Spigola

人生100年を折返し始めた50代のSpigolaが、日々の思いをあれこれ表現していきます。振り返れば人生前半戦はがむしゃらに進んでぶつかっては倒れることの繰返し。だから「楽しい人生だったなあ」と最期に呟くために、ここから本番♪

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マガジン

  • 古民家再生はじめました

    2023年春、西日本のある重要伝統的建造物群保存地区で築100年の町家と出逢いました。行政に補修工事を申請し、2024年7月着工。 数十年空家のまま止まっていた時間を再び動かし、一年後には住居兼喫茶店として再生する計画です。実現までの軌跡をつづっていきます。

  • ストレングスコーチになる

    Gallup認定コーチの資格をとり、会社員を卒業した筆者が、コーチとしての活動を確立する軌跡を発信します。古民家再生にチャレンジしつつ、地方移住と独立起業を目指します。

最近の記事

古民家再生はじめました ~天窓で町家に光を取り込む~

7月の着工から4か月あまり。わが家は補修工事の真っ最中だ。これまで、オンラインで知らせていただく情報だけで進捗把握していたけれど、やっと作業中の現場に入ることができた。 今月末に行われる伝統的建築物保存事業の行政検査にむけて、傷んだ土台や柱を入れ替えたり、保修したり、崩れた土壁を復元したりと、現場作業は絶賛進行中。まずはデンケン対象部分の作業なので、コンクリート基礎も今は細長い敷地の半分だけだ。 懸案だった軒桁の「マサメノマツ」も無事見つかった。現場の中央にドーンと置かれ

    • 古民家再生はじめました ~瓦屋根の葺き替えと野地板張りの天井~

      台風シーズンを迎える前に屋根工事を終えて欲しかったわが家の修復現場。なかなか着手されず、ボロボロ屋根の瓦が誰かの上に落ちたりしないかと気が気じゃなかった。ついに古い瓦が降ろされ、新しい瓦が載ってひと安心。 タイトル写真は工事前。崩れ落ちそうな下屋根の瓦は、粘土で固定されている。これは大正期の創建時のままだ。昭和になってから葺き替えられているらしい大屋根の瓦のほうは、桟かけ組立方式。どうやらセメント瓦だ。右側に写っている隣家の屋根瓦は、近年葺き替えられたものらしい。 すっか

      • 古民家再生はじめました ~地元石材の敷居に甲丸レール~

        遠くから見守るしかない、わが家の修復工事。今月末には帰省予定なので、ようやく現場を直に見ることができる。すこし涼しくなって工事も捗っているらしい。こまめに連絡いただけるおかげで状況把握はバッチリだけれど、なにしろ着工後一度も現場を見ていないから、もうワクワクドキドキだ。 昨夜は、敷居石が設置された、と連絡があった。 もともとは入り口の土台部分に使われていた地元の石材。他地域では知られていない材料だけれど、地元では、今も残る独特な石組みの見事な城壁や、神社や庭園で使われてい

        • ワタシがどんな人なのか、改めて説明をしてみようと、突然思った

          自分の考えを整理するために始めたnoteですが、「スキ」をいただくたびにとても嬉しく、読んでくださる方がいると思うと俄然やる気がでてきます。唐突ですが、感謝の気持ちを込めて、改めて自己紹介をさせてください。 はじめましての方も、どうぞよろしくお願いします。 1)簡単な(?)プロフィール・生まれてから、学校に通っていたころ 岡山生まれの広島育ち。島根の高校を卒業し、大阪で大学生活。 すばやく新しい環境に馴染めるように、すぐ地元の言葉をマスターするのが得意だった。今も、状況

        • 古民家再生はじめました ~天窓で町家に光を取り込む~

        • 古民家再生はじめました ~瓦屋根の葺き替えと野地板張りの天井~

        • 古民家再生はじめました ~地元石材の敷居に甲丸レール~

        • ワタシがどんな人なのか、改めて説明をしてみようと、突然思った

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        • 古民家再生はじめました
          18本
        • ストレングスコーチになる
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        記事

          古民家再生はじめました ~いまや稀少な柾目(まさめ)の松材が必要です~

          着々工事が進む現場の状況を、一カ月ぶりにオンラインで見せてもらった。都度送っていただく写真は確認していたけれど、大工さんたちの会話や作業する音が背後から聞こえてくる動画は、伝わってくる臨場感が一味違う。 建築士さんから少し遅れ気味と聞いていたので、おそるおそる状況を尋ねてみた。農繁期であることに加え、あまりの暑さで作業が止まっていたあちこちの現場が、すこし涼しくなって同時に動き始めて人手が足りないという。防蟻処理の業者さんの順番待ち、伝建物件に必須の「行政チェック待ち」も影

