「経済成長という呪い」を読む
「経済は、人類を幸せにできるのか?」つづき。
を、書こうとしたら、だいたい済んでいたので、
コーエン3部作の3に移行。
「経済は、人類を‥」は2にあたり、3がこれ
「経済成長という呪い」東洋経済新報社 2017。
ダニエル.コーエン著。
タイトルこわいよ。
原題は、Le Monde Est Clos Et Le Désir Infini
「閉じる世界と終わりなき欲望」か。閉じる??
Clos:営業を終了する、の意味もあり、たぶんそっち。
原題の方が怖かった‥。
●19世紀は、電気、自動車、電話の発明まで、
20世紀ではラジオ、ネット、ゲノム解読まで進歩した、
しかし出費先は住居費などであり、大して変わらず
●金持ちすら“収入が今の2倍あれば気が休まるのに”などと
発言するおかしさ
●貧乏か金持ちかは比較対象による。常に相対的
●栄光の30年間1945~75とは、格差の減少が目に見えた
時代のことを指している。(経済成長だけではない)
●デンマーク人とフランス人の違いは、
他人を信頼できるか否か、の差。大戦の遺恨で。
●エレベーターの発明で、フランスは分断が拡大した
前回につづき、過去に図書で読んでメモしたものから
アップしている。要約ではない。
「経済は、人類を‥」も「経済成長という呪い」も
読後感は、養老孟司氏の著作物のそれと似ている。
何らかの結論に導くとか、そんな本ではない。
経済と人間、という広い世界を自由に横断する、
博物誌に近い。
「経営の参考に」とか「誰かより先んじて得しよう」と
思って読むとハズレ感が大だろう。
経済入門でもないし、何と言えばいいのか。
でも面白い。どんどん読める。腑に落ちる。
エレベーターの話とか、面白いが長くて紹介しにくい。
以下、つづく。