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古民家再生はじめました ~地元石材の敷居に甲丸レール~

遠くから見守るしかない、わが家の修復工事。今月末には帰省予定なので、ようやく現場を直に見ることができる。すこし涼しくなって工事も捗っているらしい。こまめに連絡いただけるおかげで状況把握はバッチリだけれど、なにしろ着工後一度も現場を見ていないから、もうワクワクドキドキだ。

昨夜は、敷居石が設置された、と連絡があった。

もともとは入り口の土台部分に使われていた地元の石材。他地域では知られていない材料だけれど、地元では、今も残る独特な石組みの見事な城壁や、神社や庭園で使われている、美しい石である。

行政から是非残すようにと指示があったものの、うまく加工できるかどうかは分からない、という話を建築士さんから聞いていた。ひとまず、石屋さんに訊いてみてから考えます、という説明だった。

石屋さんに相談したところ、「御影石とか製品石材ならば対応するけれど、既存の石の加工はできません。」と断られてしまったとのこと。結局、工務店の社長さんが、それなら自分がやる、と現場で加工して下さったそう。

凝灰角礫岩の地元石は、城壁を支える耐久性がありつつ比較的加工しやすいらしい。素朴で独特な風合いが魅力だが、くだんの社長は「石屋に頼むと、ピカピカに磨き上げてしまうけん。」とも、言っていたそうだ。

工務店社長が加工してくれた地元石材の敷居

建築士さんのメールには、さらに「溝に甲丸レールが入ります」とある。
…ん? 甲丸レールとは??? また、慌てて検索。

どうやらこういうことらしい(私の理解)

甲丸(こうまる)レールというのは、引き戸の戸車が走行するガイドとなるレール。材質は真鍮やステンレスで、かまぼこみたいに上部が丸い断面形状をしている。敷居部分は石だったり木だったりいろいろ。頑丈なつくりだそうで、昔は木製建具の出入口や窓によく使われていて、今でも学校などには採用されることがあるらしい。

… なるほどー。そういうことかー。

街道側の入り口だから、古い記録などで確認されるとおり木製建具で外観を復元していかねばならない。足元の敷居もちゃ~んと地元石材で仕上げられるというわけだ。

タイトル写真にあるとおり、古い柱材の傷んだところを根継ぎして残したうえで、その下に設置されたのが地元石材で加工された敷居である。

敬意を表したいのは、こんなふうに地元のもの、昔のものを残していくためには、手間を惜しまない姿勢…。なんというか、深い「愛」を感じる。

実物を見るのが、ほんとうに楽しみだ ♪ 
やっほー!


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