周回遅れ

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【社会のモノサシ】 「脳は世界をどう見ているのか」 ジェフ・ホーキンス、2022

 脳は頭蓋という箱の中にある。・・脳自体には感覚器官はないので、・・脳が現実について知るための唯一の道は、・・感覚神経線維を経由している・・電気の波だけである。・・繰り返し・・感じて動くことで、脳は頭蓋外の世界のモデルを学習する。  ・・重要なのは二点、脳が知るのは現実世界の一部分についてだけであること、そして私たちが知覚するのは世界のモデルであって世界そのものではないこと。  一部の哲学者や科学者はこのように考えてきた。これは人が非現実的な仮想世界に生きるという意味ではな

    • 【プチ研究】 組織のなかのシニア (5) リスペクトする対話スキル

      資料(4)「年上の部下」をもったら読む本、濱田秀彦、2018  相手をリスペクトする対話スキルを諸説から抜書してみました。特に資料(4)は、使える例文が豊富に掲載されています。 諸説の要約 シニアの労働意欲は高いのだが、意欲が空回りするので、パフォーマンスに結びつかない。その原因は、シニアがフィードバック不足に陥っているからだ。(1)職場の先輩なので、周りも遠慮するし、本人も周りを見下す、(2)加齢によって変化適応力が低下し、頑なになっている、(3)ポストオフの喪失感を克

      • 【プチ研究】 組織のなかのシニア (4) 生理的変化

        諸説の要約環境変化(おもにポストオフ)で自身の働き方に変革が求められる。 しかし、加齢によって変化適応力が低下し、頑なになる。でも、言語力や思考力は低下しない。だから頑固だが弁がたつ厄介者になる そのうえ、意見してくれる先輩がいない。 意見してくれる年下の上司がいたとしても、見下しているから言うことを聞かない(逆エイジズム)。その結果、フィードバックを受け付けない無敵の厄介者になる。 しかし労働意欲はあるので、行き場をなくした労働意欲がさまざまな問題行動を引き起こす。

        • 【プチ研究】 組織のなかのシニア (3) 労働観の混乱

           組織の中でシニア社員が厄介者になりがちなのは、フィードバックが困難になるからであり、その原因は、序列の混乱、労働観の混乱、生理的変化の3つだと要約しました。以下は、労働観の混乱に関する諸説です。 諸説の要約 日本では長らく、昇給昇格という承認欲求を餌に、日本企業好みのパフォーマンスを引出してきた。しかし40代で供給すべき職位が激減し、定年延長で事態はさらに悪化する。  充たされない承認欲求の埋め合わせとして他責や自責に耽る。具体的には、チームワークを乱すわがままな振る舞い

        【社会のモノサシ】 「脳は世界をどう見ているのか」 ジェフ・ホーキンス、2022

          【プチ研究】 組織のなかのシニア (2) 序列の混乱

           企業におけるシニアの働き方問題の核心は「フィードバックの困難さ」だと要約しました。なぜ難しいのか、さらに調べてみました。原因は序列の混乱、労働観の混乱、生理的変化、の3つに集約できるように思います。  序列の混乱がコミュニケーション問題となるのは、序列を「横柄とへつらい」というボディランゲージに転換してしまうからだ。解決原理は簡単だ。横柄にもならず、へつらいもせず、役割として序列を尊重する、そういう組織人となることだ。しかし、学校でも職場でも序列によってボディランゲージを

          【プチ研究】 組織のなかのシニア (2) 序列の混乱

          【プチ研究】 組織のなかのシニア (1) 実態

           「働かないオジサン」と揶揄され、シニア就業には厳しいものがあります。手の届く範囲で調べてみました。 諸説の要約 「モチベーションが低い」「パフォーマンスが低い」「マネジメントしづらい」など、シニア社員への評価は厳しい。にもかかわらず、現場の「年上の部下」と「年下の上司」の8割は互いに良好な関係性を保っている。ということは現場では、パフォーマンスに目をつぶって、無難な関係性維持を優先していることになる。  だから、シニアの働き方の課題は「関係性を良好に維持しつつ、いかにシニ

          【プチ研究】 組織のなかのシニア (1) 実態

          【社会のモノサシ】 レヴィナス 「全体性と無限」 p85-97

          レヴィナス「全体性と無限(上)」1961 岩波文庫、第9刷、2017  大事なことが書いてある気はするのですが、歯がたちません。勉強のために数ページごとに要約しています(ページ数は岩波文庫による)。太字は原文のまま。 B 分離と言説1 無神論あるいは意志 p84-85:  定立と判定立・・が対立として現れるのは、双方を包みこみ概観する視線に対してである。  〈同〉は〈他〉と分離していると言っても 「U=A+(Aの否定)」の形式で表現できるものではない。もしそうであるな

          【社会のモノサシ】 レヴィナス 「全体性と無限」 p85-97

          【生産性のモノサシ】 マネジャーひとりで人が育つわけではない

          Managegers can't be great coaches all by themselves ハーバード・ビジネス・レビュー日本版、2019/4月号 https://www.gartner.com/en/executive-guidance/connector-manager The Connector Manager Performance Advantage And why other approaches do more harm than good. 要

