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世にも奇妙な法律の真相(真偽は?理由は?ガッツリ解説する)

ユーロ神話とは、欧州連合法(EUに加盟している国々で運用されている規則)の中にすごくおかしなものがある、と世界が誤解していることを表す言葉だ。

現代日本でも、山奥にはサムライ部族やニンジャ部族が残っているんでしょう?などと問われたら、笑ってしまうだろうが。これと大差ない。

委員会規則(EC)No. 2257/94 通称「曲がったバナナ法」は、ユーロ神話の典型とも言われているし、不必要なヨーロッパの官僚主義の例とも言われている。

要するに。ユーロ支持者からすると、「実際そんなアタオカなこと言うわけないだろ」で。ユーロ懐疑論者からすると、「こういうアタオカなことになるから嫌なんだわ」と。

私たちはこれを平たく見てみよう。

栽培者や卸売業者が、青いバナナをそういう商品として(商品名「グリーン・バナナ」とかね)販売する場合、人間が食用できるはんちゅうであれと。害虫はついてなく・異常な変形や湾曲はなく・異臭や異味はなく……。

ここに「異常な湾曲」という文言が出てくるわけだが。どの程度の湾曲が異常なのか、その定義が示されなかったのだ。

どうだろうか。私的には、EU曲がったバナナを禁止するらしいwwまっすぐなバナナづくりがんばりなよwwとからかう人が出たのも、わからなくはないという感じだ。

「まっすぐなバナナ」で検索して出てきた。まっすぐかどうか実際判断しづらいが、かわいい画像。

まずは1つ書いてみた。今回は、こういう話をいくつかしていく。


現代社会は複雑であり、人々の意見は多岐にわたる。法律には多様性が見られ、中には大変おもしろいものもある。だが。このように神話状態になってしまっている情報 = 偽情報も、少なくない。

フェイクを信じていたところでなんら問題ない、笑い話のはんちゅうばかりだが。まぁ、1回きっちりと、このわたくしが真実と嘘松を仕わけしてやるかと😂出張ってきた次第である。まじめな話、ネット上にあるのは似た書き口の俗説羅列ばかり(コピペか)なのでね。

以下、案外かたい内容なんだなと思うかもしれないが。不真面目なことは真面目にやった方がおもしろいんだよ。(主観)


「アリゾナ州では、ロバを浴槽に寝かせてはいけない」嘘か誠か?

1920年代に、ある牧場主が、野外に放置されている浴槽にロバを昼寝させていた。洪水が起きた日、浴槽の船に乗ったロバが流されてしまった。地元住民によるロバ救出大作戦!的なものが興り、かなりの税金が費やされるはめに(役人目線)。すこぶる可能性は低いだろうが、再発防止のために法律をつくっておいた。

というナラティブ。

アリゾナ州法律専門委員会認定の労働者災害補償専門家で、法律事務所を営んでいる人が言う。今は、この法律は存在せず。ロバを浴槽で眠らせたい場合、誰もそれを止めることはできないが。当時は、本当にあったのかもしれないと。

(私に情報源出せよと言うと。たとえば、今のこれだけの情報にも/著名人でなくとも。述べた人の名前・顔写真・会社住所・電話番号まで出すよ。

誰やねんでしょ。
意味ないでしょ。

毎回こんなのをさしこんだ文章、誰も読みたくないでしょう。続きを書く)

出元は、彼とは別の弁護士のブログだった可能性。私の見る限り、誰が紹介するこの物語にも引用元が示されていない。私には、これ以上この話を検証することができなかった。

ごめん。


「コネチカット州でピクルスがピクルスと認められるには、落とした時にはずむ必要がある」嘘か誠か?

コネチカットの住民が語る悩み「長年、観光客などから、コネチカットのピクルスの法律について質問され続けてきた。多くの本やネットで紹介されているため、仕方ないのだが。そんなルールはない。しかし。かつて、はずまないピクルスにまつわる事件はあった」

この文章をサマリーする。

ピクルスに弾力なし。2人の男を逮捕。

人間の食用に適さない製品を販売した容疑(食品の偽造および虚偽表示に関する州法違反)で、2人の男が逮捕された。州食品医薬品局長が消費者からクレームを受け、調査を命じたのがきっかけで発覚。彼らの工場へ行くと、大量のキューカンバーが巨大な桶に漬けられていた。腐敗し・ウジ虫がわき・悪臭がした。局長は言った。落としたらはね返ってくるくらいが、良質なピクルスというものだろうが!ここのピクルスは、はね返るのではなく足もとでくだけ散ったぞ。こんなものを販売するなど笑止千万。

なるほど。これにタイトルをつけるとしたら、たしかに「弾力のないピクルス事件」だ。局長の熱弁の影響で。逮捕された男♪ と 試された漬物♪ で、まぁまぁ韻が踏めるな。


「カリフォルニア州のカーメル・バイ・ザ・シーという町では、ハイヒールをはくのに許可証が必要」嘘か誠か?

