詭弁家

バンされればそれまで

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マガジン

  • 詩小説『白鯨』

    ハーマン・メルヴィルの『白鯨』をモチーフにした連作です。

  • 『夜明けの詩人』(仮)

    18歳の時、僕はあなたに恋をした。あなたに憧れて詩を綴りはじめた。酷い出来だったけど、あなたは僕の詩が好きだと言ってくれた。それだけで僕は嬉しかった。 ※上から時系列通りに並べています

記事一覧

一行詩:誹謗とか中傷とか

他人を謗る人は皆死ねばいいのに

詭弁家
3週間前
1

詩:最低弦を響かせて

嫉みと妬みを捩じ込んだ 聞くに耐えない雑音は 未だ熟れざる果実が一つ 木から落ちていくようで G線上を滑る弓 最低弦を響かせて 歪んだ心の表象か 心を悼む独唱歌 兎角…

詭弁家
1か月前
3

ミニストップのハロハロを食べたい

詭弁家
1か月前
2

詭弁家
1か月前
1

詩:四季・夏

夏場の太陽に触れてしまった 指先が真っ黒に焦げてしまった 魂が燃えて爛れてしまった あれが冬の朝日だったなら 仄かに暖かかっただろうに! ----------------------…

詭弁家
1か月前
4

詩:四季・冬

凍てつく部屋に月の明かり 長方形にペンが滑る チ。 生み出されるのはゴミばかり 凍える指が震え出す チ。 夜を照らした街灯も 所詮は月の紛い物  徐々に擦り減る精神…

詭弁家
1か月前
4

詩「白鯨:海の上の散歩」

どれだけ歩いてきただろう 人のいない海の上を 波先が白く輝いて 太陽が散っているみたい 歩くたび波紋が広がりやがて凪ぐ 僕の軌跡を消していくように 海の上を歩くが如…

詭弁家
1か月前
3

詩:最終電車

最終電車がやってきて あなたの声を掻き消した 光を放ってやってきて あなたの影を照らし出す 最終電車に乗り込んで メロディと共に扉が閉まる 車窓越しに僕を見据える あ…

詭弁家
1か月前
2

詩「白鯨:雪の国」

在りし過去の夜、夏祭り 祭り提灯が頬照らす ぼうと染まったその頬が 燃えてるように赤ら引く あなたは照れているのかや 夏が終われば秋が来る 悲しみ深き秋の日の 胸の痛…

詭弁家
1か月前
2

扉を開ける。雲の白さに目が焼けた。

詭弁家
1か月前
1

エッセイ:忘れられない一節

私は出掛けた時、基本的に書店に行きます。そこでブラブラと30分ほど本をつまんでいます。たまにグやロフトも覗くくらいしますが。 三月の下旬だったかな、いつもみたいに…

詭弁家
1か月前
5

詩「白鯨:嵐」

空を見上げれば綿雲が 白鯨と見紛うほど雄大に 青空の底を泳いでいた 息を呑むほどの大きさで 足がすくむような純白で 青海原を泳ぐように あの雲の大きさが あの白の恐…

詭弁家
1か月前
5

詩「白鯨:病室にて」

白い夏の陽、病室にて 横たわるあなたの影を見た 小説を持つその指先は 細く悲しく、白鯨のよう 海を泳いでいるかのように あなたの瞳はやさしかった あなたの指に触れた…

詭弁家
1か月前
2

詩:林檎を一つもぎります

あなたとの思い出が詰まった 林檎を一つもぎります 口に運ぶと少し甘くて 少し苦くて悲しくなります 少し疲れたから木陰で一休み 空の上、大きな雲を見上げます 流れの早…

詭弁家
1か月前
3

詩:もし太陽を見た事がなかったら

夜明けがいつ来るのか分からなくて 今日も一人 詩ばかり綴る もし太陽を見たことがなかったら 朝を待つこの心はこんなに苦しくないのに もし太陽も見たことがなかったら…

詭弁家
1か月前
3

エッセイ:コンバースが破れた

最近、歩いてると踵が痛いなぁなんて思ってたんですけど、今日確認したところコンバースの踵の部分が破けていた事がわかりました。 履き潰していたので、中がだいぶ汚れっ…

詭弁家
1か月前
2
詩:最低弦を響かせて

詩:最低弦を響かせて

嫉みと妬みを捩じ込んだ
聞くに耐えない雑音は
未だ熟れざる果実が一つ
木から落ちていくようで

G線上を滑る弓
最低弦を響かせて
歪んだ心の表象か
心を悼む独唱歌

兎角孤独な部屋の中
最低限の灯りの中で
窓を閉め切ったままでいる
夜明けの光を待っている

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「G線上のアリア」

ミニストップのハロハロを食べたい

詩:四季・夏

詩:四季・夏

夏場の太陽に触れてしまった

指先が真っ黒に焦げてしまった

魂が燃えて爛れてしまった

あれが冬の朝日だったなら

仄かに暖かかっただろうに!