          【生産性のモノサシ】 マネジャーひとりで人が育つわけではない

          【社会のモノサシ】 レヴィナス 「全体性と無限」 p73-84

          レヴィナス「全体性と無限(上)」1961 岩波文庫、第9刷、2017  大事なことが書いてある気はするのですが、歯がたちません。勉強のために数ページごとに要約しています(ページ数は岩波文庫による)。太字は原文のまま。 5〈無限なもの〉の観念としての超越 p73-75: ・・無限の観念は、観念によって観念されたものが・・当の観念を踏み越えているという点で、例外的なものである。これに対して、ものについては、「客観的」で「形式的」な実在との完全な一致の可能性が排除されていない

          【社会のモノサシ】 レヴィナス 「全体性と無限」 p73-84

          【社会のモノサシ】 レヴィナス 「全体性と無限」 p56-73

          レヴィナス「全体性と無限(上)」1961 岩波文庫、第9刷、2017  大事なことが書いてある気はするのですが、歯がたちません。勉強のために数ページごとに要約しています(ページ数は岩波文庫による)。太字は原文のまま。 3 超越は否定的なものでは(説明でき)ない p56−59:  超越の運動 (手の届かぬものを渇望すること) は否定形で記述できない。「〇〇でないもの」と表現することは、すでに「〇〇」と「〇〇の否定」の合算である全体を私が手に入れていることだからだ。  たと

          【社会のモノサシ】 レヴィナス 「全体性と無限」 p56-73

          【社会のモノサシ】 レヴィナス 「全体性と無限」 p38-55

          レヴィナス「全体性と無限(上)」1961 岩波文庫、第9刷、2017  大事なことが書いてある気はするのですが、歯がたちません。勉強のために数ページごとに要約しています(ページ数は岩波文庫による)。太字は原文のまま。 第一部 同と他A 形而上学と超越1 見えないものへの渇望 p38-39: 形而上学は、私には手の届かぬ「他なるもの」を思考したいという渇望として顕れる。一見「他なるもの」と見えても、私によって思考されることで、私に取り込まれてしまう、そのようなものは、すで

          【社会のモノサシ】 レヴィナス 「全体性と無限」 p38-55

          【社会のモノサシ】 レヴィナス 「全体性と無限」 p13-34

          レヴィナス「全体性と無限(上)」1961 岩波文庫、第9刷、2017  大事なことが書いてある気はするのですが、歯がたちません。勉強のために数ページごとに要約しています(ページ数は岩波文庫による)。太字は原文のまま。 序章p13: 戦争によって道徳は嗤うべきものとなる。道徳に替わって、戦争に勝利する技術としての政治が理性の手段となる。 p14: 戦争は全ての人々から主体性を剥ぎとる。やりたくもない戦争を誰も止めることができないという事実がそれを証明している。 p15:

          【社会のモノサシ】 レヴィナス 「全体性と無限」 p13-34

          【生産性のモノサシ】 Toxic Workplace Behavior 職場の有害行動 - 対策編

           職場の有害行動は法律に違反するわけではないので、米国でも解雇は困難とされている。そのうえ上司先輩が有害行動をとる場合には、部下後輩の自己防衛策は限られてしまう。  マッキンゼーの記事は「日頃からチームの外に人的ネットワークを広げておく」ことを推奨している。上司先輩の有害行動に対しては、チーム内の同僚部下だけのネットワークでは太刀打ちできないからだ。 McKinsey に加えて Insead や Forbes のオンライン記事も参考にして、上司先輩の有害行動への対処法をま

          【生産性のモノサシ】 Toxic Workplace Behavior 職場の有害行動 - 対策編

          【生産性のモノサシ】 Toxic Workplace Behavior 職場の有害行動 - 分類編

          McKinsey とCNBCのオンライン記事3編の読書メモです。職場の問題行動を研究している心理学者 Tessa West の著書を紹介しています。 How to handle your work jerk、March 29, 2022、McKinsey 職場の嫌なやつに対処する方法 Toxic workplace behavior and employee burnout: Fix one fix both、September 30, 2022、McKinsey 職場の

          【生産性のモノサシ】 Toxic Workplace Behavior 職場の有害行動 - 分類編

          【生産性のモノサシ】 「OJT完全マニュアル」 2015 (3)

          松尾睦(まつおまこと)「OJT完全マニュアル」2015 評価 (報告を聴き、フィードバックを伝える)フィードバックの4原則 聴ききる(できればメモをとる) プロセスを承認する(ねぎらう): 成果があがっていなくても、努力にねぎらいの言葉をかける。「ねぎらい」によって部下の心が開き、フィードバックを受け入れる準備が整う。 問いかけ、本人に考えさせる: ここが山場なので発問に工夫する。 アドバイスする: 部下の成果や実力が十分であれば無理にアドバイスする必要はない。部下

          【生産性のモノサシ】 「OJT完全マニュアル」 2015 (3)

          【生産性のモノサシ】 「OJT完全マニュアル」 2015(2)

          松尾睦(まつおまこと)「OJT完全マニュアル」2015 計画の実行「私は常にあなたのことをっ見守っている」というサインを送る 育て上手は、部下と頻繁にコミュニケーションすることを心がけ、「見守り」サインを送り、「聴く」を重視する。 「見守り」サインの送り方: 視線を送る、声かけする、日報のフィードバックを必ず行う、メモを渡す、メールする、他メンバーに指導をお願いする(間接的に「見守り」サインを送る)。 「見守り」サインを上手に送れば、職場や部下に張り付く必要がないので

          【生産性のモノサシ】 「OJT完全マニュアル」 2015(2)