          古民家再生はじめました ~いまや稀少な柾目(まさめ)の松材が必要です~

          古民家再生はじめました ~脱線編:日本の農業について、少しだけ調べた~

          こまめにLINEで状況を知らせてくださる建築士さんから、三人目の大工さんがようやく現場に合流でき工事スピードが上がった、という連絡があった。ひと安心だ。最後に「ただし農繁期なので、三連休はお休みです」とある。 職人さんたちは兼業農家なのかしら。そういえば、会社にいた時も、ゴールデンウィーク明け、日焼けしている同僚に「どこかに行ったんですか?」と気楽に聞いたら「実家で農業をやってて、連休はずっと田んぼ仕事だったんすよー」という返事が返ってきて、びっくりしたっけ。 この夏の暑

          古民家再生はじめました ~脱線編:日本の農業について、少しだけ調べた~

          よりよい未来を目指し、ずっとやりたかったことを、すぐ始めることにした話

          この夏、33年余り勤めた会社を早期定年退職した。自ら決めたことだけど、筋金入りの仕事人間だった私としては「晴天の霹靂」である。きっかけは、一軒の古民家との出会いだ。 コロナ渦、会社員人生二度目の「迷走中」だった私。人事部主催のシニア社員向け研修に参加した時、定年後の再雇用制度の説明など聞きながら、はっと気づいた。考えるべきは人生後半をいかに生きるかであって、会社での立ち位置うんぬんではない。人生前半で得た経験を、これからは誰かのため未来のために役立てたい。周囲のひとも自分た

          よりよい未来を目指し、ずっとやりたかったことを、すぐ始めることにした話

          古民家再生はじめました ~職人技あればこそ、古材が活きる~

          現場監理も行ってくれている建築士さんから、和室の柱の傷んだ根元を「金輪継ぎ手」で補修した写真が送られてきた。新しい木材と古材がピッタリ合わさって一本の柱になっている。何度でも言うが、これを現場で合わせ込める大工さんて、本当にすごい。「職人技」という言葉どおりだ。 実は、これとは別に、間口を支える柱にも、より深刻なダメージが発見されていた。二間町家入り口の左右の柱、両方だ。とりわけ向かって左側の柱は、シロアリ被害だけでなく、傷んだ屋根からの水漏れもあって腐食が進んでいたのであ

          古民家再生はじめました ~職人技あればこそ、古材が活きる~

          古民家再生はじめました ~金輪継ぎ手で傷んだ柱の根継ぎを行う~

          1300年という気の遠くなるような時間を生き抜いた奈良・薬師寺東塔。2009年に始まり、2023年2月に竣工した全解体修理をとり上げたNHK番組「新・プロジェクトX  ~挑戦者たち~」。昨日、その再放送があった。偶然に視聴したのだが、私たちにとっては何ともタイムリーな内容だった。 1万点を超える部材を全て取り外して組みなおす難工事、というのだから、実に凄まじい。中でも驚いたのは、塔の中心を貫く「心柱(しんばしら)」の修理である。根元が腐り、内部はシロアリに食い荒らされて3メ

          古民家再生はじめました ~金輪継ぎ手で傷んだ柱の根継ぎを行う~

          古民家再生はじめました ~木造建築だから、シロアリ対応は欠かせない~

          大型台風がひとまず去って工事再開。強風の影響で解体途中の土壁の一部が落ちてしまったが、それ以外に大きなダメージはなくて一安心。当初の計画より少しづつ遅れているのは気がかりだけれど、現場の判断を信じて、ひとつひとつ前に進む様子を見守るだけだ。 まず、シロアリにやられていた土台の取替作業である。全て取り換えてしまうのならば話は早いのだけれど、なにしろ「伝統的建築物保存事業」であるため、明らかに維持不能と判断されたものだけを交換することになる。基本的に、残せるものはできるだけ残し

