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古民家再生はじめました ~木造建築だから、シロアリ対応は欠かせない~

大型台風がひとまず去って工事再開。強風の影響で解体途中の土壁の一部が落ちてしまったが、それ以外に大きなダメージはなくて一安心。当初の計画より少しづつ遅れているのは気がかりだけれど、現場の判断を信じて、ひとつひとつ前に進む様子を見守るだけだ。

まず、シロアリにやられていた土台の取替作業である。全て取り換えてしまうのならば話は早いのだけれど、なにしろ「伝統的建築物保存事業」であるため、明らかに維持不能と判断されたものだけを交換することになる。基本的に、残せるものはできるだけ残していかなければならないのだ。

どれを撤去して取り換えるかは、事前の計画図面に明記して提出済である。しかし、本当に取り換えてよいのかの判断は、解体後の実物確認を待たねばならない。確認準備ができたら市役所の町並み保存部門に連絡し、一級建築士の資格をもつ担当者に現地でひとつひとつ確認していただくのだ。承認されてから、ようやく作業にかかれるというわけだ。ふぅ。

そんなこんなで、やっとこさ、食い荒らされてボロボロになった土台が外された。土壌の防蟻処理は隣家と一緒に実施して、同じく防蟻処理を施した新しい土台を収めていく。ただし、シロアリ被害が大きい箇所では、写真のように、土台のみならず柱の一部にも広がっているのが発見されたりもして、がっくりしてしまう。この柱の場合は、問題のある部分だけ撤去して「根継ぎ」という作業で修復し、上部は古い材を残すことになった。

それでも傷んでいた土台を全て取り換えた結果、めでたく本柱がまっすぐになった(!!!)と連絡があった。更に、この作業の過程で、横架材間で2cm差異があるのが見つかったそうだ。そういった構造修正は、これからリノベーションで細かく行っていくことになる。

半世紀近く時間の流れが止まっていた古い建物。それが、建築のプロフェッショナルたちの手で、こうして少しづつ息を吹き返していく。

一方で私たちは、ここで新たな日常を紡いでいくための準備をあれこれ頑張っているところ。心配事はとにかく山盛りあるのだけれど、もはや未来は、ガッツで切り拓いていくしかない。「よっしゃー!」 なのである。








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