詩:林檎を一つもぎります
あなたとの思い出が詰まった
林檎を一つもぎります
口に運ぶと少し甘くて
少し苦くて悲しくなります
少し疲れたから木陰で一休み
空の上、大きな雲を見上げます
流れの早いあの入道は
あなたの所まで届くでしょうか
家に戻り、部屋から窓の外を覗くと
あの木には檸檬が成っていました
その淡く綺麗な黄色と言ったら
鼻を撲つ匂いがするようでした
白百合を愛でるあなたの影が
今も頭に浮かびます
あなたが手折ったあの花は
机の上の花瓶にあります
とっくに枯れてしまったけれど
それでも愛しているんです
人のいない森の小屋の中で
私はあなたを待っています
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?