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古民家再生はじめました ~脱線編:日本の農業について、少しだけ調べた~

こまめにLINEで状況を知らせてくださる建築士さんから、三人目の大工さんがようやく現場に合流でき工事スピードが上がった、という連絡があった。ひと安心だ。最後に「ただし農繁期なので、三連休はお休みです」とある。

職人さんたちは兼業農家なのかしら。そういえば、会社にいた時も、ゴールデンウィーク明け、日焼けしている同僚に「どこかに行ったんですか?」と気楽に聞いたら「実家で農業をやってて、連休はずっと田んぼ仕事だったんすよー」という返事が返ってきて、びっくりしたっけ。

この夏の暑い最中も、扇風機くらいしかない現場で作業してくださっていた職人さんたち。お休みの日も農作業ではちっとも休めないだろう。そうでなくとも、日本の農業には色々課題があるという。父は勤め人だったけれど、両親とも実家は元農家だ。それでも私は殆ど農業のことを理解していない。なんだか急に気になってきて、少し統計データを眺めてみた。

総務省統計局のデータ(少し古い)によると、兼業農家は全体の7割弱。農業だけで生活するのは難しい実態が分かる。都道府県別にみると、兼業率が低い、つまり専業農家さんがダントツで多いのは北海道。平成30年 で北海道の兼業農家は32%。続いて和歌山、宮崎、鹿児島、愛媛、高知などが50%前後である。なんとなく、特産品がすぐに思い浮かぶ地域ばかりだ。

北海道の耕地面積規模は他県よりずっと大きいから専業で成り立つのだろう、というのはすぐに想像がつく。北海道以外では、5haを超える農地はわずか6%弱。それに対して、北海道の農地は10ha超が61%だ。大規模農家のほうが効率的な運営がしやすくて収益性も高いという。大規模化を支援する「農地バンク」という政策もあるそうだ。

けれど、大規模で運営するには大きな設備投資が必要だし、天候影響を受けやすいことも考え合わせれば経営リスクは小さくない。また、大規模農業の環境負荷についての懸念もある。化学肥料や農薬の使用量が増えて、土壌や水質に大きく影響を与えるのではないか、というのだ。

そもそも、日本国内では小規模経営農家の数が圧倒的に多く、2018年時点で96%。また、日本の農地の4割を占める「中山間地域」は大規模効率化に不向きだという。では、これらを地域ごとの特性に合わせて高収益化するには、どんな手があるのだろう。

解決策の一つとして「法人化」があげられる。対外信用力が向上したり、交代で休暇をとることができるようになって農業従事者の福利厚生面が向上したりするし、税制面や経営継承面などでも、多くのメリットがある。一方、事務的負担増加をはじめとした課題も見逃せない。さらに、兼業農家をベースに法人化を考えると、副業的な働き方を想定した仕組が必要になりそうだ。

ざっと調べてちょっと考えてみたくらいでは到底解決しそうにはない、ということが良く分かった。けれど、これから地域貢献していきたいと考えているのだから、きっと具体的な実態に直面することもあるはず。その時までに理解を深めておきたいと思う。

日本で大規模農業は可能なのか。大規模農業の現状と今後の展望 - 農業メディア│Think and Grow ricci (kaku-ichi.co.jp)

農業経営を法人化する際のメリット・デメリットについて - 農業メディア│Think and Grow ricci (kaku-ichi.co.jp)


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