
ひとりで食べきれるだろうか、と思ったが
1週間で3個食ってしまいました。
非常にうましでした。

土屋賢二氏の「不要不急の男」を買って読む。
文春文庫。私は土屋氏のファンだ。
ウイルス騒動で日本のジジイたち・知識層が軒並み
「傷んで」しまう中、土屋氏は大丈夫か?と
気が

もっとみる

本「ファスト&スロー」
カーネマン著、を読んでいる。ムズい。今200ページの辺り。
「ひとは疑うよりも、信じたがる。そっちがラクだから」
「偶然を受け入れず、規則性を見出そうとする。安心したいから」
などの、はっとする話が例を示しながら続けられる。
これは今こそ読むべき本だ。

自由になるために 自分で考える

「ということは、原理主義は人にとって必要なものなのであろう。
つまり私は原理主義の内容に関心があるわけではない。
ひとはなぜそれを必要とするのか、そちらの方に関心がある。」
p5
「「考える」ことは、自分の意識の中に埋没することではない。
そこからなんとか出ようとする作業なのである。」
p8
新潮文庫「養老孟司の大言論1」より。

何のために、自分は、考えるのか。
本を読んで学ぼうとするのか。

もっとみる

映画「お名前はアドルフ?」

フランスもドイツも、大人のための映画を作ってるなあ、
いいなあ、と思う。それを目ざとく買い付ける
WOWOWもいい。
CGなし。銃なし。エロなし。流血少々。

40歳くらいの大学教授とその妻、が弟や嫁を招いての
夕食会、その一夜のできごと。ジョーク好きの弟やら
神経質な教授やらのキャラクターがしっかりしてて、
その設定だけで話が回り始めるコメディ。
面白い。ブラックな笑い多め。

「ヒトラーを禁忌

もっとみる

「経済成長という呪い」を読む

「経済は、人類を幸せにできるのか?」つづき。
を、書こうとしたら、だいたい済んでいたので、
コーエン3部作の3に移行。
「経済は、人類を‥」は2にあたり、3がこれ
「経済成長という呪い」東洋経済新報社 2017。
ダニエル.コーエン著。
タイトルこわいよ。
原題は、Le Monde Est Clos Et Le Désir Infini
「閉じる世界と終わりなき欲望」か。閉じる??
Clos:営業

もっとみる

「科学とオカルト」で考える

つづき。
かくの如く、科学の守備範囲は限定的なわけだが、
じゃあ、とりこぼした領域は「何が」補完するのか?
と思う。
無常なのだから、法則性だとか体系だとか理論だとか
構築できないんだろうか。

なにか、世界と宇宙を貫く美しい何か、を求めるのは
大脳新皮質の見る夢でしかないのかな。
そこら辺を、まるっと「神の御業」に丸投げしてるのか。

元々は、人間の「不安と恐怖」から始まった。
そこをなだめ安心

もっとみる

「経済は、人類を幸せにできるのか?」

ダニエル.コーエン著。作品社。243ページ。
彼のことを、NHK「欲望の資本主義」で知った。
コメントが抜群で、記憶に残った。いわく、
「ネットがやっていることは結局、売買のマッチング。
創造的とは言えない」
フランス人らしい、斜めからの物言いで、突き刺さる。

本は図書で借り、以下は自分のメモから抜粋して作成。

●人間の問題は、幸せに慣れてしまうということ。
すぐに常態と化し、次の不満が発生す

もっとみる

「科学とオカルト」その2

つづき。
科学の「領分」はどこなのか。

第4章冒頭で、池田氏は言う。
「自然の中から、くり返し起こることを見出して
それを法則という形式で記述したのだ。
繰り返さなかったり、たった一度しか起きないことに
関しては、科学は無力なのである」
つまり
「世界には、科学では説明できないことの方が
むしろ多いのである」と。

一回限り、複雑系、計測不可能、同一性の不明。
こういった事象は科学の不得意分野、

もっとみる