-------------------------------------------------
「四季・夏」
夢を見る人です

詩:四季・冬

詩:四季・冬

凍てつく部屋に月の明かり
長方形にペンが滑る チ。
生み出されるのはゴミばかり
凍える指が震え出す チ。

夜を照らした街灯も
所詮は月の紛い物 
徐々に擦り減る精神と
溶け往く蝋は紙一重 

斜陽を睨めば降った夕立
口を出るのはカスの舌打ち
街を練り往くバカばかり
どこか見覚えのある奴ら

凍てつく部屋に月明かり
舌打ちばかりが響く部屋

チ。

------------------------

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詩「白鯨:海の上の散歩」

詩「白鯨:海の上の散歩」

どれだけ歩いてきただろう
人のいない海の上を
波先が白く輝いて
太陽が散っているみたい

歩くたび波紋が広がりやがて凪ぐ
僕の軌跡を消していくように

海の上を歩くが如き我が命
真下を見れば暗闇が覗く

どれだけ歩いてきただろう
あなたのいない海の上を
波が太陽を反射して
心が散っているみたい

波がたち海の底が白くなる
水面を揺らし現れた
巨大なそれは僕を飲み込み
海の底へと沈んでいった

そん

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詩:最終電車

詩:最終電車

最終電車がやってきて
あなたの声を掻き消した
光を放ってやってきて
あなたの影を照らし出す

最終電車に乗り込んで
メロディと共に扉が閉まる
車窓越しに僕を見据える
あなたの顔がよく見えなく、て

最終電車は発車した
夜に溶けていくように
眩い光は見えなくなって
ホームに残った僕一人

-------------------------------------------------
あなたを見送

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詩「白鯨:雪の国」

詩「白鯨:雪の国」

在りし過去の夜、夏祭り
祭り提灯が頬照らす
ぼうと染まったその頬が
燃えてるように赤ら引く
あなたは照れているのかや

夏が終われば秋が来る
悲しみ深き秋の日の
胸の痛みを如何せん

雪が降った。はらりと降った。
あなたの影が埋もれてく
記憶の底が白くなる
これじゃあまるで徒労じゃないか

思い出だとか記憶とか
妄想と何が違うのか
形が無ければ意味も無い
あなたの記憶を何如せん
胸の緋色を如何せん

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扉を開ける。雲の白さに目が焼けた。

エッセイ:忘れられない一節

エッセイ:忘れられない一節

私は出掛けた時、基本的に書店に行きます。そこでブラブラと30分ほど本をつまんでいます。たまにグやロフトも覗くくらいしますが。
三月の下旬だったかな、いつもみたいに書店で本をつまんでいました。その日も、なんの気無し選んだ中原中也の詩集を手に取り、いつものようにてきとうな頁を開きました。その時に目に飛び込んできた一節が忘れられません。

「げに秋深き今日の日は石の響きの如くなり。」

読んだのは春先で

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詩「白鯨:嵐」

詩「白鯨:嵐」

空を見上げれば綿雲が
白鯨と見紛うほど雄大に
青空の底を泳いでいた

息を呑むほどの大きさで
足がすくむような純白で
青海原を泳ぐように

あの雲の大きさが
あの白の恐ろしさが
写真に写せてたまるものか

あの雲の上に神様がいるのなら
恐ろしい雨を降らせてくれよ

雷さえ鳴りて命限りと思えるような
岩をも動かすほどの暴風を
世界を沈めてしまうほどの嵐を

その雨の後に泳ぐのは
空浮かぶあの白鯨だ

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詩「白鯨:病室にて」

詩「白鯨:病室にて」

白い夏の陽、病室にて
横たわるあなたの影を見た

小説を持つその指先は
細く悲しく、白鯨のよう
海を泳いでいるかのように
あなたの瞳はやさしかった

あなたの指に触れた
夜の海の冷たさに触れた
あなたの髪を梳いた
海の底の静けさを感じた

ベッドに差した木漏れ日に
訳も分からず苦しくなった
水に窒息するようだった
声が出ない事に気がついた

ただ声も無く、海の底へと沈んでいく

詩:林檎を一つもぎります

詩:林檎を一つもぎります

あなたとの思い出が詰まった
林檎を一つもぎります
口に運ぶと少し甘くて
少し苦くて悲しくなります

少し疲れたから木陰で一休み
空の上、大きな雲を見上げます
流れの早いあの入道は
あなたの所まで届くでしょうか

家に戻り、部屋から窓の外を覗くと
あの木には檸檬が成っていました
その淡く綺麗な黄色と言ったら
鼻を撲つ匂いがするようでした

白百合を愛でるあなたの影が
今も頭に浮かびます
あなたが手折

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詩:もし太陽を見た事がなかったら

詩:もし太陽を見た事がなかったら

夜明けがいつ来るのか分からなくて
今日も一人 詩ばかり綴る

もし太陽を見たことがなかったら
朝を待つこの心はこんなに苦しくないのに

もし太陽も見たことがなかったら
明日に期待することもなかったのに

あの海辺の暁光を見てしまったから、
不明瞭だった境界線を浮かび上がらせ
夜を明るく照らし出した、強く明るく
残酷なほど美しい太陽の光を

窓を開けると月が覗き込み
水のような月光が部屋を浸す
夜明

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エッセイ:コンバースが破れた

エッセイ:コンバースが破れた

最近、歩いてると踵が痛いなぁなんて思ってたんですけど、今日確認したところコンバースの踵の部分が破けていた事がわかりました。

履き潰していたので、中がだいぶ汚れっちまってました😢見苦しくてエッセイは、短文で書かれた文章のことです。すみません。中敷というか、踵の部分ですね、かなり豪快に破れていました。靴に詳しくないので正式名称は分かりませんが、破れた箇所からプラスチック製の型?のようなものが出てき

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