この小さな町は、住所がないことやクリント ・イーストウッド氏がかつて町長だったことなどで、知られている。カーメルの創設者たちは都市化を望まず。現在まで、手紙は郵便局にとりに行くシステムで・夜道には街灯がない。

公式の情報にそう書かれていても。そういう演出ーーというのは多少なりあるのかなと。「街灯」はなくても「外灯」はあるんでしょう?的な。観光地が、レストランやバーで稼がないわけがない。

動画をお借りする。現地リポート系動画はリサーチにありがたい。はい、洗練された都会。

「都市伝説だと誤解されがちだが。許可証を取得しない限り、ヒールの高さが2インチを超える靴や底面積が1平方インチ未満の靴をはくことは、禁じられている。地元警察が条例違反者を逮捕することはないが、法律は本当にある」

カーメル・ビジター・センターがこう明示している。存続している法律はすぐに確認がとれて楽だ。これで終わりでは物足りないため、理由も書く。

石畳の道も転倒する人も多い場所では。観光客から起こされる訴訟も多くなる。町が毎度責任をとらなくて済むよう、予防措置的にあるものなのだ。理にかなっている。許可証は無料である。妥当だ。


「シンガポールでは、窓から裸を垣間見せた場合、罰金をとられる」嘘か誠か?

開けなければ、と言いたいのだろう。

このような質問に対し、「カーテンを全部閉めて、エアコンをつけて、裸で好きなだけ」「うっかり隣人に自分の姿をさらさなければ、大丈夫。もしそうしてしまったら、通報されないことを祈るだけ」という回答が寄せられていた。

「シンガポール法律オンライン」によると。自分の家の中にいても公衆の面前で裸になることは、雑多な犯罪(公共秩序および迷惑行為)法の第27A条によって犯罪とみなされる。よって、罰金をとられることがある。

例)公道に隣接する住宅のベランダは、歩行者のための公道でもあると。なるほど。日本でもこのような定義があるのだろうか。そうだとしても、常識として納得だ。

ここで自宅だからと全裸で新聞を読まれたら、微妙。

以下は、同様の質問をしたカナダ在住の人。

笑。羞恥心などの普通の感情で自ら判断できるし、そうしろよと。

近所の屋根に工事業者の人がいる日も含め、好きな時に絶対に全裸で泳ぐ権利を望むのはよしなさい。自宅にプールをもっている人に、水着を買うお金がないとは言わせないぞ。


オーストラリアから3つ。

「オーストラリアの一部では、トイレが見つからない場合、車の後部左タイヤに排尿しても問題ない」嘘か誠か?

なぜ、こんな神話が拡まっているのか。老若男女の誰も、そんなものを別に見たくないのに。こら!ダメだぞ!で済むのはワンちゃんだけだ。

ギリ推測して。車の陰に隠れてできる限り見えないようにーーの比喩表現だとか。いや、それもなさそうだ。

クイーンズランド州の簡易犯罪法では、このように規定されている。「人の骨盤付近から液体が排出されたのが見られた場合、その人が排尿していたことの十分な証拠となる」こんなことが書かれている時点で、適切な場所以外で放尿をすることが歓迎されていないのは、明らかである。

「オーストラリアのヴィクトリア州では、日曜の正午以降に濃いピンク色のパンツを着用することは違法である」嘘か誠か?

これも、事実としてよく紹介されている1つだが。これが事実であることを示すものは、新旧の法律のいずれにおいても、見られない。

土曜の午後はいいのか、日曜の朝はいいのか。ツッコミどころ満載である。オーストラリアの人々に、ホットなピンクのパンツをいつでも好きな時にはかせてあげて!

「オーストラリアのクイーンズランド州では、タクシーのトランクに干し草を積むことが義務づけられている」嘘か誠か?

この法律も存在しない。正しくは、現在は存在しない。最も長く残っていたメルボルンでも、1980年に廃止されている。

馬車時代の奇妙な名残で時代遅れの法律がーーという文章をネット上に散見するが。乗客の荷物を積む限られたスペースを干し草でつぶせと言われ、黙って従っているとでも?オーストラリアの人々をバカにしているのか。「自動車に干し草ルール」が世界のどこかに残っているとして、万が一にも、それで人が実際に罪に問われていることはないよ。

0時を超えたら馬になる車種とかなのか。

三菱の『エクリプス』

この法律はおそらく、ロンドンで最初に施行された。タクシー = 馬車だったからだ。1976年に削除された。タクシー = 馬車ではなくなったからだ。馬にちゃんと昼休憩をとらせろ的な、英国の馬愛を感じる。


車系でもう1つ、2ついこう。

「マニラの首都圏では、私は〇曜日に車を運転することができない」嘘か誠か?

結論から言うと、半分本当だ。

マニラの都市部には、交通渋滞を解消するための独自ルールがある。道路の大半で、午前7時~午前10時・午後5時~午後8時に、「ナンバー・コーディング」と呼ばれるスキームが適応されている。

一日中適応されるマカティ市には、オフィス街がある。フィリピンの金融の中心地だ。

以下が、ナンバープレートの末尾の数字と曜日の組合せだ。自分の車のナンバーの末尾が1か2なら、月曜日はマイカー通勤・帰宅はできないだろう。

渋滞解消のために、斬新かつ大胆な策を打ち出し。人々もそれを受け入れ、成り立っているのだな。フィリピンすごいな。


「スウェーデンでは、全ての車両はヘッドライトを常時点灯する必要がある」嘘か誠か?