          古民家再生はじめました ~木造建築だから、シロアリ対応は欠かせない~

          ストレングスコーチになる ~経験から語れる相談役という立ち位置を見つけた~

          台風一過ではないけれど、熱帯低気圧に変わった台風10号の影響が弱まって今朝は気持ちのいい青空。風が爽やかだった。 無職の今こそ好機なり、と意を決して、かねてから懸案だった親不知(おやしらず)抜歯に踏み切ってから2週間。翌日から三日間は、まるで漫画の "こぶとり爺さん" みたいな面白い顔で過ごした。その後もロキソニンなしでは何も考えられない日々が続いていたのだけれど、ようやく昨夜は、痛み止め薬を飲まずに眠ることができた。もっとも、オットの証言によれば、昨夜のワタシは「歯が…歯

          ストレングスコーチになる ~経験から語れる相談役という立ち位置を見つけた~

          古民家再生はじめました ~釿(ちょうな)削りの梁は、江戸時代の古材~

          大正後期に建てられたらしい我が家は、街道沿いに多く残る江戸時代の建物とは「つくり」が異なっている、と以前の記事で紹介した。屋根が高く勾配も急なために屋根裏の空間が広い。そして、江戸時代には参勤交代のお殿様行列を見下ろさぬよう低く作られていたという二階の階高が、現代とあまり変わらない構造になっているのだ。 ところが天井板を外してみると、思わぬところに江戸時代の大工仕事が残されていることが判明した。天井梁の一部に、この場所にもともとあった(らしい)更に古い建物の材料が転用されて

          古民家再生はじめました ~釿(ちょうな)削りの梁は、江戸時代の古材~

          古民家再生はじめました ~決めて行動したから気づいた、大切なこと~

          台風一過の青空。真夏とは少し違う雲と澄んだ空の色が、少しづつ秋に向かっていることを微かに感じさせてはくれる。けれど、、、とにかく暑い。こんな日は涼しい部屋で読書に限るぜ、と、久しぶりに紙の本を一冊読んだ。古民家再生のために会社を辞める、と言い出したワタシのために、同期入社の仲間たちが選んでくれた本だ。 昨年春に見つけた古民家を悩んだ末に購入し、先月から補修改築工事を始めた私たち。今住んでいる都内からは遠く離れた地方都市にある城下町の、小さな古民家町家に移住することを決め、夫

          古民家再生はじめました ~決めて行動したから気づいた、大切なこと~

          古民家再生はじめました ~ボロボロになった襖絵も出てきました~

          関東地方に台風が近づいて、気温はいつもより低いはずなのに息苦しいくらいの蒸し暑さだ。新幹線も航空便も運休で、せっかくのお盆休みが台無しになったひとたちの様子がニュースに映し出される。ウチは出かける予定もないので平和だけれど、ちょっと切ない。 今日は、先日紹介した手描きの設計図面とおなじように解体中に出てきた、ふるーい襖絵の話。この家が無人になったときには既に使われていなかったようで、物置の奥にしまい込まれていたらしい。まあ見事にボロボロだ。 古い襖絵が見つかった、と連絡を

          古民家再生はじめました ~ボロボロになった襖絵も出てきました~

          古民家再生はじめました ~石積みの古い井戸を残す~

          お盆で工事もお休みなので、今日は敷地内に残された古い井戸の話。それは細長い敷地の真ん中あたりにある。鉄板で蓋されていたので、これまで中をのぞいたことはなかったのだけれど、解体工事のついでにオンラインで見せてもらうことができた。動画からの切り出し画像は見えづらいけれど、丸い石積みの井戸の底に、まだちゃんと水があるのがわかる。 以前の持ち主がここで暮らしておられた頃は生活用水として井戸水を使っていたそうで、思い出深いものだとのこと。でも、私たちが移り住むにあたって、居住に必要な

          古民家再生はじめました ~石積みの古い井戸を残す~

          古民家再生はじめました ~天井板を外すと~

          二階の天井板を外すと古い梁と屋根裏が見えてきた。この梁がずっと家を支えていたと思うと感無量だ。 街道沿いに多く残る江戸時代の建物は、厨子(つし)二階町家と呼ばれる天井の低い作りだけれど、大正後期に建てられたらしい我が家の二階は、生活するにはそこそこ十分階高がある。梁を見せて広い空間をつくることには憧れがあったけれど、屋根裏を残しておけば暑さ寒さを遮る効能がある。二階を生活空間にするのであれば、更に断熱材をいれて天井をつくっておいたほうが快適に暮らせるでしょう、という建築士さ

          古民家再生はじめました ~天井板を外すと~