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#古代
マークの大冒険 現代日本編 終章 リトル・サンクチュアリ | ゴールデン・アフタヌーン、放課後はキミのいる古書店で
アイオーンの胸にロンギヌスの槍が突き刺さっていた。
「10年越しにやっと決着がついたな」
マークは胸にロンギヌスの槍が刺さったアイオーンを見て言った。
「目覚めの時が来る。キミは元の器に戻る。果実の代償は、夢から目覚めること。オリエンタル・ウィンドでの目覚め。指輪が持つ記憶の忘却は夢から覚めないための救済であって代償ではない。指輪は見たい幻想をいつまでも見させてくれる器」
「どういうことだ
放課後オリエント | 考古学への目覚め
大学の頃、ちょうど必修と必修の間の空きコマに一般教養科目として考古学の授業があった。時間が合ったという理由だけで何となく取り、楽単だったらいいなという、やる気のない学生特有の淡い期待も抱いていた。授業開始が近づくと少し早めに赴いて最後列を確保した。これもやる気のない学生の習性である。
やる気のない学生は、やる気はないがこういうことにかけてはマメである。長い90分を少しでも快適に過ごすには場所取り
マークの大冒険 現代日本編 | 秘密を暴きし者
「それでは、今日はここまで。次回は貨幣を用いた考古学現場の年代推定についてだ。フォーラムにレジュメを上げておくので、各自、次回の授業までに目を通しておくように。それから再来週は、研究出張で休講予定となっている。詳細は追って連絡するので、そちらもフォーラムで確認しておくように」
教壇に立つマークは、聴講する学生たちに言った。講義の終わりを告げるチャイムが鳴り響き、学生たちは講堂の最前席に出席カード
マークの大冒険 現代日本編 | 秘密を語りし者
「......キミはどうして、ボクが果実を持っていると思ったんだい?」
「それは_____。全ての答えは、文献の中に既にある。教授の著作の言葉ですよ」
「それじゃあ、キミはボクがタイムトラベラーか何かで、いろんな時代を行き来してたって言うのかい?」
「はい。その通りです」
「そんな馬鹿げた話があるかい?」
「でも、それが事実です。そうした結果が現実としてある。エジプトのサッカラで起こった
マークの大冒険 | 東風 〜始まりの予感〜
早川瞳がボクの写真事務所に現れてから、一週間ほど経った。
ボクは古代コインを専門としているだけに、早川が鞄から出したアレクサンドロス大王のコインを見てひどく驚いた。彼女が持っていたものは、アレクサンドロスのコインの中でもエジプトで発行された特別なタイプのものだった。
通常、彼のコインは獅子の毛皮を被ったデザインで表されるが、象皮を被った珍しいタイプが存在している。彼女は持っていたものは、まさに
マークの大冒険| ザ・ビフォア・アドベンチャー 『キミがいた季節』
「名前?名前は風秋(ふうき)だよ。秋の風が吹き始める季節に生まれたから風秋。私、自分の名前が好きなんだよね。でも、それって大事なことだと思わない?」
出会って間もない頃に彼女がそう言ったことをよく覚えている。珍しい名前だから印象的だというのもあるけれど、何より自分の名前が好きだと胸を張って言える彼女の姿は輝いていた。そして、時折見せる彼女の笑顔は世界の全てを救えてしまえるような気がするほど綺麗だ
マークの大冒険 ビフォア・アドベンチャー|夢を諦めないで
「私はバカだからさ、高卒だし、こんな仕事しかできないけど、マークは良いじゃない。頭も良いし、大学も出てるし、夢がいっぱいあって。私もキャリアウーマンみたいな感じで、バリバリ働いてみたかったな。バリっとスーツを着てさ。カッコいいよね、ああいう女の人って。私じゃ絶対なれないからさ、すごく憧れなんだよね。だから、マークには夢を諦めないでほしいな。私と違って夢を叶える力があるんだから。いろいろ難しいこと、
もっとみるマークの大冒険 | 東風 〜動き出す歯車〜
たとえ東の風が吹こうとも、
ボクらの冒険は終わらない。
そこに謎がある限り、
ボクらは前に進み続ける。
ボクらの冒険は、
まだまだ始まったばかりだ。
夢と志を持ち、
風のように駆け抜ける。
毎日が冒険。
毎日が非日常。
ボクらはそんな果てなき旅をする。
動き出した歯車は止まることを知らない。
🍀🍀🍀
午後。女学院にて。
「あの子、自慢とか全然しない子だからあれだけど、成績も結