これは本当だが。スカンジナビア諸国の車のヘッドライト類は、エンジンをかけると自動的に点灯するようになっているらしく、(故障を放っておきでもしない限り)破りようがない法律かもしれない。

この法律は、冬季の日光不足による視界不良を理由に、制定された。

昼間は、通常のヘッド・ライトの代わりにデイ・ライトを使用してもよく。スウェーデンのこの慣習から、世界の車にもデイ・ライトが普及したという。


テーマから外れるが。北欧の人々の悲しみの季節的なピークについて、少し書いてみる。

ノルウェー在住の男性「私は、ノルウェー北部の都市トロムソに住んでいる。夏には太陽が全く沈まない月が2ヵ月あり、冬には太陽が地平線の下に沈んだままの月が2ヵ月ある。私は南ヨーロッパ出身だ。私の出身地とはかなり異なるが、ここの夏がとても好きだ。エネルギーがわいてくる。夕方なのに、ハイキングに行こうと言われる」

白夜(Midnight Sunset)と極夜(Polar Night)のことだ。

どちらも雰囲気のいい動画。観てみたら、思わぬリラックス効果があった。おそらくは子どもの語り手が、夜の太陽は昼の太陽よりもソフトで特別な美しさがあると言っている。

季節性情動障害 SAD(Seasonal Affective Disorder)の主な原因は、日光不足であると考えられている。

日本各地の年間日照時間は、おおむね1500時間~2200時間程度。世界平均の約2500時間より短い。

ヨーロッパ各地の1月の日照時間。
バルセロナやマドリードと聞くと陽気なイメージがあるよね。下の方はたしかに曇り空のイメージだね。

スウェーデン在住の女性「12月のストックホルムでは、午後2時半に日没の写真が撮れる。日の出前に出勤し、日が沈んだ後に退勤する。やる気のなさを感じるのは私にやる気がないからだ・大したことではない、と長年思っていた。ジキル博士とハイド氏をもち出して冗談話にしたり、私は双子座だからなどと言って誤魔化していた。いよいよ、つらくなってきて。正式な診断を受けた。他の多くのスウェーデン人と同様、私もSADだと言われた」

北欧諸国では、住民の6.5%が重度のSADと診断されているそう。軽度のSADの人となると、はるかに多いはずーーという話を裏づけるような文章だ。

かつてSADの一般的な治療法だった光線療法は、北欧の医療施設で好まれなくなっているらしい。効果がないからではなく。睡眠とストレスの研究をしているストックホルムの心理学者が言うには、根拠にもとづいた研究を行うのが難しいからだと。

こういうことだろうか。プラセボ投与は重要な要素なのに、参加者に気づかれずに光線療法を行うのは難しい。特に重度の患者には、抗うつ剤を与えた方が確実だもんな。苦痛をうったえて病院へ来ているのだから、そりゃあ薬を出す。患者らも、もらえるものならほしいだろうし。そういう流れができてしまっている?

一方で。SADの最良の治療法は高輝度光療法だ、と断言する学者もいる。光療法用ランプを使用することを推奨している。

専門家の間でも意見が割れているんだな。北欧の人々のメンタル管理、大変そうだ。


「亡くなった人と結婚することができる」嘘か誠か?

死後結婚/冥婚は、参加メンバーの少なくとも1人が亡くなっている結婚だ。

「相手だけが亡くなっている結婚」ではないので、Posthumous marriage で検索して出てくるステキな絵は、定義的にも正しい。

フランスは、死後結婚を法律で規定し認めている(フランス民法第171条)数少ない国の1つである。1803年に、戦争未亡人を対象としてはじまり。現在では、妊娠中の女性の婚約者が亡くなった場合のためにある。

それはいいと思うが。この一例はどうなのか。

何があったのか知らないが、ここまでのケンカになって、2人の魂は結ばれたがっているのだろうか。最後の文も???だし。


〆に、世界中の珍しい交通標識を見よう。

エストニアス:スノー・モービルのルート

ベラルーシ:ヒキガエルの横断(夏にカエルが大量発生すると何かで読んだ気がする)

ベラルーシの切手

南アフリカ:ヒッチハイク禁止
アラブ首長国連邦:ラクダ注意報
米国:道路上でのスケーター禁止
チリ:雪崩地帯

ニュージーランド: Kererū のために速度を落とせ(ニュージーランド固有のハトがマオリ語で書かれている)

インドネシア:火山噴火時の避難ルート
英国:軍用車両は低速走行せよ


また、思わず検証せずにはいられない世にも奇妙な法律が見つかったら、お会いしましょう。

その前に、実際に世にも奇妙な法律に出くわしてしまうのは、あなたかも知れません……。