「科学とオカルト」その2
つづき。
科学の「領分」はどこなのか。
第4章冒頭で、池田氏は言う。
「自然の中から、くり返し起こることを見出して
それを法則という形式で記述したのだ。
繰り返さなかったり、たった一度しか起きないことに
関しては、科学は無力なのである」
つまり
「世界には、科学では説明できないことの方が
むしろ多いのである」と。
一回限り、複雑系、計測不可能、同一性の不明。
こういった事象は科学の不得意分野、あるいは対象外と
なるらしい。さらに言うと、
基本的に、howを語るのが科学であり、whyについては
ほぼお手上げ。
また、池田氏は言う。
「多くの人は、科学は因果関係を明らかにする学問体系だと
思っているらしい。これもまた、少なくとも半分は
誤解である」科学が説明するのは【対応関係・相関関係】
であって因果関係ではない。
しかも、説明できるからといって、コントロールできる
とは限らない。
コロナ騒動で、すっかりお馴染みの件。
氏はさらに、念を入れてくる。
「この世界に生起する出来事は、本当のことを言えば、
すべて一回性の出来事である。
厳密な意味でくり返す出来事はない。
ゆえに、世界を一言で表現せよ、と言われれば
「世界は 無常である」と言うほかはない。」
ベリークール。
わたし的にはこの4章が胆中の胆なので、やや詳しく引用。
5~8章は、資本主義との関係やら、カルトやら、
脳科学やら、科学の現状と未来の章。
この本は積み込み過ぎてて、たいへんだ。
気が向けば続きをアップするが、未定。
私は先を急ぐので、要点しかアップしてないが、
本自体はもっと具体例も載ってて、愉しく読める。
高校生以上なら理解できると思う。
氏は科学に絶望してるわけではなく、
全体的にはエールを送っている。(たぶん)
科学の守備範囲は限定的だが、だからこそ善いのだと。
万能である必要性はない。