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HSPでASDの私がジャーナリングで築いた自分らしいキャリア

世の中には「HSS型HSP」や「ASD(自閉スペクトラム症)」といった特性を持つ人がいます。私もその一人です。外向的に見える反面、内面は繊細で、何気ない刺激にも心が揺さぶられる。新しいことに好奇心を持つ一方で、人間関係や環境の変化に敏感すぎるあまり、自分の居場所が見つからないと感じることも多くありました。

ですが振り返ってみると、そうした「生きづらさ」に見えた部分が、今の私の仕事や生き方において重要な意味を持つことに気づきました。私の経験を通じて、少しでも同じ悩みを抱える人に勇気を届けられればと思います。


繊細さと多様な経験がつながったキャリア

私のキャリアは、さまざまな挑戦の積み重ねでした。大学生の頃はカフェでアルバイトをしながら、お客様のニーズを察知し対応する力を学びました。その頃に簿記の資格を取得し、「数字を扱う」スキルを身につけました。一方で、卒論では企業倫理学をテーマに「よい企業とは何か」を追求し、企業の社会的責任について考える機会を得ました。

社会人になってからも、新たな分野への挑戦を続けました。希望していた出版業界に入り、編集者として書籍づくりをするだけでなく、週末はデザインスクールに通い、DTP(デスクトップパブリッシング)の技術を身につけました。ゲラを自分で作成できるようになったことで、数字に強いだけでなく、クリエイティブな力も発揮できるようになりました。この経験が、IR(投資家向け広報)という現在の仕事に結びついています。

IRは、企業の財務情報(お金のこと)と非財務情報(環境保護や人材面など)をわかりやすく伝える仕事ですが、それだけではありません。デザインを通じて情報を視覚的に整理したり、企業の理念や価値を表現する場面も多くあります。さらに、大学時代に研究した企業倫理の視点が、仕事における判断や提案に深みを与えています。

自分の特性や強みを見つけるために

こうしたキャリアを築く中で、特に役立ったのが「ジャーナリング」の習慣です。私は学生時代から13年間にわたり、毎日ノートに自分の思いや考えを書き続けてきました。現在、102冊目に突入しています。

この習慣は、単なる日記ではありません。

  • その日の出来事を振り返る

  • 自分の良かった点や改善点を整理する

  • 将来の目標や、理想の自分について考える

これらを繰り返す中で、私が「数字に強いこと」「クリエイティブ性があること」「企業経営への興味が深いこと」など、自分の特性や強みを少しずつ理解できるようになりました。そして、それらが次の挑戦やキャリア選択を後押ししてくれました。

メッセージ

HSS型HSPやASDの特性を持つ人は、周囲のペースに合わせることが難しかったり、過剰に悩みを抱え込んでしまったりすることがあるかもしれません。ですが、その特性は必ずしも「弱み」ではありません。それを活かせる場はきっと存在します。そして、それを見つけるための第一歩は「自分を知る」ことです。

私自身、ジャーナリングという習慣を通じて少しずつ自分の特性を理解し、活かせる場所を見つけてきました。だからこそ、繊細さや生きづらさを抱える人たちに「自分の特性を否定しないでください」と伝えたい。

これからも自分自身を見つめ、歩み続ける過程で得た気づきを、皆さんと共有していきたいと思います。あなたの特性が光る瞬間が、必ず訪れます。そのときまで、どうか自分を大切にしてください。


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